日本とドイツの結婚事情 -家族が欲しい日本人、愛が大事なドイツ人 

ドイツの人々の結婚事情は日本と比べてどのような違いがあるのでしょう。人それぞれ、結婚によせる思いや実際の結婚生活はまさに十人十色で、なかなか一般化するのは難しいでしょうが、それでも社会的背景や制度的な違いから生まれる文化的価値観はあるのかもしれません。今回は、ドイツと日本の結婚事情を統計と共に垣間見てみましょう。

婚姻率・離婚率

 

厚生省の人口動態統計によると、2018年の日本の婚姻率(該当年において一定人口に対し婚姻”した”値)は4,7%で、連邦統計局による2017年のドイツの婚姻率は、4,9%とあり、日本とほぼ同率になります。そして離婚率(人口千人に対する1年間の離婚件数)は日本が1,7%(2016年)のところ、ドイツは2,0%(2015年・日本総務省統計局、世界の統計調べ)とあり、離婚率はドイツの方が少々高いようです。ちなみにドイツ国内で、最も多い国際結婚の相手国はどちらだと思いますか?答えは、ドイツ人女性はトルコ、イタリア、オーストリア、ドイツ人男性はトルコ、ポーランド、ロシアです。トルコ移民の多い国なので1位は納得ですが、2位以降はばらつきがあります。

出会いのきっかけ

 

日本とドイツ、結婚相手とはどのような場で知り合うのが一般的なのでしょう。とある統計によると、どちらも友人知人を介して知り合うのが多いですが、ドイツの2位に「夜のアクティビティの場で」というのが上位に入っているのは日常生活の違いが垣間見えます。そしてドイツでは、意外と大学や学校は出会いの場にならないのでしょうか。ドイツの新聞にはよくパートナー募集欄がよくあり、年配の方でも出会いを探している事が少なくありません。 

 

日本 ドイツ
1位 学校で 25.75% 友人・知人を通じて 27%
2位 友人・兄弟姉妹を通じて 20.8% 夜のアクティビティの際 16%
3位 職場や仕事場で 20% 職場や仕事で 11%
4位 サークル・習い事で 6.75% 近所づきあい 6%
5位 アルバイトで 6.05% 共通の興味趣味の場で 6%
6位 幼馴染・隣人 4.4% 休暇中 5%
7位 街中や旅先で 4.25% スポーツ 2%
8位 見合い・結婚相談所 0.25% インターネット 2%
9位 その他・不詳 その他 17%

日本 国立社会保障・人口問題研究所の2015年の調査結果(7511人への調査) 

ドイツ
https://de.statista.com/statistik/daten/studie/260073/umfrage/umfrage-zum-umfeld-in-dem-menschen-ihre-partner-kennenlernen/
https://www.instyle.de/lifestyle/studie-ehepaare-kennenlernen

 

結婚する理由

 

結婚する理由はなんですか?自由恋愛が謳われる今日では、なんだか愚問のようにも聞こえますが、アンケート上の答えを見てみましょう。日本のデータは、2014年の内閣府による意識調査の結果です。ドイツのデータは2019年5月に行われたアンケートによるもので、対象は18歳以上の2077人としています。

 

日本(選択項目あり複数回答可) ドイツ(複数回答可)
1位 家族が欲しい 70% 愛情のため 67%
2位 子供が欲しい(同率1位) 70% お互いのための責任を引き受けあうため 42%
3位 好きな人と一緒にいたい 68% 社会保障のため 23%
4位 老後に一人でいたくない 49.3% 税金対策 20%
5位 老親や親戚を安心させたい 49% 妊娠したため 15%
6位 やすらぎが欲しい 47.2% 結婚に理由は必要ない 13%
7位 経済的な安定を得たい 26.3% 世間体 11%
8位 子供が生まれるのであれば結婚した方が良いと思う 23.3% 結婚式の儀式のため 3%
9位 社会的に認められたい 16.5% その他 3%
10位 家事の負担を減らしたい 6.5% わからない。無回答 7%
11位 その他・無回答 6%

日本 内閣府における結婚・家族形成に関する意識調査について(平成26年)

ドイツ

https://www.kartenmacherei.de/hochzeitsstudie/
https://yougov.de/news/2019/06/07/heiraten-der-druck-wachst-eine-perfekte-hochzeit-z/

 

アンケートの形式が大きく違うので、単純比較はできませんが、そもそも回答の選択肢に大きな差があるのが特徴的かと思います。ドイツの1位「愛情のため」は67%と圧倒的ですが、日本のアンケートでは、いわゆる「愛情」という表現が選択肢の中にありません。敢えていうなら3位の好きな人と一緒にいたいという項目があてはまるでしょう。加えて、日本のアンケートの項目は個々人同士の結びつきより、家族・子供・親といった周りの人間との結びつきの起点として結婚が存立しているような印象も受けますが、ドイツは当人同士の感情や互いへの責任、そして実生活上での社会的メリットといった点が挙げられています。この結婚への意識の違いは興味深いですね。

ドイツでは、2017年に同性婚が合法化され、新しい結婚のかたちが生まれました。日本でも昔と比べると、個人の意思と価値観で結婚を選択できるようになりましたが、ドイツやその他欧米社会と比べると今もなお慣習的な価値観が色濃く残っていることは否めません。社会制度や時代背景も考慮すると、一概にその良し悪しを判断するのは難しいですが、国による結婚観の違いを知ることは、その国の人々の根本的世界観の違いを知ることにもなるのではないでしょうか。

 


参考HP

 

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