スイス最古の町クール

 

スイスを観光で訪れる方は、アルプスを含む壮大な自然を間近で堪能するために様々な登山列車に乗ることが少なくないようです。

その際、大半の人は目的地ばかりに注目するせいか、乗車駅や乗り継ぎの駅にさほど関心がなく、単なる通過点としか捉えていない傾向があります。

とはいえ、路線の始点ならびに終点となる駅は、ただ地理的に好都合であるが故に選ばれていることはどちらかというと稀で、乗降客数の多さがその選定基準になっているケースが一般的です。

そのため、そういった場所は必ずと言っていいほど、仕事をしたり、観光やレジャーを楽しんだりする人が集まるので、一度は足を止めてみる価値はあります。

そして、スイス最大の州であるグラウビュンデン州(Kanton Graubünden、Chantun GrischunまたはCantone dei Grigioni)の州都である「クール」(Chur)が、正にそのような魅力に溢れているのに観光客に意外と見落とされる穴場のひとつです。

したがって、今回は氷河特急(Glacier Express)やベルニナ特急(Bernina Express)などが発着する登山列車の玄関口として知られるクールをご紹介いたします。

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スイス人のソウルフード「セルヴェラ」

 

いきなりですが、皆様はスイス人の主食といえば何だと思いますか?

というのも、日本人は必ずと言っていいほどお米をメインの食材にして様々なおかずを添える習慣があり、主食と副食が明白になっているせいか、国外でも同様な概念があると考えているようです。

しかし、スイスを始め、欧米諸国ではそのような概念がないため、主食は何だと尋ねられた際にいつも困ってしまい、強いて言うなら「パン」もしくは「ジャガイモ」がそれに当たると答えるしかありません。

したがって、スイス人に対して主食は何であるかを尋ねた際に納得のいく回答を得るのはなかなか難しいです。

一方、スイス人なら誰しもが口を揃えて自身の「ソウルフード」と主張する食べ物なら存在します。

国外ではさほど有名でないものの、スイス人から見ればそれは「スイスの国民食」などと称されるほど絶大な人気を誇り、季節を問わずに色々なシチュエーションで食べられている食材です。

という訳で、今回は意外と知られていないスイス人のソウルフードである「セルヴェラ」をご紹介させていただきます。

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発明大国スイス

 

皆様は「発明家」という言葉を聞いたらどのような人物を思い浮かべますか?

ドイツ語圏では活版印刷技術の発明家として知識を全世界に広めることを可能にしたヨハネス・グーテンベルク(Johannes Gutenberg)がおそらく代表例として挙げられますが、日本では京都にもゆかりのあるトーマス・エジソン(Thomas Edison)と答える人が多いのではないでしょうか?

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スイスドイツ語講座その13:食べ物(後編)

 

皆様、お久しぶりです。

前回のスイスドイツ語講座では食べ物について色々とご紹介させていただきましたが、野菜に関するお話のみで終わってしまいましたよね?

食べ物は生活していく上で非常に重要で、ネタもそれなりに多いことから、1回の講座では到底収まり切らず、せめて2回にわたってじっくりとご説明したいと判断しました。

したがって、今回のスイスドイツ語講座は「食べ物(後編)」と題して、前編で採り上げた野菜に引き続き、様々な場面で触れる機会のある内容の話をさせていただきます。

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「バターの塊をくり抜いた」と表現される都市ヌーシャテル

 

「禁断のお酒アブサン」「スイス時計」を始め、「日本で功績を残したスイス人」など過去の記事で複数回にわたってヌーシャテル州(Canton de NeuchâtelまたはKanton Neuenburg)の地名が登場したことを覚えていますでしょうか?

以前も申し上げたように、本ブログでは特定の地域をひいきにしておらず、スイスの各地方の魅力をご紹介したいと思っておりますので、同じ名前が度重なって挙げられたのは決して意図的ではなく、単なる偶然に過ぎません。

逆に、ヌーシャテル州はそれほど多くの魅力を持った地域ですので、皆様にはむしろそれがどのような場所で、どんな素晴らしさを持っているのかもっと知っていただきたいぐらいです。

したがって、今回はお酒と時計の名産地だけに留まらないヌーシャテル州の州都を担うヌーシャテル市をご紹介いたします。

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スイス発祥の五輪競技

 

東京オリンピック・パラリンピックがコロナの影響で1年も延期して開催されたこともあって、あの盛り上がりをついこの間のことのように感じている人も少なくはないと思いますが、半年後にはパリで次のオリンピックが待ち構えており、各種準備もいよいよ大詰めを迎えていますね。

それに伴い、本ブログでもオリンピックイヤーに合わせてスポーツに関する様々なネタをご紹介しようと考えております。

そして、その記念すべき第一弾としてスイスで生まれた五輪競技についてのお話をさせていただきますが、皆様はスイス生まれの五輪競技と言えばどのようなものがあるかご存知ですか?

