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2026.08.13
その他
『Jahresbericht2025』から見るドイツの特許出願状況
日本の特許庁が公開する「特許庁ステータスレポート」のようにドイツ特許商標庁からも2025年の年報「Jahresbericht 2025」が発表されました。
今回の記事ではこちらの年報を基に2025年のドイツの出願状況について振り返ってみたいと思います。
◆2025年のドイツ特許商標庁への出願、日本は2位!
Jahresbericht 2025によれば、2025年のドイツ特許商標庁への特許出願件数(PCT出願のドイツ国内移行を含む)は全体で62,050件でした(日本特許庁は358,317件)。そのうち、ドイツ国内からの出願は42,349件に上り、前年よりもおよそ2300件の増加で、全体の68.2%を占めました。
ドイツ国外からの出願も同様に増加傾向を示し、19,701件と前年よりも2.8%増加しました。
日本の順位は相変わらずドイツに続いて2位ではありますが、日本からの出願は6,493件と、前年比でわずかに減少する結果となりました。一方で第3位の米国がわずかに増加したことにより、日本と米国のドイツ特許庁への出願数は拮抗しています。しかしながら日本にとってドイツは重要な出願先であることは変わらず、4位の韓国とは5000件以上の差があります。


◆ドイツは特許も自動車分野が強い
Jahresbericht 2025の報告の通り、自動車産業は相変わらず最も特許出願が多い分野です。出願人別に見ると、エンジンで有名なRobert Bosch GmbH(ローベルト・ボッシュ有限会社)は18年前から出願トップを維持し2025年は4,109件の出願となりました。2位はMercedes-Benz Group AG(メルセデス・ベンツグループ)(2,726件)、3位はBayerische Motoren Werke AG(BMW )(2,553件)と自動車メーカーや部品サプライヤがドイツの産業を支えていることがうかがえます。
また日本企業もトヨタが11位、三菱電機が12位にランクインしています。
全体の出願状況に目を向けてここ数年における前年比の上げ幅と比べると、2024年から2025年の増加率は大きく、4.7%の増加となりました。5年ぶりにようやく60,000件台を突破したそうです。ドイツ国内からの特許出願もこの増加を後押ししており、2025年は審査請求の件数も45,628件(前年比+2.9%)とわずかながら上昇しており、特許を付与された率はそのうちの53.4%に上ります。
5年前というとコロナの時期なので、ドイツの特許事情もそれ以前の状態に戻ってきているということでしょうか。

◆「IM FOKUS」特許のトレンドは「量子テクノロジー」と「再生可能エネルギー」?
また「IM FOKUS」では、「Quantentechnologien(量子テクノロジー)」と「Erneuerbare Energien und Batterien(再生可能エネルギーとバッテリー)」をとりあげ、各分野での特許出願状況について解説をしています。
・Quantentechnologien (量子テクノロジーテクノロジー)
量子テクノロジーテクノロジーは、原子や電子、光子などの量子現象を利用して情報処理や通信、計測を行う革新的な技術で、「Quantencomputing(量子コンピューティング)」、「Quantenkommunikation(量子通信)」、「Quantensensor(量子センサー)」など幅広い応用が期待されています。2016年以降、この分野の特許出願数は約7倍に増加し、特に注目されているといえるのが量子コンピューティングで、量子テクノロジー分野でもっとも出願が多い国は米国となっており、ドイツはそれに続いて2位でした。
一方、量子テクノロジー分野の主要出願企業は日本の富士通、韓国のLG Display、Samsung Displayなどディスプレイ関連の企業が占めています。企業単体のランキングではドイツの企業はトップ5に入っていませんが、それでも国別で出願数が2位であったことを踏まえると、ドイツの様々な企業・出願人が注目している分野であることが分かります。
・Erneuerbare Energien und Batterien(再生可能エネルギーとバッテリー)
そして前回に続いて注目されているのが再生可能エネルギーと特にバッテリー分野です。
気候変動対策への関心が高まる中、再生可能エネルギー関連の技術革新も活発です。再生可能エネルギーと言えば、風力、ソーラー、バイオマス、地熱、水力などがありますが、特に風力発電ではドイツの出願件数が24.2%増加し、国別ランキングでデンマークに次ぐ2位を維持しました。
一方、太陽光発電分野では数字が落ち込んでドイツは首位から陥落し、中国が首位に立ち、ドイツは2位となりました。
また最も勢いがある分野の一つが再生可能エネルギーなどを蓄えるためにも使われるバッテリー技術です。この分野では、電気自動車市場の拡大を背景に、2025年の特許出願数は前年比で25.8%増加しました。
国別では韓国が2,419件で首位を維持し、中国が続いています。ドイツも1,340件と前年から20.6%増加し、世界第4位の位置を保っています。
この分野で前年から最も出願数の増加が大きかったのが日本で、前年比で28.2%増加しました。
2025年の特許動向からは、量子テクノロジー、再生可能エネルギー、バッテリー技術が今後の産業競争力を左右する重要分野であることが看取されます。特にAIとの連携が期待される分野は、今後も技術開発競争がさらに激しくなりそうです。
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