
ドイツはキャッシュレス社会!?
目次
キャッシュレス化が緩やかに進行するドイツ
利便性の向上、経済の効率化、現金管理コストの削減を目的として、世界各国で積極的に進められているキャッシュレス決済。
日本政府は、キャッシュレス決済の普及を経済成長戦略の一環として位置づけ、2025年までにキャッシュレス決済比率を約40%に引き上げる目標を掲げ、将来的には世界最高水準の80%を目指しているということです。
しかし、韓国や中国はキャッシュレス決済が8割以上にも達しているので、日本は世界の先進国と比較するとまだまだ遅れている状況にあるようですね。
しかし実は、ドイツもヨーロッパの先進国と比べると、まだ遅れている方だと言われています。
もともと現金主義が強かったドイツですが、データによると、2017年はお買い物のなんと約74%が現金で支払われていたそうです。
その後のコロナウイルスによるパンデミックの影響で、現金ではなく、カードやスマホによるキャッシュレス決済が随分と進んだため、2023年には現金支払いの割合は約51%までに減少し、キャッシュレス決済のシステムが徐々に浸透しつつあります。
コロナウイルス前は、カフェやパン屋など小さな店では現金しか受け付けてくれない所が殆どでしたが、最近は数ユーロの買い物であってもキャッシュレス決済が可能な店が増えてきました。
Z世代の私の甥っ子は、支払いはほぼ全部スマホだし、ドイツでも若者はスマホがお財布代わりになっているみたいです。
でも私は「万が一スマホを紛失したら!?」とビビるタチなので、もっぱらクレジットカードかデビットカードを利用しています。
私が普段持ち歩く現金は本当に少額となりました。
しかし、キャッシュレス決済が浸透しつつあるとはいえ、現金を持っていないと困るケースがしばしばあります。
小銭は持っていた方が良い
ドイツで小銭が絶対に必要である理由のベストワンは、多分「ドイツには無料の公衆トイレが少ない」ことじゃないでしょうか。
日本は駅にも公園にも、至る所に無料の公衆トイレが整備されていますが(素晴らしすぎる)、ドイツでは街中に公衆トイレがないことも多く、あっても「有料」で、とりたてて清潔でもないのに50セントとか1ユーロの使用料金を払わないといけません。
そもそも公衆トイレが少なすぎるので、急ぎの場合は、近くのカフェやレストランに入り、やはり50セント程度の使用料を支払って、トイレを使わせてもらうしかありません。
あと小銭がまだまだ必要なケースといえば、車のパーキングやコインランドリーの使用時です。
最近はパーキングもキャッシュレス決済がOKな所も増えてきましたが、肝心のカード決済システムが故障していて、カードで払えないこともよくあるため(どういうこっちゃ)、万が一の場合に備えて小銭は持っておくべきです。
そういえば、先日私も小銭が足りなくて、恥ずかしい目にあいました。
先日、友人と一緒にノスタルジックな80年前の鉄道に乗りに行った時のことです。
乗車チケットは車内販売だったので、私たちの席を回ってきた車掌さんに「大人二人、犬一匹の片道チケットでお願いします(注: 犬には子供料金が適用される)」と伝え、デビットカードで支払おうとすると、「二人と一匹の片道チケットは合計15ユーロ。ちなみに支払いは現金のみだよ。」と言われたので、「うっそ!」と思い、自分の財布を確認してみるとなんと12ユーロしか入っていません!!
でも友人の持っている現金と合わせたら全然足りるだろうと思い、彼女の財布をチラ見すると、彼女の財布の中身はわずか2ユーロのみ!!
いい年をした大人二人がなんと恥ずかしい。
焦った私は、車掌さんに「帰りの乗車時に1ユーロ返しますので、今は勘弁してくれませんか?」と必死でお願いすると、「あんた達、片道乗車なんでしょ。帰りは乗らないじゃないか、何言ってんの!」とツッコミが入りました。
そこで友人と私はカバンの中をひっかきまわして、あらゆるセント硬貨を必死で探し、なんとか不足分の1ユーロをかき集めて、無事にノスタルジックな鉄道車両を体験することができました。
「一円を笑うものは一円に泣く」とは本当に言い得て妙ですね。
ちなみに、「どんなに少額の硬貨でも軽視せずに大切に扱うべきだ」という意味の言い回しは、ドイツ語では「Wer den Cent nicht ehrt, ist des Euro nicht wert.」と表現するそうです。
参考ウェブサイト
https://www.nissay.co.jp/enjoy/keizai/179.html
https://www.tagesschau.de/wirtschaft/verbraucher/bargeld-zahlungsmittel-100.html

大阪育ちの日本人。ベルリン自由大学卒業。現在ドイツ・コブレンツ在住。趣味は山登り、テニス、アスリート飯作り。担当する新シリーズ「住んでみてわかったドイツ」では、ドイツ居住歴16年の経験を生かして、現地からの生情報をお伝えしたいと思います。皆様からのリクエストや感想もお待ちしてます!
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