
ドイツでの小児定期健診と予防接種
目次
はじめまして!当時3か月だった息子を連れてドイツ・デュッセルドルフに1年間滞在した経験を執筆させていただくことになりました、Mutter Nです。
私自身、幼少期をドイツで過ごし、大学ではドイツ語を専攻、今回は夫に帯同してのドイツ移住でした。
大学を卒業した後ドイツ語を使用する機会はほぼなく、到着してすぐは口の動かなさに衝撃を受けました…(笑)。
様々なケアが必要な0歳児を連れての移住ということで当初はかなり気を張っていましたが、色々な助けを得て、時にはドイツらしい体験もしながら楽しく過ごすことができました。
3回にわたってドイツでの子育てについて綴っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします!
今回はドイツでの息子の定期健診、予防接種について書きたいと思います。
デュッセルドルフでの暮らし
どきどきの定期健診・予防接種のお話の前に、デュッセルドルフでの赤ちゃんとの暮らしを少しご紹介します。
デュッセルドルフはとても住みやすかったなと思います!
移動はU-Bahn(地下鉄)やトラムを基本的に利用しており、それに乗れば主要なところにはどこにでも行けました。
いずれも車椅子・ベビーカー用のスペースがある箇所の扉にマークが付いていて分かりやすく、そのスペースに立っている人がいてもすぐに場所を空けてくださる方ばかりでした。
ドイツといえばエレベーターが壊れているイメージがあったのですが、意外とちゃんと動いていました!
故障している場合はいつ頃に工事予定か貼り紙がされていて分かりやすく、予定が立てやすくなり助かりました。
壊れている時はやむなくひと駅先で降りたりもしましたが、本当に困った時は毎回通りがかりの方が助けてくださり、とてもありがたかったです。
電車で近くに座った方が息子をあやしてくださったり、段差のある乗り降りでは手を差し伸べてくださったりと、子連れや子供に優しい方がとても多かったなと思います。
子供へのサービス!
そして息子を連れてパン屋さんに行くと、息子に小さなパンを無料でいただけました!
お肉屋さんでもハムを、ケーキ屋さんでもチョコレートを息子に一切れいかが?と尋ねられ(まだ食べられなかったのでお気持ちだけいただきました。)、なんだか社会全体で子育てを支えてもらっているような感覚になりました。
一番心配だった小児科探し
デュッセルドルフでの暮らしは快適でしたが、私たちが最も心配だったのが、ドイツに到着した後、すぐに取りかかった小児科探しです。
引っ越しのタイミングがちょうど3-4か月健診にかかる時期だったため、予約に空きがあるかも含めてとても不安でした。
事前にインターネットで調べた結果、デュッセルドルフには日本語で対応してもらえる小児科があるということだったのでそちらにお願いしようと思っていました。
到着してすぐに電話で問い合わせをしたところ、その時新規の患者は受け付けていなかったり、私たちの加入している公的保険では診察対象外でプライベート保険のみ対象だったりと、残念ながら日本語が使えるところにはかかれませんでした。
国が違えば医療システムや予防接種の種類も変わるし、医療用語はやはりハードルが高いので、日本語で進められたら助かるなと期待していただけに、ここで一度絶望しました(笑)。
ドイツでの定期健診;Untersuchung
ドイツでは子どもの定期健診を、生まれた直後に受けるものから順番にUntersuchung 1, 2, 3…と数字が振られており、略してU1、U2などと呼びます。
当時この呼び方に全く馴染みがなく、〇か月健診という表現ではないのでより混乱し、下調べ不足だったなと反省しました…。
予約自体は各医院の公式サイトの問い合わせフォームやDoctolibという病院を探せるアプリなどでもできそうだったのですが、よく見るとプライベート保険のみ対応可能なことも多く、少し急いでいたので電話の方が早いかと思い、どんどん電話をしてみました。
心が折れかけながら何件もドイツ語で小児科に電話をかけ、公的保険で対応可能かを確認しました。
最終的に対応していただけたPraxis(診療所)では電話だと状況が上手く伝わらず、予防接種履歴を持って受付に来て!と言われ、急いで向かったところ、U5(6か月健診)の予約を取ってもらうことができました!
