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2021.05.11

翻訳一般

日本語を翻訳する際の3つの難題


日本の文化がハイコンテクスト文化の象徴とされるように、日本語という言語の面でもコンテクスト(=文脈、背景)はいつも重要な役割を果たしています。しばしばコンテクストから理解され得る事柄は、話されている言葉や書かれている言葉には含まれていないので、受け手は話し手や書き手の意図を汲み取って解釈しなければなりません。

1.日本語には複数形がない

英語やドイツ語のテキストでは、名詞の形態から、話している対象が単数なのか複数なのかが判ります。一方日本語ではどうかと言うと、複数形を表す手段はあることにはありますが、滅多に用いられません。たいていの場合は、コンテクストから推測しなければなりません。そのため、日本語を他言語へ翻訳する際、ターゲット言語の名詞に単数形か複数形かの明確な区別がある場合には、翻訳者は日本語文のコンテクストを解釈して複数形として翻訳するか、単数形として翻訳するかを判断しなければなりません。論理的な制約や言語学的なマーカーから文法的な数(文法的に強制される数)が判る場合が多いですが、別の解釈が成り立つ場合もあります。

数が高度に重要となる場合は、翻訳についてセカンドオピニオンを求める必要があるかもしれません。「他所で翻訳をお願いしたのだけどイマイチ信用できない」といったようなご不安を抱えたときには、いつでも私たちにご相談ください。

2.幾通りもの意味を持つ日本語の語句

日本語のいくつかの言葉は平仮名やカタカナで書くとまったく同じ表記になりますが、実はそれぞれ違う意味を持っています。書いた文章であれば、読みは同じでもそれぞれ異なった漢字が当てられるので簡単に区別することができます。しかし、特許文書や技術文書では漢字の代わりに平仮名やカタカナが使用されることがあります。その場合、意味を判断するためにはコンテクストだけが頼りとなります。例えば、「髪」、「紙」、「神」という語は平仮名で書けばすべて同じ表記です。まあ、このケースはまだコンテクストから判断し易いほうだと思いますが、もっと複雑なケースでは、当該分野を専門とする翻訳者にお願いして正しい翻訳をしてもらったほうが良いでしょう。

3.日本語の文章は必ずしも主語を必要としない

英語やドイツ語ではほとんどの文章に明確な主語がありますが、日本語では必ずしもそうとは限りません。むしろ、しょっちゅう主語が抜け落ちます。なぜなら、主語はコンテクストから明白だからです。名詞の単数・複数問題と同様に、たいていの場合は、コンテクストから主語を判断することが可能ですが、しかし幾通りもの解釈が成り立ってしまう場合もあります。例えば、主語が抜け落ちているために、一人称として翻訳すべきなのか、三人称として翻訳すべきなのか、どちらとも判断しかねるようなテキストがあります。このようなケースに遭遇した場合、私たちはコンテクストをより深く読み解くか、あるいは直接クライアントにコンタクトして確認します。

以上の3つの例からお気づきになられた通り、日本語を翻訳する際にはコンテクストが常に重要になってきます。このことが、機械翻訳を使って日本語を翻訳するためにはいまだに大きな障害となっているのです。

コンテクストを正しく理解するためには特定分野の専門知識を持つ人間の翻訳者が不可欠です。私たちトランスユーロの翻訳者は、電気・機械・化学・医学などそれぞれ固有の専門分野を持っています。そのため、私たちは、翻訳を依頼された文書が関わる技術分野に精通した最適の翻訳者をその都度選びます。トランスユーロの翻訳サービスに興味を持っていただけたようであれば、ご遠慮なくお問い合わせください。私たちは英日・日英翻訳独日・日独翻訳をご提供しています。

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