ドイツの自然災害

自然災害の多い日本列島。地震、台風、津波、洪水、火山、雷、竜巻…ここ近年では、深刻な被害を出す災害も増えてきました。外国人はそういった災害、中でも地震に不慣れだとよく言われます。私も日本を訪問中のドイツ人の方が、不意な地震に大慌てしているのを「まずは落ち着いて…」となだめたこともあります。

ドイツでは自然災害がさほど多くないといわれていますが、実情はどうでしょう。

 

火山はない、地震もまれ、ではどんな災害が?

 

ドイツは地質的にも地理的にも、地震や津波、火山や土石流などに見舞われることはありません。国土はユーラシアプレート上にあり、地震の発生しやすい地域からも遠く離れており、内陸国のため津波の心配もなく、活火山も存在しません。ですので、日本人には想像がつきにくいかもしれませんが、地震を全く体感したことがないという人も多くいます。過去100年間でマグニチュード6.0以上の地震がない国にも数えられてはいますが、とはいえ、全く地震が起こらないのかというとそうでもなく、過去20年でベルギー、オランダとの国境付近アーヘンやドュッセルドルフ近郊からケルン辺りでは2011年にマグニチュード4.6の地震があり、また2002年でもアーヘン近郊でも4.8の地震がありました。とはいえ、2,3年に一度あるかないかの頻度で、被害も日本ほど大規模ではないことは確かです。日本人からすると、地震がほとんどない国…というのは理屈ではわかっていても想像がつきにくいかもしれませんね。でも全く自然災害がないのか…といわれるとそんなこともありません。

ハリケーン、洪水、熱波…

 

ではドイツではどのような自然災害が起こるのでしょう。ドイツで脅威となる自然災害で一番頻度が多いのは、嵐、ハリケーン(Sturm/Orkan)です。今年2020年2月もSabine(ザビーネ)と名付けられたハリケーンが発生し、瞬間最高風速が約180km/hという猛威を振るい、ヨーロッパ全体で14人の犠牲者と多くの負傷者が出し、ドイツ鉄道は軒並み運休となりました。

そして洪水もまた起こりやすい災害のひとつです。ライン川、エルベ川、ドナウ川など世界有数の大河が流れるドイツでは、2002年8月のエルベ川流域での記録的洪水でドレスデンやプラハの歴史的建築物が甚大な被害を受け、2013年にも同地域で再び水害が起き、約4万人に避難勧告が出されました。2016年にはドイツ南部でも暴風雨を伴う集中豪雨による被害が報告されています。

またここ20年ほどで気候変動による影響から熱波も深刻で、2003年の熱波では死者が5千人以上にものぼりました。ドイツだけでなく、ヨーロッパでは日本のように冷房を完備している家屋はもともと少ないのですが、近年の熱波により、新しく設備している場所も増えてきたと聞きます。

ドイツでは、地震や火山の恐れは少ないとはいえど、ハリケーンや洪水により時に大きな被害がもたらされています。勿論それに対する対策も日々講じられています。世界的規模で自然災害が増えてきている時代であるようです。


参考HP

 

 

 

 

 

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