
春の森でBärlauch(ベアラオホ)採り
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春から夏にかけて新緑が芽吹く山々では、山菜狩りをするのに絶好のシーズンですよね。
皆さんは山菜狩りに行かれますか?日本だと、ふきのとう、たらの芽、わらび等など、季節の山菜は食卓を美味しく、豊かにしてくれますよね。
ドイツ生活の基本「食べたいものは自分で」
食生活については、日本のように食べたいものが、いつでもどこでも簡単に買えるわけではないドイツ生活。
海外在住者は、必然的に「食べたいものは何でも自分で」が基本になります。
私の周りでも、納豆、豆腐、味噌、キムチ等などを自宅で作っている人も沢山いますし、日本の食生活をドイツでも実現するために試行錯誤をし、様々な努力をしています。
そして日本では普通にスーパーで売っている野菜も、ドイツでは残念ながら入手することができないものが沢山あるんです(涙)。
レンコン、ニラ、ゴーヤー、オクラ、長芋、小松菜、大葉、水菜、マイタケなどなど、挙げ出したらキリがないかも(涙)・・・
これら珍しい野菜をドイツで食べたい!と思ったら、わざわざアジアスーパーに出向いて買い求めるか、あるいは自宅の庭で家庭菜園をするかのどちらかになります。
近所に住む香港出身の友人は、自宅の庭に色々な中国野菜を栽培していて、先日は「庭でニラがどっさり採れたよ!」と大量のニラをお裾分けしてくれました。
そして久しぶり(5年ぶり位?!)に作って食べたニラ玉が涙が出るほど美味しかった!!
「もっとニラが沢山あれば、ニラ餃子が作れるのに。。」
ドイツ語でいうと「Wenn ich mehr „Lauch (ニラ)“ hätte, würde ich „Nira-Gyoza“ kochen.」と、夢や願望を表す接続法第二式を(ニラごときに?!)使って表現してしまうところが、なんとも哀しいドイツ生活。
しかしニラは、ドイツではいつでもどこでも食べられる野菜ではないのが現実なのです。
春の森でBärlauch(ベアラオホ)採り
そんななか、田舎に住む友人から「ニラによく似たBärlauch(ベアラオホ)が沢山採れるスポットを知っているから、採りにいかない?」というお誘いを受けたので、やる気満々でBärlauch採りに行ってきました。
Bärlauchは、日本語でラムソンまたはワイルドガーリックと呼ばれ、白アスパラガスと並んでドイツの春の旬の野菜です。
ヨーロッパの森林の木々の下、直射日光が強く当たらない、湿気のある地面に繁殖しています。
ドイツ人はBärlauchをパスタのペストにしたり、クリームチーズと練り合わせてパンに塗るチーズスプレッドとしたり、バターに混ぜ込んでパンに塗って食べます。
Bärlauchは、味も匂いもニラによく似ているので、在独日本人の間では刻んで餃子や卵炒めにと、重宝される野菜。
ただ、Bärlauchは春の短い期間しか店先に出回らないので、本当に春限定の味覚です。
さて普段から森にしょっちゅう行く私ですが、Bärlauch採りは初めて。
友人と一緒に森に入り、小川の下流に向かって歩いていくこと約30分。
小川の川岸にびっしりと密生したBärlauchが突然目の前に現れました。
「え~!これが全部Bärlauch!」と私は大感激。ニラ玉にニラ餃子、ニラチヂミ、どれだけ沢山のニラ料理を作ってもあり余る量のBärlauchが育っているではありませんか!
夢中になってBärlauchの収穫作業をしている私たちのそばを、山歩きをしている人たちが何人か不思議そうな顔をして通り過ぎていきました。
Bärlauchとよく似ているMaiglöckchen(スズラン)は毒性があるので間違えないように、と予め注意を受けていたので、誤って毒のあるスズランの葉を採らない様に気を付けつつ(スズランの葉はニラの香りがしないので区別できる)、30分もすれば、大きな袋にいっぱいのBärlauchが採れました。
欲張って大量に採りすぎても、Bärlauchは洗って冷凍保存が可能なのが嬉しい。
来た道をテクテクと歩いて戻り、森を出たら、モーゼル川に面したレストランで友人と軽い食事を取って家路に着きました。
新緑の春の森は本当に気持ちが良く、川の流れる音や野鳥のさえずりを聞きながら贅沢な森時間を過ごせました。
自分が食べたい色んな野菜がドイツでは手に入らない等、不便を感じることも多いドイツ生活ですが、森の時間はそんな日常生活を忘れさせてくれるし、実は「不便であることが楽しいのかもしれないな」と思った春の一日でした。
もちろん自分で収穫したBärlauchもとっても美味しかったです!
参考ウェブサイト
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%BD%E3%83%B3

大阪育ちの日本人。ベルリン自由大学卒業。現在ドイツ・コブレンツ在住。趣味は山登り、テニス、アスリート飯作り。担当する新シリーズ「住んでみてわかったドイツ」では、ドイツ居住歴16年の経験を生かして、現地からの生情報をお伝えしたいと思います。皆様からのリクエストや感想もお待ちしてます!
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