スイスは雪国であるが故に、夏よりも冬のスポーツが盛んであるため、今回ご紹介するスポーツも当然ながら冬季オリンピックの競技になります。

名前からして「アルペンスキー」がスイス発祥の競技と思われがちですが、実を言うとアルペンスキーは北欧で生まれたとされており、残念ながらスイスを起源としていません。

一方、スイスのイメージがさほどないものの、歴史を辿ればそのルーツがスイスにあるのがなんと「スライディング競技」なのです。

したがって、今回はそんなスイス発祥のスライディング競技についてご説明いたします。

 

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スイスの知られざる衛星国時代

 

 スイスについてのイメージを聞かれると大概の人が思い浮かべるのは「永世中立国」ではないでしょうか?

これは教科書や観光ガイドを始め、スイスを採り上げる様々な媒体に加え、メディアで必ずと言っていいほど登場する単語であるだけでなく、スイス連邦が自ら世界に発信してきた代名詞であることから無理もありません。

また、永世中立国に付随して「反戦主義」や「紛争に一切関与しない」など色々な連想が独り歩きしたこともあって、スイスは「戦争をしたことがない国」とも称されています。

実際のところ、スイスはハプスブルク家からの独立を目指して幾度となく衝突を繰り返した他、長きにわたって各国に傭兵を派遣してヨーロッパの歴史に深く関わっていたものの、自国の国旗を掲げて他国と争ったことは一度もございません。

そんな喧嘩知らずで、どこかカッコよくも聞こえるスイスですが、実は過去に他国からの侵略を受け、国ごと乗っ取られた経験を持っていることをご存知でしたか?

この事実は世界史で語られるほど重大な出来事ではないため、スイスにそんな過去があったことを知らない方も多いと思います。

したがって、今回はスイスの意外と知られていない他国の統治下に置かれた衛星国時代についてご説明いたします。

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スイスが世界に誇る航空救助隊「レガ」

 

皆様は目の前でいきなり交通事故が起きたり周りの人が突然倒れたりしたら、当然119番通報をして真っ先に救急車を呼びますよね?

もちろん、国や地域によって緊急通報用電話番号が異なりますが、この手順は場所を問わず世界共通であることから、例え旅先であっても取るべき行動は変わりません。

そのため、緊急時に一刻も早い救急車の要請を行うためには、それぞれの場所で使用されている緊急通報用の連絡先を事前に把握しておくことが極めて重要です。

スイスでは救急車が必要な際の連絡先が144番ですので、これからスイスを訪れる予定のある方は必ずこの3桁のナンバーを覚えて現地に行くようにしてください。

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スイスで最も美しいと謳われるグラールス

 

観光客の中には、見物できるスポットの豊富さや利便性の観点から都会を旅行先に選んで、いわゆる都市観光を楽しむ方が多いと思いますが、自然溢れる地方も見所満載であることを忘れてはいけません。

特にスイスにご興味のある皆様からしてみれば、むしろ日本にない魅力を感じられる後者の方が好ましいのではないでしょうか?

そのせいか、大半の人は氷河特急(Glacier Express)マッターホルン(Matterhorn)を求めてスイスを訪れます。

しかし、それはどちらかというと観光庁が外国人に対して「見せたいスイス」であって、国民にとってはあまり馴染みのないものですので、逆に庶民的で日常的な本来のスイスに触れたいと感じる観光客には不向きです。

とはいえ、ガイドブックなどでは観光地化されていないありのままのスイスを体験できる場所は殆ど掲載されないことから、情報の入手が容易ではありません。

そこで、今回はそのような悩みを解消するため、「素」のスイスを堪能したい方にうってつけの場所と言えるグラールス州(Kanton Glarus)とその州都であるグラールス市をご紹介させていただきます。

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スイスドイツ語講座その12:食べ物(前編)

 

過去に、ビールを注文する際にスイスとドイツで言い方が異なることに言及しましたが、これまでのスイスドイツ語講座をご愛読なさっている方であれば、飲み物にだけでなく、様々な分野において同様なケースが存在することにお気付きになっているかと思います。

もちろん、相手との意思疎通が可能であれば、細かい違いに困ることは基本的になく、自分が求めたものと全く別の品が出てくるのは非常に稀です。

しかし、スーパーなどでは必ずしも言葉が通じる相手がいるとは限らず、パッケージの記載や標識等のみを頼りにするしかありません。

つまり、コミュニケーションがそもそもできない場面では、結局、自分が欲しいものを諦めてしまうか、内容を把握していないまま直観に基づいて選択を行うことになります。

そのような出来事で未知との遭遇を体験するのも海外旅行の楽しみのひとつであるとの考え方がありますが、分からないものには一切手を出さないという慎重派であれば、時と場合によっては行動しにくくなってしまいます。

特に食事は取らない訳にはいきませんので、一定の知識を身に付けておいた方が断然得です。

したがって、今回はスイスでの腹ごしらえに困らないためにも、スイスドイツ語における食べ物の言い回しについて色々とご紹介させていただきます。

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