労働力不足を補う日本の配送ロボット

日本ではコロナ禍の影響で、オンラインで買い物をする人が増えたことにより、郵便局では今まで以上に多くの荷物を配送しなければならなくなりました。コロナ禍以前から日本では配達員が不足していましたが、これで人員不足は一層深刻なものとなりました。この人員不足問題を解消しながら、人と人との接触を減らすための試みとして、東京では現在、配送ロボットの走行実証試験が行なわれています。

千代田区での配送ロボット走行実証試験

 

2020年の9月と10月、千代田区では配送ロボットの走行実証試験が行なわれました。配送ロボットは車椅子ほどの大きさで、最大積載量は30㎏、時速6㎞で走ります。日本政府はこの試験結果を受けて、自律型ロボットに関する法整備を進める方針です。現在、公道でのこの試験走行は人間の監視下でのみ許可されています。

郵便局の人員不足

 

配送ロボットの運用により、郵便局の人員不足が解消されるかどうかはまだ分かりません。今年2020年の8月、配達員の負担軽減を目的に、さしあたり土曜日の普通郵便配達が中止になりました。小包、速達郵便、書留郵便の配達は引き続き行われています。

日本の郵便配達は受取人にとっては非常に便利

 

ドイツとは違って、日本では日曜日でも郵便が配達されます。普通郵便は除きますが、小包、速達郵便、書留郵便は日曜日や祝日であっても届きます。さらに日本では、配達時に留守中のため届けられなかった荷物を自分で郵便局に取りに行く必要はありません。オンラインまたは電話で再配達の申込みをするだけでいいので簡単です。再配達は1~2時間ごとの枠から配達時間を指定できます。最も遅い時間の配達は20時~21時の枠です。このような再配達システムがあるため、同じ荷物が何度も配達されることも珍しくありません。当然、配達員の業務量が多くなり、夜遅くまで働かなくてはならなくなります。

配達員の仕事は、過酷な肉体労働で悪天候であっても屋外でこなさなければならず、しかも収入は平均を下回っています。これでは配達員の人員が不足するのも、不思議ではありません。配送ロボットは、この不人気な仕事を引き受けてくれるかもしれませんが、新たな問題を生む危険性をもはらんでいます。

郵便局が配送ロボット運用を検討している試みについてどのように思いますか?

 

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