ドイツの薬物事情- 合法にすべき?

薬物による犯罪が世間を騒がせていますが、しばしば議論となるのが、海外と日本の薬物に対する理解と法律の違いです。『ダメ、ゼッタイ!』というスローガンが浸透している日本では、外国で合法や非犯罪となっている薬物があることに対して、強い疑念と拒絶感があるように、国による政策の違いや、国民の意識の違いには、大きな壁があるようです。非常にセンシティブな問題ではありますが、ドイツではどのように扱われているのでしょう。

ドイツの法規制と現状

 

薬物に関する法規制において、とりわけ大麻に関しては国によって大きな違いがあるのが現状です。ドイツでは医療目的とした用途においては2017年に合法化されていますが、嗜好品としての売買、所持、栽培、生産、輸出入などは、連邦保健省の許可なしには処罰の対象となります。しかし、消費に関しては、非犯罪化されており、法律上では、大麻の消費は無罪の自傷行為にあたるとされ、また実質上、州によっては少量(6g以下、10g以下など)の所持は認められています大麻は、非合法であり、危険性があるとはされているものの、抜け穴の多い法規制に加えて、社会的にも日本ほど強く拒絶されているものではないように感じます。

このような法規制のもとにあってか、ドイツ連邦保健省の2019年の調査によると、調査の前年である2018年の1年間の間に、少なくとも一回は大麻を吸引した青少年(18歳から25歳まで)の人口は22%という結果となり、ドイツ国内では若年層の大麻の使用が年々増加しているようです。また、12歳から17歳までの青少年の使用経験も年々上昇しており、ドイツ連邦保健省はその危険性に警鐘を鳴らしています。

 合法化は成立するのか

 

ドイツでは、大麻の合法化がしばしば議論となっています。推進派の意見としては、合法化ができれば、政府が流通・売買を管理でき、販売店へのライセンスの義務付けや年齢制限などを設けられ、裏市場での流通を防ぐことができるという意見や、完全に非犯罪化することで、警察、裁判所への負担を軽減でき、また、大麻税を導入することで、税収により経済が活気づくといった意見などが挙がっています。

しかし、大麻の長期間の使用による健康被害はまだ十分に研究されておらず、心筋梗塞のリスク上昇や、集中力の低下、また精神病やうつ病を引き起こす可能性や悪化させる可能性もみられ、様々な研究結果も報告されており、反対派の意見も根強く存在します。

推進派の意見の中には、身体への健康被害は、アルコールやニコチンより少ないという意見も多くあり、日本人としては、少し驚きを隠せないような意見があるのも実情です。しかし、今日、大麻に含まれているTHCという主要成分は、60年代よりも含有率が増えており、身体にどのような影響を及ぼすかは、まだ十分な研究が行われていません。

日本では厳しい取締まりがある薬物への法規制ですが、さらに厳しい規制のある国々があるのも事実、一方で全面的に合法とされる国々があるのもまた事実。ひとたび海外にでると、その法規制と意識の違いにカルチャーショックを受け、倫理観の違いまでも実感するテーマのようです。


参考HP

 

 

 

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