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2026.08.14

~トランスユーロの知恵ふくろう~ 翻訳・通訳ブログ

ドイツ特許の概要|出願ルート・費用・翻訳会社選定時の注意点を解説


ドイツ特許の概要|出願ルート・費用・翻訳会社選定時の注意点を解説

ドイツで特許を取得する際は、複数の出願ルートから出願人に適した方法を選択できます。また、特許侵害に対する差止請求や訴訟手続きが比較的迅速に進められる点も、ドイツ特許制度の特徴です。

実際、ドイツ特許は権利行使の実効性が高いことで知られており、多くの国際企業がドイツを重要な特許戦略の拠点と位置付けています。

本記事では、ドイツ特許制度の概要や特徴、ドイツへの特許出願の3つの出願ルート、ドイツへの特許出願における手続きの流れ、ドイツ語特許翻訳に必要な費用の目安について解説します。
ドイツ語特許翻訳を翻訳会社に委託する際の注意点も紹介しますので、ぜひご覧ください。

ドイツ特許制度の概要と特徴

ドイツ特許制度の概要と特徴

ドイツ特許制度は、ドイツ特許商標庁(DPMA)が管轄する知的財産制度です。ドイツで特許を取得するための主な出願先には「DPMA」と「EPO」があり、その他WIPOを出願先とするPCT国際出願もできます。

ドイツ特許制度の審査請求は出願日から7年以内に行う必要があり、取得した特許権の存続期間は出願日から20年になっています。日本よりも審査請求期間に余裕があるため、技術動向や競合他社の状況を踏まえながら、特許請求の範囲(クレーム)の内容を慎重に検討できることが特徴です。

また、ドイツは特許侵害に対する差止請求や訴訟手続きが迅速と言われており、権利行使を行いやすい国として知られています。そのため、ドイツ特許はドイツ国内だけでなく、欧州市場全体で事業を展開する企業にとって重要な権利と言えるでしょう。

特許や実用新案など、ドイツ国内の知的財産の詳細情報が知りたい場合は、ドイツ特許商標庁が提供する登録データベース「DPMAregister」で確認できます。

ドイツへの特許出願には主に3つの出願ルートがある

ドイツ特許出願には主に3つの申請ルートがある

ドイツへ特許を出願する方法は一つではありません。出願目的や事業展開する国、権利化までのスケジュールなどによって、最適な出願ルートは異なります。

ドイツへの主な出願ルートは3種類あります。それぞれのルートの特徴や、どのようなケースに適しているのかについて見ていきましょう。

【ドイツへの特許出願の主な申請ルート】
  • PCT(特許協力条約)を 利用した出願ルート
  • パリ条約に基づく出願ルート
  • EPC(欧州特許条約)を利用した出願ルート

1. PCT(特許協力条約)を 利用した出願ルート

複数の国で特許取得を目指す場合は、PCT(特許協力条約)を利用した出願ルートが適しています。PCT出願を行うと、1回の国際出願で条約に加盟する158ヵ国すべてへ出願した場合と同等の効果を得ることが可能です。

その後、特許権を取得したい条約加盟国へ国内移行する必要があり、ドイツ国内への国内移行であれば、優先日から31ヵ月以内(2022年5月から)に行います。

例えば、日本で特許出願を行った場合は、優先日(日本での出願日)から31ヵ月以内にドイツ国内へ移行手続きをしなければならず、その際、ドイツ語へ翻訳した特許明細書と必要書類一式をドイツ特許商標庁へ提出します。

将来的な事業展開を見据えながら、権利を取得する国を検討できるため、グローバル展開を予定している企業に適した出願ルートです。

2. パリ条約に基づく出願ルート

日本とドイツなど、特定の二国で特許取得を目指す場合は、パリ条約に基づく出願ルートがおすすめです。パリ条約に基づく出願とは、第一国で特許出願を行った後、優先権を主張してパリ条約加盟国へ出願できる制度です。

