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2021.03.01

特許翻訳

日本で特許が付与された後にやれること、やるべきこと


前回の記事では、日本での特許出願プロセスについてお話しましたが、今回は、特許が付与されたあと、何をすればよいのか、何が起こり得るのか、にスポットを当ててみたいと思います。

1. 特許査定を受け取ったらどうしたらいい?

特許査定が出されただけでは特許の権利は発生しません。権利化のためには、特許査定を受けたのち、設定登録のために日本の特許庁に特許料を納付しなければなりません。登録にかかる費用は、3年分の特許料となり、1年あたり2100円+請求項の数×200円となります(2004年4月1日以降に審査請求をした出願対象)。

その後も権利を維持したい場合、4年目以降の特許料は年ごとに納付することができます(いわゆる年金)。特許料は、登録を継続する期間が長くなるにつれて高くなります。詳細は特許庁のHPを御覧ください。

たいていの特許権者は、この年金の期限管理や納付手続を当該特許出願の代理人を務めた日本の特許事務所に任せています。しかし、近年では年金の管理を専門に扱う会社に切り替えることも珍しくありません。2016年以降は、海外在住の特許権者が、日本の代理人を介さずに特許料を直接納付することも可能になりました。

登録の特許料を納付すると、設定登録された旨の通知として特許証が発行されます。特許証は出願を代理した特許事務所に送られ、そこから出願人に転送されます。後日、当該特許は日本の特許公報で公開されます。

2. 日本の特許をライセンス化する

特許権を所有したとなると、ライセンス化を検討する特許権者がいるかもしれません。日本の弁理士は、特許権者の代理として交渉や特許ライセンス契約の締結をサポートしてくれることでしょう。

ライセンスの種類には、独占的実施権(Exclusive License)と非独占的実施権(Non-Exclusive License)の2つがありますが、日本の特許法は、専用実施権と通常実施権という2種類の実施権制度を定めています。独占的かつ排他的に特許発明を実施するためには特許庁へ専用実施権の設定登録が必要となります。これにより、専用実施権は侵害行為に対する差止請求権も有します。

独占排他的ではない通常実施権は登録する必要がありませんが、必要であれば日本の特許庁に登録することができます。

3. 第三者が、日本で付与された特許の見直しを求める際にできること

既に付与された特許に対して第三者が特許の見直しを求めるためにとれる手段は、基本的に2つです。1つは無効審判、もう1つは異議申立です。無効審判は特許が付与された後、新規性や進歩性の欠如、記載不備などのまっとうな理由があれば、利害関係人(特許権の存在によって法律上の利益や、その権利に対する法律的地位に直接の影響を受けるか、または受ける可能性のある者)に限っていつでも請求することができます。審理の結果、特許を無効にする審決が出されると、その特許の権利は、初めから存在しなかったとみなされて遡及的に消滅します。

一方、特許異議の申立は特許公報が発行されてから6月以内であれば、利害関係人に限らず「何人も」することができます。異議申立の理由は無効審判の場合と同じです。異議申立制度は、特許庁自らが当該特許処分の適否について早急に審理し、付与された特許の早期安定化を図るために導入されました。

トランスユーロの翻訳者は、特許出願時の書類の翻訳だけではなく、無効審判、異議申立等の書類の翻訳にも精通しています。これらの書類の翻訳が必要なときは、是非トランスユーロにご依頼ください。

 

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