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トランスユーロアカデミーHP開設


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2020.11.02

ドイツ語

ドイツ語における数詞の謎


翻訳、通訳に従事する上で、外国語の数の表現には特に注意が必要です。「数字の表現なんて世界共通で、言語が違うだけでしょ?」と思われるでしょうか。確かにアラビア数字である1,2,3…は、世界共通に使用されている記号で、誤解が生じることはあまりありません。

しかし、数詞や、言葉で数を表す命数法は、諸言語によって表現方法が異なり、また、各言語によって採用している位取り進法(10進法、12進法、20進法など)も様々なため、混乱を招きやすいのです。

21は20+1?それとも1+20?

日本語は10進法を採用しているため、比較的シンプルかつ合理的な命数法であるといわれています。しかしドイツ語の数詞には独特な表現があります。ドイツ語は英語と同じ語族であるため、1から9までの数詞にも類似性があります。

 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
one two three four five six seven eight nine ten
eins zwei drei vier fünf sechs sieben acht neun zehn

 ドイツ語の11から19までの表現も、英語と似た表現で、11 elevenelf, 12 twelvezwölf, 13 thirteendreizehn…と、同じ言語構造になっています。しかし、21以降になると一筋縄ではいかないのがドイツ語の数詞の特徴です。例えば、ドイツ語で21は、einundzwanzig と表現しますが、これは1と20(ein und zwanzig) という三つの語から成るひとつの単語で、最初に1の位、次に10の位を発音します。これが三桁の数字になると、100の位、1の位、10の位の順序で読み上げます。さらに大きな数、たとえば、58,236(Achtundfünfzigtausendzweihundertsechsunddreisig)などになると、Acht8-und-fünfzig50-tausend1000-zwei2-hundert100-sechs6-und-dreisig30と、千の桁、万の桁、百の桁、一の桁、十の桁と、左から2番目、1番目、3番目、5番目と4番目の順で音読することになってしまいます。複雑ですね。

なぜ、左から順番に発音しないのか?これには諸説ありますが、その起源は4千年前にも遡るそうです。ドイツ語の祖語である、インド=ヨーロッパ語族の言語は、元来、一の位を先に表記する慣習がありました。時代は進み、アラビア数字がドイツに紹介されたのは15世紀のことですが、読み方を左側から順に発音していく事が推奨されたものの、定着はせず、古い慣習が残ってしまったという説があります。

このように、1の位を先に発音する言語は他にもあり、オランダ語、デンマーク語、ルクセンブルク語、スロベニア語、アラビア語などがそれに該当します。実は、英語にも同様の慣習があったようですが、16世紀に言語改革が進み、twenty oneと発音するようになりました。またノルウェー語も同じく、1951年に1の位を先に読む発音法を廃止しました。そういえば、よく考えると、今でも英語の13から19までは、1の位を先に発音していますね。

Long scale, short scale

数詞に関してさらに厄介なのが命数法の違いです。日本語では、4桁ごとに単位(万、億、兆)が繰り上がりますが、欧米諸語では、三桁ごとにカンマで区切り、単位が繰り上がります。これらは便宜上、万進法、千進法などとも呼ばれています。

さらに混乱を引き起こすのは、1000の累乗を基準とするlong scale, 100万の累乗を基準とするshort scaleという西洋の命数法の存在です。この二つの命数法は、10億以上の数字を表す際に違いが生まれます。short scaleは英語圏と東欧で、long scaleはフランス、ドイツを含む、欧州諸国で主に使用されています。

 

long scale (英語) short scale (独語)
100万 million Million
10億 billion Milliarde
1兆 trillion Billion
1000兆 quadrillion Billiarde
100京 quintillion Trillion

表からもわかるように、英語圏でBillionといえば10億ですが、英語圏以外では1兆を指し、英語圏の1兆Trillionは、英語圏以外では100京を指しています。

このように外国語における数の表現は、話し言葉と書き言葉、共に誤訳や混乱を招きやすいので、注意が必要となります。


参考HP

 

 

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