例えば、日本とドイツの二国で特許取得を目指す場合は、まず日本で特許出願を行い、その優先権を主張してドイツ特許商標庁へ直接出願します。ただ、優先権を主張できる期間は第一国での出願日から12ヵ月以内のため、期限内にドイツへ出願しなければなりません。

3. EPC(欧州特許条約)を利用した出願ルート

欧州市場で幅広く特許権を取得したい場合は、EPC(欧州特許条約)を利用した出願ルートが適しています。欧州特許庁(EPO)へ単一の出願を行うことで、ドイツを含む加盟国(2026年現在40か国)を対象に特許取得を目指せます。

権利化を希望する国が多い場合、各国へ個別に出願する場合と比べて、出願手続きやコストを大幅に削減できる点がメリットです。また、イギリスやスイス、ノルウェーなどのEU非加盟国も対象となるため、欧州全体を視野に入れた知財戦略を進める企業に適した出願方法と言えるでしょう。

ドイツへの特許出願における手続きの流れ

ドイツへの特許出願における手続きの流れ

ドイツで特許取得を目指すには、出願ルートに応じた手続きを正しく進めることが重要です。各手続きで必要になる翻訳文書を適切に用意し、出願後は、審査請求や権利化の手続きを行います。

あらかじめ全体の流れを把握しておけば、期限超過や手続き漏れなどのリスクを予防することが可能です。

ここでは、各出願ルートにおけるドイツへの特許出願の流れや審査請求、権利化の手続き、出願時に必要となる翻訳文書について解説します。

【ドイツへの特許出願の手続きの流れ】
  • 各ルートにおけるドイツへの特許出願
  • 特許出願後の審査請求手続き
  • 特許査定後の権利化手続き
  • ドイツへの特許出願で求められる翻訳文書の種類

1. 各ルートにおけるドイツへの特許出願

ドイツへの特許出願では、パリルート、PCTルート、EPCルートのいずれを利用する場合でも、まず出願または国内移行手続きを行います。ただし、出願ルートによって翻訳文の提出要件が異なるため注意が必要です。

パリルートでは、特許出願時にドイツ語以外の言語を使っても出願日は認められます。ただし、出願日から3ヵ月以内(英語・フランス語が出願言語なら12ヵ月以内に延長)にドイツ語に翻訳された必要書類を提出しなければなりません。

PCTルートでは、ドイツへの国内移行時にドイツ語に翻訳された明細書などを用意する必要があり、後から追加提出することは認められていません。

一方、EPCルートでは、英語・ドイツ語・フランス語などのEPO公用語で出願すれば出願の段階では書類の翻訳は不要です。ただし、EPO公用語以外の出願なら、出願日から2ヵ月以内にEPO公用語に翻訳した書類が必要になります。

出願前に各ルートの特徴や翻訳の必要要件を理解し、自社に適した方法を選択することが大切です。

2. ドイツへの特許出願後の審査請求手続き

ドイツでは、特許出願後に審査請求を行わなければ実体審査は開始されません。パリルートの場合は基礎出願日から7年以内、PCTルートの場合は国際出願日から7年以内に審査請求を行う必要があります。

一方、EPCルートでは、まずEPOが出願内容について調査を実施し、その結果と特許性に関する見解を調査報告として公開します。この調査報告が公開されるまでは、審査請求を行うことができません。

また、EPCルートでは、調査報告の公開後6ヵ月以内に審査請求を行う必要があります。この期限までに審査請求を行わなかった場合は、出願を取り下げたものとみなされます。

パリルートやPCTルートは審査請求までの期間に比較的余裕がある反面、EPCルートは調査報告の公開後6ヵ月以内に手続きを行わなければならないため、期限管理に注意が必要です。

3. 特許査定後の権利化手続き

審査の結果、拒絶理由が見つからなければ特許付与となり、パリルートやPCTルートの場合は、特許証の発行とドイツの特許公報への掲載によって権利化が完了します。

一方、EPCルートでは欧州特許が許可された後も、保護を希望する加盟国すべてで有効化の手続きが必要です。オランダやイタリアなど、一部の国では書類の翻訳を求められるケースもありますが、ドイツを含むロンドン協定加盟国では書類の翻訳は原則、求められません。

