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2019.09.18

神田

KANDA⑦美人とは何か?-浮世絵と現代画の比較in神田明神


浮世絵のジャンルに美人画というものがあります。西洋で愛好者のいる浮世絵ですが、当時の人気歌舞伎役者などを描いた「役者絵」・観光名所の見どころを描いた「名所絵」などいくつかあるジャンルの中で、美人画はその名のとおり古今東西を問わず普遍的なテーマである「美人」を描いたものです。

でもその描かれた美人は今と昔ではどう違うのでしょうか?共通しているものは何でしょうか?

今回は、浮世絵についてと、KANDA①で取り上げたパワースポット神田明神が、文化事業として開催する展示会「叶精作と神田明神コレクションによる美人画展」の紹介をしたいと思います。ここでは江戸時代の美人画と現代の美人画の両方を一度に見比べることができます。

 

喜多川歌麿初代 美人画 神田明神所蔵

喜多川歌麿初代 美人画 神田明神所蔵

浮世絵とは何か?

江戸時代にはじまり民間に流行した浮世絵は、特権階級の居城に装飾品として置かれることは初めから意図しておらず、むしろ商業的でエンターテイメント性の高い絵です。題材にも宗教画・歴史画といった壮大なテーマは取り上げず、日常の生活を描いたため風俗画の分類です。しかも、描くと言いましたが浮世絵は版画ですので、何部でも複製が可能で、単価も「そば一杯」と同じくらいといわれているほど安く、浮世絵を選んだり買ったりすることは庶民の娯楽の一つになっていました。

当時の単価とは裏腹に、現代からみると浮世絵の資料的価値は高く、当時の人々の暮らしをビジュアルに知る手掛かりになりますし、今は無い名所の風景を推測することもできますし、当時の人たちの好みもわかってきます。当時の人たちの好みに沿っていなければ売れませんからね。

 

神田祭を描いた浮世絵

神田祭を描いた浮世絵

神田明神と浮世絵

もちろん、神田明神で行われる神田祭も浮世絵の人気の題材の一つでした。晴れの日の活気を絵にして手元に置きたいと思う人も多かったでしょうが、朱色を多用した神田祭の絵は現代人の目にも華やかです。

冒頭で述べたように、現在、その神田明神では「叶精作と神田明神コレクションによる美人画展」を開催中で喜多川歌麿、歌川豊国3代など美人画を得意とした江戸時代の浮世絵師の作品と、現代の劇作家・叶精作さんの美人画が並べられています。個性の強い絵が並びますので、議論が盛り上がりそうですし、浮世絵のファンの方、叶精作さんのファンの方には見逃せない展示になるでしょう。

浮世絵は1867年のパリ万博を期に海外にも渡り、19世紀のジャポニズムの流行の中で注目されました。西洋の絵画の中に浮世絵が飾られている部屋があったり、西洋の画家が浮世絵の遠近法を無視した画法をあえて取り入れようとしたことなどは有名な話ですね。

古式ゆかしい神域である神田明神で浮世絵と現代画を見比べながら美人とは何かに思いを巡らせるとは、新旧が織り交ぜになった神田ならではの楽しみではないでしょうか?


以下が開催情報です。

会期 9月14日(土)~10月14日(月・祝)

時間 9時~16時

場所 神田明神資料館2階展示室

※3階展示室は常設展示、拝観できます

受付 神田明神文化交流館1階お守り授与所

拝観料 大人300円、学生200円、中学生以下無料

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