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2019.07.08

ドイツ語

ドイツ語の特徴


トランスユーロ株式会社は、受注する案件の半分がドイツ語案件で、ドイツ語をメインとした翻訳サービスをご提供しております。本記事では、この私たちが得意とするドイツ語にはどのような特徴があるのか、日本で第一外国語とされている英語との類似点と相違点を手掛かりにしながら、ドイツ語とはどのようなものかをお伝えします。

1. ドイツ語はどこで話されていますか?

ドイツ語は、インド・ヨーロッパ語族に属するゲルマン語派西ゲルマン語に属する言語で、ドイツを始め、オーストリア、スイス、ルクセンブルク、リヒテンシュタイン、ベルギーで公用語とされています。今日では世界中で、約1億3千万人のドイツ語話者が存在するといわれ、そのうち約1億人がドイツ語を母国語としています。対して、英語を母国語とする人口は世界中で約4億人弱といわれています。

さらにヨーロッパに限定すると、英語話者よりもドイツ語話者の方が多く、ロシア語に次いで2番目をマークしています。またEU加盟国内で一番多いのはドイツ語人口です。これは意外かもしれませんね。

2. ドイツ語の特徴-英語と比較

さて、英語もドイツ語と同じインド・ヨーロッパ語族の西ゲルマン語派に属しているので、いわば兄弟のような関係です。いくつかの観点から英語とドイツ語を比較してみましょう。

3. ドイツ語の語彙

同じ語族であるがゆえ、共通する語彙も多いです。たとえば、以下の文章をご覧下さい。

My name is A.       Mein Name ist A.

What is this?        Was ist das?

I give you this book.  Ich gebe dir dieses Buch.

簡単な表現ですが、語彙、語順、文法の面で多くの類似性がありますね。とはいえ、英語は1066年のノルマン人の英国征服によりフランス語からの影響を大きく受け、その後も度重なる民族の混入により様々な言語からの影響を受け、それに伴い文法の簡素化が進みました。文法だけではなく、もちろん語彙においてもラテン語、フランス語、ギリシア語、北欧語など多言語から取り入れられた語彙が豊富で、ドイツ語に比べて借用語が多いです。

4.ドイツ語の文法

ドイツ語の文法は難解とされていますが、それはひとえに格変化が多いためでしょう。ドイツ語の大きな特徴といえるこの格変化は、主格・属格・与格・対格の4つの格をもち、日本語の助詞(てにをは)のような機能があります。人称代名詞、動詞、名詞、形容詞などが、それぞれの格に応じて、冠詞や語尾を変化させます。動詞にはさらに、規則動詞と不規則動詞があり、不規則動詞は、主語による語尾変化のみならず、語幹(幹母音)の部分までもが変化するので、これらを全て覚えるのはとても大変です。一方、現代英語は語形変化が極めて少ないです。

また、全ての名詞は、男性名詞、女性名詞、中性名詞にカテゴライズされ、この冠詞によって分類されるのも大きな特色です。英語もかつては、名詞が性を持っていましたが、近世に入り失われていきました。

名詞の性や、格変化の多さによって、ドイツ語の複雑さが強調されますが、このような文法構造により、文章中の語の相互関係と係り結びが明確になり、より正確な表現が可能になります。その反面、語順に関するルールは緩く、主文の第二番目に動詞を置くという大原則を守れば、その他の語の置き換えはほぼ自由です。(助動詞、副文に際する細かい変則はあります)一方、英語は格変化がない反面、語順のルールは厳格といえます。

5.ドイツ語の表現

ドイツ語には、人称代名詞の敬称、親称の使い分けがあります。英語ではyouと表現するだけのところを、ドイツ語ではdu(親称)かSie(敬称)を主語として、相手との関係性によって使い分け、尊敬や親愛を示します。しかし、実際のところ、ヨーロッパ言語の多く(ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語)は、今日でもこの表現法があり、二人称にyouしか持たない英語の方がむしろ珍しいのです。とはいえ、欧米諸国の敬語表現は、日本語の敬語の複雑さに比べるとシンプルです。

6. ドイツ語の発音

ドイツ語の発音は比較的易しいと言われていますが、これは英語の発音と違い、ドイツ語は基本的にローマ字読みで、つづりと発音の関係が規則的で、例外も少なく、英語ほど複雑でないからでしょう。英語の発音は不規則で、様々な音があり、知らない単語を音で聞いても、正しい綴りはわからない場合も多いです。これもノルマン人の征服によって生じたフランス語からの影響が強く、音とスペルが一致していないためと言われています。

7. ドイツ語は論理的な言語?

格変化も多く、緻密で厳密な表現をするドイツ語はしばしば、論理的な言語として紹介されています。その理由は、先に見たように、厳密な文法構造と表現によるものかと思われます。性・数・格をもつ名詞や、前置詞に伴う厳密な空間表現、このような規則により、ドイツ語の文章は、ひとつひとつの言葉の定義が明確で、意味も明確なため、誤解も生じにくいのです。ドイツ語が論理的と言われるのは、このような緻密な文法構造をもつことのほかに、ドイツが学術的な分野で、多くの歴史的に有名な学者を輩出してきた背景がドイツ語のイメージ作りに貢献しているのかもしれません。また、ドイツ人は、言語の論理的構造の影響を受けてか、通常のコミュニケーションでも、根拠や例を出しながら、論理的に自分の見解を話すことを心がけているようにも思えます。

英語が世界言語とされている現代社会ですが、かつて日本の教育現場ではドイツ語を第一言語としていた時代もありました。明治維新後に学問、音楽、山岳用語、政治用語などでドイツ語から受け継いだ言葉もたくさんあります。今日ではEUの主軸となるドイツの言語の重要性は見逃すことはできません。

ドイツ語の特徴を紹介させていただきました。いかがでしたでしょうか?ドイツ語翻訳をご希望の方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。

 

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