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トランスユーロアカデミーHP開設


トランスユーロでは今年の春より「トランスユーロアカデミー」を開校し、代表取締役の加藤が自ら教壇に立ちドイツ語特許翻訳入門講座をスタートしました。講座は順調に進み、16名の受講生が無事に入門講座を修了する見込みです。

 

そのトランスユーロアカデミーのホームページが完成しましたので、お知らせ致します。是非ご覧になってください。

https://www.trans-euro.jp/TAex/

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2019.02.18

特許翻訳

知財翻訳検定の独文和訳試験の合格にあたり


2017年10月に行われた第25回NIPTAの知財翻訳検定試験において、弊社からは5名の翻訳者が見事に合格を果たしました。そのうち4名は1級の英文和訳試験、1名は独文和訳試験に合格しました。

当ブログでは、これらの合格者に受験体験記を執筆してもらい、シリーズでお届けしていますが、今回はその第4弾として、独文和訳の試験に合格した弊社チェッカー・大矢晴代さんの受験体験記をご紹介します。大矢さんは、日独協会のドイツ語特許翻訳講座の時代から弊社代表の加藤の指導を受けて特許翻訳を勉強しています。そしてこのたび、全国で唯一人の独文和訳試験の合格者となりました。

「特許翻訳」に出会うまで

 大学での独語専攻、5年間の財団法人(現在は公益財団法人)日独協会勤務の後、転居をきっかけにフリーランスとして複数の翻訳会社に登録し、おもに独和翻訳の仕事を続けて20年以上になります。新聞・雑誌記事、企業の年次報告書や財務諸表、契約書、法律文、医薬品の治験や症例のレポート、機器の取扱説明書、レシピ本など、原文は多種多様。毎回、その時に取り組んでいる分野について調べた単語も内容に関する知識も、自分なりの単語帳に蓄積されてはいくものの、それが次の案件に活かせることは稀で、効率の悪さは常に感じていました。また、翻訳の成果物について、翻訳会社から何らかのフィードバックをいただけることはほぼ皆無ですので、自分の翻訳能力がどの程度のレベルなのかを知る手掛かりがなく、常に不安でした。

ある時、古い特許明細書を訳出する案件が入り、このような種類のテキストがあることを、そこで初めて知りました。その時には、一緒に請け負った仕事仲間に助けられて何とか納品できましたが、きちんと勉強しなければとても太刀打ちできないテキスト種類であることだけはわかりましたので、その方法を探していたところ、偶然にも日独協会「ドイツ語特許翻訳講座」開講の知らせを見たのです。

特許明細書の勉強を通じて不安を分け合う

特許明細書に頻出する基礎的単語の紹介から始まって5期5年間、過去の実際の明細書を少しずつ訳しては講師に添削していただき、月1回の開講日に、受講生がひとり1文ずつ自分の訳文を披露し、講師から解説を伺う、という形式で、特許明細書特有の表現と定型的な訳し方、接続詞や句読点の使い方、またガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い、密封装置のあれこれ等、基本の技術的概念を学びました。受講者は大学生、公務員、特許事務所勤務者、技術者、インハウスまたはフリーランスの翻訳者、教員、特許庁審査官、音楽家など、毎回バラエティに富んでいて、明細書翻訳に関係あり/なしの雑談も、在宅で孤独に作業している身には刺激的で楽しいものでした。自分の翻訳能力レベルに関する不安が私だけのものではないこと、しかもフリーランスのみならず正社員でも「英語の翻訳者は多いけれど独語は自分だけで、誰にも相談できず困っている」という話も聞けました。

理系は大の苦手でしたが、機械分野、特にエンジンの潤滑や燃料噴射弁、さらにはマスカラブラシの明細書までを扱うこの講座を通じて、モノの構造や動きがどれほど複雑でも、これを何が何でも「コトバでくくる」ことの面白さにハマり、本格的に仕事として引き受けられるまで勉強を続けたいと思うようになりました。

受験まで 

講座5年目の途中、講師の加藤勇樹氏が代表取締役を務めておられるトランスユーロ株式会社に、アルバイトのチェッカーとして採用されました。プロの特許翻訳者の訳文に数多く接することが、何よりの勉強になると考え、実際その通りであると実感しています。複雑な技術内容が正確に訳されているのは当然として、読み手にとってわかりやすいように、万一にも文意を誤読される余地がないように、語順や助詞の選択ひとつにも細心の配慮がみられる訳文は、日本語として美しいと感じます。同種の技術内容の明細書を、緻密な「対訳」と合わせて読む経験が重なれば、少しずつですが基本的な知識も増えてきます。

知的財産翻訳検定に独日部門が導入されたことは、同社内のメールで知りました。要項と英日翻訳の過去問題を見ると、英日翻訳の2級に相当する出題形式であることがわかります。過去問題の内容と分量から、制限時間内の解答はとてもムリ、と諦めかけたのですが、要項の中の「中日、独日部門では、今後の指標となるような講評を」の一文に惹かれました。日独協会講座で添削を受けることによって、自分の訳し方の癖や弱点が見えてきましたので、このように客観的に批評していただける機会は逃さず捉えたい一心で、受験を決めました。

試験の制限時間の圧迫

日独協会の講座で訳文を提出する時は、できた分だけ出せばいいという条件下でしたので、いざ問題文を前にして、改めて「制限時間」の圧迫を大きく感じました。日独協会講座で扱った技術用語や明細書特有の表現については自分なりに単語帳を作ってあり、この時もいくつかは役立ちましたが、基礎知識の不足は如何ともしがたく、おそらくは基本語彙であろう用語もいちいち調べなければならず、全問を一通り訳出し終えた時には、誤字脱字のチェックのためにざっと読み直す時間しか残っていませんでした。ただ、実際に訳してみるのは初めてだった化学、電気分野の問題文に、意外に抵抗感なく取り組めたのは、それまでに約1年近く、チェッカーとしてこれらの分野にも接していたお蔭だと思います。

結果として誤訳もいくつかあり悔しい思いをしましたが、そのことも含め、後日いただいた評価コメントは、今後の指針として、本当にありがたいものでした。受験の目的は達せられたと感じています。

感動する日々

この検定結果を受けて、昨年4月からは、チェッカーを続けつつ、ドイツ語特許翻訳のお仕事も少しずつスタートしました。いまだにフィードバックと比較すると不備だらけの訳文を見れば、ひとりで歩けるようになるまで先は長そうですが、講座で覚えたワクワク感はまだ続いていて、支えになっています。

チェッカーとしては上記の通り、機械のみならず電気、化学の分野の明細書にも接していますが、化学に関わる文書を読んでこんなにワクワクする日が来ようとは、想像もしていませんでした。日常目にする様々なモノの背景に、これら膨大な文書があることに、単純に感動する日々です。チェッカー業務は、読み手の立場に立って訳文を工夫することに直結します。感動をバネに、チェッカーとしてのスキルも高めていきたいと願っています。


  • ●日独協会 http://jdg.or.jp/
  • ●ドイツ語 新・特許翻訳講座 (日独協会)
    *現在はSANSUI国際特許事務所の加藤卓先生が新・特許翻訳講座を開講されていらっしゃいます。

NIPTA検定の体験談の第4弾はいかがだったでしょうか?大矢さんと同じく挑戦したくなりましたか?

 

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