U4(3か月健診)じゃないの?と思ったのですが、何回確認しても誕生日から数えると次はU5だよと言われ、引越し直後の疲労もあり、診てもらえるならとりあえずいいかということでその日は帰路につきました。
結局3-4か月健診にあたるものは受けられず宙ぶらりんになってしまったのですが、その後、伺ったU5で足りていない予防接種がないかを確認していただき、きちんと基準を満たすよう追加接種を行っていただくことができました。
いずれも費用は保険で100%カバーされました!
予防接種の違い
予防接種の内容は日本のものとは一部異なります。
5種混合ではなく6種混合(6-Fach-Impfung)でしたし、MR(麻疹風疹混合)ではなくMMR(麻疹風疹+おたふく風邪)で、こちらは2回目の接種時期が日本より早いです。
息子は滞在中接種期間にはあたりませんでしたが、日本脳炎も必須ではありません。
乳幼児への予防接種でとても困ったのがBCG(結核の予防接種)です。
かかりつけの小児科医では対応してもらえずReisearzt(旅行医)を紹介されましたが、そこでも対応不可でした。
市役所や保健所、そこに紹介された大学病院にも問い合わせてみましたが、どこも返事はNo。
ドイツではもう接種が推奨されていないとのことだったので、日本で接種するしかないようです。
驚いたワクチンの購入方法
一番戸惑ったのは、定期健診以外でワクチンを打つとなると、自分でワクチンの手配が必要なことです。
お医者さんから処方箋を出していただき、それを持ってApotheke(薬局)に行き、そこで代金を支払ってワクチンを受け取ります。
私がかかった診療所では指定のApotheke に行けば診療所に直送してもらえましたが、自宅に持ち帰って冷蔵庫で保管し、それを診療所に持参して打ってもらう…ということもあるそうです!
処方箋に代金の受領印を押して返してもらえるので、それを保険会社に提出すると基本的には返金されます。
それでもワクチンによっては一度の手出しが多くなるのでちょっとドキドキしました(笑)。
カード支払いが可能でした!
病院での様子
待合室には絵本やおもちゃがありましたが、靴は脱がないスタイルなのでハイハイ期の息子を椅子から降ろす勇気はありませんでした。
小さなPraxisだったのでベビーカーは外に置いておく必要があり、待ち時間が長いときは少し大変でした。
待ち時間はまちまちで、すぐに通される時もあれば予約時間から30-40分待つこともありました。
毎回午前中の予約でしたが、早ければ待ち時間が短いということでもなかったです。
診察室にはポスターや絵本があったり、照明に飾りが吊るしてあったりして楽しい雰囲気でした。
注射が終わるとお医者様がSpieluhr(オルゴール時計)のスイッチを入れて音楽を流してくださって、泣いている息子を落ち着かせられました。
私たちの通ったところは受付の方はドイツ語のみ、お医者様は英語も対応可能でした。
定期健診での問診や予防接種の説明を受けていて分からないことがあれば英語に切り替えてくださったり、人見知りをして泣く息子を抱えながら翻訳アプリを駆使したりして毎回なんとか切り抜けた感覚で、病院の後はいつも疲労困憊でした(笑)。
でも振り返ると、ドイツ語を使って病院に通えたことはドイツで生活していく中で自信にも繋がったので、貴重な経験だったなと思います。
最後に、病院にかかってみて役に立ったドイツ語の単語一覧を作ってみました!
日本語 | ドイツ語 |
健診 | die Untersuchung |
予約 | der Termin |
予防接種 | die Impfung |
生ワクチン | der Lebendimpfstoff |
副反応 | die Nebenwirkung |
解熱剤 | das Fiebermittel |
坐薬 | das Zäpfchen |
下痢 | der Durchfall |
鼻水が出ている | eine laufende Nase haben |
鼻が詰まっている | eine verstopfte Nase haben |
参考ページ
ドイツでの定期健診:U1 bis U9: Was wird gemacht? | kindergesundheit-info.de
ドイツ予防接種スケジュール:Infografiken

2025年夏、夫に帯同してドイツ・デュッセルドルフに移住し、当時3か月だった息子の育児に奮闘しました。
私自身幼少期をドイツで過ごし、大学ではドイツ語を専攻していました。自分が子供時代を過ごした国で子育てを経験でき、また新たな視点でドイツを見ることができたような気がします。滞在中の1年間は美味しいパンと季節のフルーツをたくさん味わえて嬉しかったです!
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