特許出願が拒絶された場合は拒絶理由が通知されるので、出願人はその拒絶理由に反論する機会が与えられます。

4. ドイツへの特許出願で求められる翻訳文書の種類

ドイツへの特許出願では、多くの文書の翻訳が必要です。例えば、発明の概要や背景技術、実施形態などが記載された特許明細書の他、図面、特許請求の範囲(クレーム)、要約書などがあります。特にクレームは権利範囲を左右するため、正確な翻訳が求められます。

わずかな誤訳や訳し漏れでも拒絶理由につながったり、出願人が意図した権利範囲を狭めたりする恐れがあるため、特許明細書の翻訳では細心の注意が必要です。

審査の過程で発行される拒絶理由通知書も重要な翻訳対象です。拒絶理由を正確に把握できなければ、特許取得につながる的確な反論を行うことはできません。

また、特許明細書の誤記の修正や拒絶理由に適応するために特許請求の範囲の補正を行うための補正書や意見書も翻訳の対象です。この他、審判請求書や引用文献、海外代理人との通信文書、クライアントへの報告書などの翻訳が必要になるケースがあります。

これら「特許翻訳」を正確に行うには、翻訳者が日本語やドイツ語などの言語に精通するだけでなく、特許関連文書の独特の表現や作成ルールも正確に理解することが求められます。

特許翻訳は一般的な翻訳と比べて高い正確性が求められる分野のため、実務経験や実績が豊富な翻訳者や翻訳会社に依頼することが重要です。

【関連記事】特許翻訳とは?-特許翻訳初心者に向けて分かりやすく解説

ドイツへの特許出願に伴う翻訳費用の目安

ドイツ特許出願に伴う翻訳費用の目安

ドイツへの特許出願に伴う翻訳費用は、翻訳する言語や文書量によって異なります。基本的に日本語をドイツ語に翻訳する場合は「1文字単価×翻訳文字数」で計算し、ドイツ語を日本語に翻訳する場合は「1ワード単価×翻訳ワード数」で計算します。

費用の目安としては、日本語をドイツ語に翻訳する場合は1文字あたり20円前後、ドイツ語を日本語に翻訳する場合は1ワードあたり35円前後です。この金額は、特許出願に関わる書類であれば一律の相場と見ていいでしょう。

ちなみに、ドイツ語から英語、または英語からドイツ語に翻訳するケースでは、1ワードあたり30円前後が目安です。

ただ、日本国内では英語の翻訳者と比べてドイツ語の翻訳者が少なく、特に日本語からドイツ語への特許翻訳に対応できる人材は限られています。そのため、専門知識を持つ翻訳者の確保が難しい案件では、翻訳費用が高くなる可能性があります。

ドイツへの特許出願を検討する際は、出願手続きにかかる費用だけでなく、翻訳や校正に必要な費用も見込んだうえで、余裕を持って予算とスケジュールを確保しましょう。

ドイツ語特許翻訳を翻訳会社へ委託する際の注意点

ドイツ特許翻訳を翻訳会社へ委託する際の注意点

ドイツ語特許翻訳を翻訳会社へ依頼する際は、費用の安さだけで依頼先を決めるのではなく、翻訳品質や専門性、対応体制まで総合的に確認することが重要です。

特許翻訳は一般的なビジネス文書の翻訳とは異なり、特許請求の範囲(クレーム)や技術用語を正確に翻訳しなければなりません。そのため、ドイツ語翻訳の実績だけでなく、ドイツ語の特許翻訳や出願対象となる技術分野における翻訳実績が豊富な会社を選ぶことが大切です。

社内に特許翻訳の品質管理体制が整っているかも確認しましょう。

どれほど経験豊富な翻訳者であっても、ミスを完全になくすことは困難です。そのため、ダブルチェックやクロスチェック、ネイティブチェック、校正といった品質管理の工程を設けている会社を選べば、より高品質で安定した翻訳が期待できます。

