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2020.11.16

特許翻訳

日本の拒絶理由 よくある3つの共通点


この記事では、特許出願が日本国特許庁により拒絶される場合の3つの典型的な理由と、拒絶理由に対する応答手段、そして応答に関する期日について説明します。

1. 拒絶理由通知に対する応答期限

特許出願の実体審査中に審査官によって拒絶理由が発見されると、拒絶理由通知書が出されます。この拒絶理由の通知内容に反論するために出願人は特許請求の範囲の補正書や、拒絶理由に反論し、または補正の内容についてについて説明する意見書を提出することができます。応答期限は、出願人が日本国内の居住者の場合は60日、出願人が在外者の場合は3か月となっています。出願人が在外者の場合、応答期限については1通の請求で2ヶ月の延長が認められ、2通目の請求でさらに1ヶ月の延長が認められるので、最大3ヶ月の延長が可能です。延長手数料は請求1通につき2100円です。何も応答をしないでいると、特許庁から拒絶査定が発行されます。

2.1 典型的な拒絶理由1 新規性の欠如

発明が特許出願前に公然知られた発明であったり、公然実施をされた発明であったり、頒布された刊行物に記載された発明であったりすると、新規性を有していないとして、日本の特許法第29条第1項により拒絶されます。公開されている情報やよく知られた自然の法則が特許にならないことは、日本だけでなく世界的な共通認識となっています。

2.2 新規性を有していないとされたらどうしたら良いか?

新規性を有していないという拒絶理由は、特許請求の範囲に要素を加えるか、反対に要素を限定することで解消されることがあります。例えば、発明が数値によって制限されている場合、出願人は、数値の範囲を修正することにより、オフィスアクションを克服しようと試みることができます。しかし、新規性を有していないとして拒絶された発明は、同時に進歩性を有していないとして拒絶されることが多くあります。

3.1 典型的な拒絶理由2 進歩性の欠如

発明が進歩性を欠いている場合、つまり、当業者が公知発明から容易に推考し得る場合、それは日本の特許法第29条第2項によって拒絶されます。発明は、例えば、共通の技術的課題を有し、潜在的な動機が関連する2つ以上の既知の発明の組み合わせであった場合、進歩性を有していないとされます。また、既知の材料から最適な材料を選択したり、数値の範囲を最適化したりするといった通常の創造性の結果である場合も、進歩性を有しているとは見なされません。

3.1 進歩性を有していないとされたらどうしたら良いか?

審査官の判断が適切であるかどうかを検討するために、根拠が書かれている拒絶理由通知で引用された発明を注意深く見直す必要があります。審査官の判断が不適切であると思われる場合、出願人は意見書で自分の主張を説明することができます。意見書を作成するときは、提出した特許明細書に記載されている内容に基づいて議論することが重要です。外国語で書かれた引用文献を確認するには、翻訳が必要です。機械翻訳で十分な場合もありますが、一般的には、人間の特許翻訳者による専門的な翻訳をお勧めします。

4.1 典型的な拒絶理由3 明確性の欠如

特に外国からの国内移行の場合、この理由に基づく拒絶理由がよくあります。発明が審査官にとって十分に明確でない場合、日本の特許法第36条第6項により拒絶されます。明確性の問題は、多くの場合、不正確な翻訳や、日本では一般的ではない海外の技術的概念が原因です。

4.2 不明瞭であるとされたらどうしたら良いか?

翻訳が不正確な場合は、日本語の文言を修正する必要がありますが、出願後に当初の文言や表現を補正することは大きなリスクを伴います。発明の技術的概念が日本で知られていない場合は、その概念を意見書などで説明することもできますが、できれば出願前に適確な日本語に翻訳することが最も有益となります。トランスユーロでは、日本の特許庁と連携し、ドイツ独自の技術概念とその訳語に関する研究に協力しています。ドイツからの国内移行時に特許翻訳を私たちにお任せいただければ、明確性の欠如による拒絶理由が大幅に減る可能性があります。

今回あげたのは一般的な拒絶理由のほんの一部であり、特許出願が拒絶される理由は他にもあります。現在、中間処理案件を扱っていて、引用文献やオフィスアクションそのものの翻訳が必要な場合、トランスユーロがお力になります。勿論、御見積は無料ですので、こちらからお問い合わせください

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