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2020.01.27

翻訳一般

混同されやすいCATツールと機械翻訳


近年、翻訳業界でも次々と新技術の導入が進んでいます。翻訳を業務レベルでなさっている方でないと、どの技術も同じように見えて分かりにくいかもしれません。分かりにくさを解消するために、ここで「CATツール(翻訳支援ソフト)」と「機械翻訳」の違いについて書こうと思います。CATとはComputer-Assisted Translation の略です。機械翻訳と同じものだと思っていませんか?実は、CATツールと機械翻訳は根本的に違うものなのです。

1. 機械翻訳は人間が関与せずに自動的に翻訳される

機械翻訳はコンピューターが自動的に翻訳をします。翻訳プロセスに人間は関与しません。CATツールによる翻訳では、翻訳プロセスをサポートするソフトウェア(=CATツール)を用いて人間が翻訳をします。人間とコンピューターの協働作業と言えるでしょう。

CATツールは翻訳メモリ、スペルチェック機能、用語集を活用して、翻訳プロセスを効率化・スピードアップさせるのに役立ちます。

2. CATツールは何をしてくれるのか?

CATツールには複数の機能があります。例えば、過去に行った翻訳の履歴から「翻訳メモリ」という対訳のデータを作成することができます。翻訳メモリは、翻訳原稿と過去の履歴との間に似たような表現が多い場合には、高い効果を発揮します。また、CATツールは「用語集」の機能を使い、用語の統一をします。この機能により、一連の翻訳原稿で訳し方が一定になるので読みやすい訳文になります。そして「スペルチェック機能」では、訳文の完成度をさらに高めることができます。

3. CATツールと機械翻訳

 

3.1 スピード

機械翻訳はスピードを優先する場合には最適な選択肢です。長文のテキストも即座に、または数分で翻訳することができます。CATツールの場合、人間がソフトの助けなしに翻訳をするよりは早いですが、機械翻訳のように“今すぐ”翻訳をすることはできません。基本的には人間が翻訳するので、翻訳原稿の長さに応じてある程度の時間が必要になります。

 

3.2 正確さ

機械翻訳は不正確さと理解不能な訳をすることで有名です。ここ数年で機械翻訳の不具合は改善されてきましたが、それでもその翻訳原稿に書かれていることをチェックする以上の用途を期待することは困難です。もし、細部まで正確な翻訳が必要であったり、その翻訳を公式な場に掲載する必要があるようであれば、人間による翻訳が欠かせません。CATツールは、訳語や訳し方の一貫性を高め、見逃しがちな軽微なミスをチェックすることで翻訳者がより正確な訳ができるようにサポートしてくれます。

 

3.3 コスト 

グーグル翻訳のような機械翻訳は無料で提供されています。一方で、DeepLのように無料版と有料版に分かれている機械翻訳もあります。無料であることのリスクは、データそのもので“支払っている”可能性もあることです。無料の機械翻訳に入れたデータは蓄積され、別な用途で使用されている可能性があると言われています。CATツールにも無料で提供されているものがありますが、翻訳業界ではMemoQやTradosといった有料のツールが多く使われています。翻訳業界にとってCATツールは基本的には有料のものです。

ここまでCATツールと機械翻訳の違いを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?トランスユーロでは翻訳のスピードを上げて、さらに品質も高めるためにCATツールを使用しています。現在、機械翻訳は使用していません。すべての翻訳プロセスを人間の翻訳者が対応しています。ドイツ語・英語の翻訳がございましたら、一度お問い合わせください。お見積りは無料です。

 

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