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    2019年の特許庁レポートを振り返って

2020.02.10

特許翻訳

2020年の特許出願動向に期待 
2019年の特許庁レポートを振り返って


特許庁(JPO)が2019年のレポートを発表しました。そこでは、2019年の国内外の出願の動向についての興味深いデータと特許庁の意向が示されています。ここでは、レポートの中から特に皆さんと関連のありそうな事項に注目してみました。

1、日本における特許出願は減少傾向にある

過去数年の間に毎年僅かずつではありますが、日本の特許出願件数が全体的に減少していることが分かると思います。2018年には313,567件の出願がありましたが、この数字は2009年に比べて35,000件の減少となります。一方で、日本への国際出願件数には増加がみられます。ここでの国際出願とは、PCT出願のことで日本への国内移行を指しています。日本に国内移行をするには、出願書類の日本語の翻訳文が必要になります。私たちトランスユーロのような特許翻訳を提供している翻訳会社では、主にこの時に必要となる翻訳を請け負っています。

2、日本に出願する上位国:アメリカ、ドイツ、中国

上のグラフにある通り、日本の特許庁に特許出願する最上位国は勿論日本です。日本の法人・個人が自国で権利化をするので当然です。さらに、アメリカ、ドイツ、中国の順でその後に続いています。現在、トランスユーロのメインサービスは、ドイツ語・英語・日本語間での翻訳となっていますが、中国語の翻訳依頼も増えてきています。

3、サムスン、ファーウェイの出願増加

日本企業の日本における企業別特許登録件数の比較を見ると、昨年同様、三菱、キャノン、トヨタといった国内の企業がトップ3を占めています。一方、海外の企業を見てみると見過ごせない変化が見られました。ファーウェイが3位、サムスンが4位に浮上し、昨年その位置にあったLG化学とゼネラルエレクトリックの登録件数が減り、5位と6位になっています。1位のカルコムと2位のフィリップスには変化が見られませんでした。

4、世界の特許出願件数

日本での特許出願の動向に反して、ここ数年、世界の出願傾向には増加が見られます。2017年の出願件数は2008年に比べて1.6倍となっています。

どの国の特許庁への出願が増えているかについて見てみると、アメリカ特許庁への出願件数に近年安定して増加傾向が認められます。中国特許庁では2015年からの急激な増加が見られます。2017年に中国特許庁では420,000件の出願を受け付けました。これは2013年の二倍以上の件数になります。

5、日本の特許庁への満足度

 近年、日本の特許庁に対する評価は高まっています。2018年には60%以上が評価する・やや評価すると回答しています。2014年には50%以下でした。

日本の特許庁は評価を高めるために様々な取り組みをしています。審査官との面談はそうした取り組みの一つです。面談は離れたところにいる海外の出願人もTV会議で行うことが出来ます。

更に日本の特許庁が審査に要する時間短縮のために用意した早期審査制度、先行技術調査のアウトソーシング、審査官の十分な人材確保なども努力の結果として評価することができます。

残念ながら国際出願についての評価はレポートでは見ることができませんでした。海外の皆さんは日本への出願プロセスについてどのように評価しているのでしょうか?

もし、皆さんが国際出願に際して必要な翻訳文に少しでも不安や不満を抱えているようでしたら、トランスユーロに一度ご相談ください。私たちは、特許翻訳のサービス提供に長い歴史があり、特許庁のドイツ語の技術用語集作成に関するワーキンググループにも協力してきました。技術内容の理解と品質重視の翻訳をご希望のお客様には、きっとご満足いただけるはずです。


以上の記事は、『特許庁ステータスレポート2019』の情報をもとに作成しております。

 

 

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