日本の休暇 ― 皆で一斉に休み

日本では大抵、被雇用者にはわずかな有給休暇しか付与されません。年次有給休暇は最低限の10日から、勤続を1年重ねるごとに追加され、最大20日まで増えていきます。ドイツに比べると少ないように感じられるかもしれませんが、日本人は実際には、皆さんが思われている以上に多く休んでいます。

プラスαの夏季・冬季休暇

 

日本企業の多くは、8月中旬と年末年始にそれぞれ数日間、休業することを定めています。これらの期間は、社員が有休を消化せずに休めます。夏季休暇は原則的に8月13~16日のお盆の時期と重なります。日本人はこの時期、先祖の墓へお参りするのが伝統的な習わしで、そのために地方出身者は帰省します。ドイツにおける「死者の日曜日」(キリスト教の教会暦で11月下旬に定められている死者の慰霊日)に相当するものと考えてよいでしょう。

この時期はたくさんの日本人が遠出するため、道路はたいてい大渋滞となります。電車もやはり大混雑となります。お盆を夏の休暇旅行に利用する人も多いですが、この時期はお盆シーズン外に比べて旅行費用が2倍になることも珍しくありません。ただし、夏期にお盆シーズン以外にまとまった休暇を取ることは難しいのでやむを得ないと我慢する人が多数です。お盆シーズンは当然、飛行機も満席になり、行楽地は観光客で溢れかえります。

一斉休暇には長所も

 

皆が同じ時期に休暇を取ると、どこも混雑しますが、このような休暇の取り方には欠点ばかりではありません。大半の企業の休業時期が重なれば、取引先から急ぎの問い合わせが来るという問題は起きません。社員側としても、自分が会社に行かないことで同僚に負担をかけるのではないかと心配する必要がありません。同僚も皆一緒に休んでいるわけですから。不都合なのは、海外に取引先がある場合だけです。

最近では、一部の企業が、決まった日数の夏季休暇を社員に付与し、夏の間であれば好きな日程を選んで取得可能にすることで、一斉休暇の問題を避ける試みに取り組んでいます。大渋滞が回避され、少しでも安く旅行できるようになります。

皆で一斉に夏休みを取るという日本の流儀をどう思いますか?好きな時期に自由に休暇を計画する方が良いですか?

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