ドイツ語を日本語へ直接翻訳できるかどうかも重要なポイントです。一部の翻訳会社では、ドイツ語を一度英語へ翻訳した後、その英文を日本語へ翻訳する「第三言語を介した翻訳」を採用している場合があります。

しかし、この方法では本来のニュアンスが失われたり、誤訳が生じたりするリスクがあります。特に特許文書のような専門性の高い文書では、第三言語を介さず、ドイツ語から日本語へ直接翻訳できる会社を選ぶことが望ましいでしょう。

また、窓口担当者が特許翻訳やドイツ語に関する知識を備えている会社であれば、相談や見積もりの段階からスムーズにやり取りできるため、安心して依頼できます。

トランスユーロなら高品質なドイツ語特許翻訳を提供できます!

トランスユーロなら高品質なドイツ語特許翻訳を提供できます!

私たちトランスユーロは、ドイツ語による特許翻訳を得意とする翻訳会社として、多くの特許事務所様や企業様からご依頼をいただいております。そのため、特許明細書の翻訳はもちろん、拒絶理由通知書や補正書、意見書、審判請求関連文書の翻訳を日常的にこなしています。

当社の強みは、法律特許事務所の翻訳部で長年経験を積んだ翻訳者が多数在籍していることです。ドイツの特許制度や出願実務を理解した翻訳者が担当するため、単なる直訳ではなく、将来の補正や分割出願も見据えた実務的な翻訳を提供可能です。

技術分野においては、電気、機械、化学、バイオ、医療など幅広く対応できる人材が揃っており、ご依頼内容に応じて最適な翻訳者を選定します。

当社では、ドイツ語・英語から日本語への直接翻訳を基本としており、第三言語を介することで生じる意味の変化や誤訳のリスクを抑えています。

翻訳の品質管理については、翻訳者による作業後は専門チェッカーによるダブルチェックを必須とし、必要に応じてネイティブチェックも実施しています。

多くの専門翻訳者が在籍、登録しているため、大量の特許明細書や継続的な翻訳案件にも柔軟に対応できます。高い専門性と品質保証体制を兼ね備えたドイツ語特許翻訳サービスをお探しでしたら、ぜひトランスユーロへご相談ください。

ドイツ語・英語への直接翻訳のご相談はトランスユーロへ

ドイツ語・英語への直接翻訳のご相談はトランスユーロへ

トランスユーロは、ドイツ系法律特許事務所の翻訳部から独立・創業した翻訳のプロ集団です。

各分野の専門スキルを持つ熟練の翻訳者を社内外に抱え、日本語からドイツ語・英語への翻訳はもちろん、ドイツ語・英語から日本語への翻訳時にも他の言語を挟まない直接翻訳に対応。

主に特許翻訳など、専門的かつ翻訳難易度の高い以下のような文書の翻訳を得意としています。

  • 特許翻訳:出願から中間処理、知財裁判まで翻訳を通してトータルサポート
  • 技術翻訳:産業マニュアルや取扱説明書、カタログ、技術論文等の翻訳
  • 法律翻訳:判決文などの法律関係文書、企業の契約書などを正確に翻訳
  • 医療翻訳:医療機器の添付文書(英⇔日・独⇔日)、医薬翻訳(英⇔日のみ)
  • 証明書翻訳:海外の各種証明書、公文書(ドイツ語認証翻訳含む)の翻訳
  • ビジネス文書翻訳:会社案内やホームページ、契約書、社内規則等の翻訳

翻訳の工程においては、クロスチェック・校正はもちろんのこと、日本語からドイツ語・英語への直接翻訳の際には通常工程としてネイティブチェックも実施し、翻訳品質を担保しています。

日本語からドイツ語・英語、ドイツ語・英語から日本語、そして英語・ドイツ語間の直接翻訳、及びこれらの言語を用いた専門文書の高品質な翻訳に対応できる翻訳会社を探しているという場合は、ぜひ一度、私たちトランスユーロにもお気軽にご相談・お問合せください!

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