泳ぎに行きたい人は手をあげてください

どんどん暑くなって夏がきましたね。皆様、海やプールに行きたいでしょうか。ヨーロッパの真ん中に位置しているオーストリアには海がないのですが、水辺はたくさんあります。暑い日が続きますので、今回は気分爽快のためにオーストリアの湖と河川を紹介させて頂きたいと思います。

みなさんドナウ川で泳げることをご存知ですか?

 

ドナウ川
ドナウ川

オーストリアでも夏は結構暑くなることがあります。特にコンクリートが多いウィーンでは暑い日は苦しいです。市内にプールもたくさんありますが、最も人気があるのはドナウ川でしょうか。ちょうどドナウ川がウィーンを二分するところに約20kmの細長い「ドナウインセル」(Donauinsel)という島があります。街の人が自然の中でリフレッシュできるために作られたこのような地域は「エルホルングスゲビート」(Erholungsgebiet; Erholung=休養、 Gebiet=地域)と言います (Stadt Wien a)。 そのため、Donauinselには少数のレストランやスポーツクラブ以外に建物はあまりないです。毎夏Donauinselは遊んだり、泳いだりする人でパンパンです。

ドナウ川のすぐ左側に「アルテ・ドナウ」(Alte Donau)という湖が隣接します。元々ドナウ川支流であった「アルテ・ドナウ」ですが、現在はドナウ川から切り離されて地下水を使用している湖です。あそこにある「ゲンセホイフェル」(Gänsehäufel)という水泳場はウィーンの一番有名な水泳場だと言えます。ちなみに川や湖にある水泳場は「ストランドバド」(Strandbad)と言って、「Strand」は「ビーチ」という意味で「Bad」は泳ぎが出来るところです。「ゲンセホイフェル」が人気である理由はプールと川で泳ぐことができて小学生以下の子供は無料で大人の料金も3€(約400円)と割安であり、しかも夜20時まで開いているということだと思います (Stadt Wien c)。

しかしドナウ川と街中の湖って水質はどうなんだろうと不安に思う人はかなりいると思います。ウィーン市が2週間にわたり水質検査を行った結果を市のホームページに公表しています。水質に対して不安がある人はチェックしますが、今まではドナウ川と「アルテ・ドナウ」の水質については「優」であるとの判定結果が出ています (Stadt Wien b)。

湖で泳いだことがありますか?

 

オーストリアは湖が多いです。ウィーンの「アルテ・ドナウ」はもう紹介しましたが、山の中にある自然湖も忘れてはいけません。オーストリアの各9つの州には有名な湖があります。一番東の方、ハンガリー国境近くに「ノイジードル湖」(Neusiedler See) というステップ(Steppe)湖(平原湖)があります。つまり、河川等に繋がっておらず、湖の水位はほとんど降雨量に依存しています。それなので「ノイジードル湖」の水量は天気によって大きく変動します。そのため「ノイジードル湖」の水深はかなり浅いです。平均の水深は1メートルくらいで、一番深いところでも約2メートルです。湖水は泳げるくらい綺麗ですが、私はやはり山湖の透明な水の方が好きです。しかしノイジードル湖の表面積は320km2もあり、特にヨットやカイトサーフィンが好きな人で賑わう大人気の湖です。湖の周囲には平地が広がっているので、風通しも良く、ヨットやサーフィンは物凄くスピードがでます (Neusiedlersee.info)。

東側の「ノイジードル湖」に対峙するのは、ザルツカンマーグートの湖です。ザルツカンマーグートとはアルプスの北側に展開する湖水地帯の名称です。ザルツカンマーグートのなかで世界的に最も有名な町は「ハルシュタット」(Hallstadt)でしょうか。

後ろのゴーザウ湖 (Hinterer Gosausee)
後ろのゴーザウ湖 (Hinterer Gosausee)

私の実家はこの地域にあるため、この地域の湖でよく泳ぎました。山を別にするとザルツカンマーグートの最も印象的なところは点在する76つの湖であると言えます。実家に「ザルツカンマーグートの76湖」という本があって家族と各湖を見に行きました。ところが実際は、湖の数は78つか79つだと言う人がいます (Österreich Rekorde)。実は最後の2つの湖は大雨や融雪の時だけ発生します。一度大雨の後に「ゴーザウ」(Gosau)でハイキングをした時「ゴーザウラッケ」(Gosaulacke)という79番の湖を見ました。夏の草原と森は完全に清澄な水の水面下にあり、素晴らしい景勝でした。その時、湖で泳ぎたかったのですが、あまりに寒くて冷水に強い私でも無理でした。川や氷河からの水なので、水温は低い方だと思います。各湖によって少し違いますが、暖かい方は23度くらいで雨の後ですぐ冷えてしまいます。ザルツカンマーグートの湖は山の中で水温は割と低い方だと言えます。しかし湖の水質は非常に高くて飲料水質の場合もあります。しかも最も良いことは大体どこの湖でも無料で泳げることです。犬を連れて行けるところもあります。

最後にオーストリアの川と湖の浴場の特徴を一つご紹介しておきます。それは「ドナウインセル」や「アルテ・ドナウ」など、大体どこの湖でも裸で泳げる場所があることです。特に年輩の人の趣味になっているようで、ドイツ語でFKK (Freikörperkultur)と言います。逐語的に翻訳すれば「自由な体の文化」ですが、裸で過ごすのが好きな人だと言えます。FKKの場所は水着着用が禁止です。それだけは気をつけた方がよいかもしれませんね。

ところで最新の報道では、今夏はウィーンやザルツブルグで大雨よる洪水が発生したようです。

ドイルのメルケル首相の言うように、これも気候変動の影響でしょうか。被害に遭われた方には、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。ご紹介したように、河川や湖での水泳や水遊びはとても楽しいものですが、大雨の後の増水などには十分に注意していただきたいと思います。

ではまた来月

ウォルフガング湖 (Wolfgangsee)
ウォルフガング湖 (Wolfgangsee)

 

 

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