ドイツ料理の衰退?変化するドイツの食文化  

ドイツ料理と言えば?ソーセージ、ジャガイモ、ザワークラウトといった定番から、様々な肉料理やスープ、パンなどがあります。しかし、ここ十年ほどで、外国の料理への注目度がどんどん上昇し、ドイツでの外食も選択肢が増え、様々な国のレストランが増加傾向にあります。さらに、ドイツには、自国料理のレストランが他の国々よりも少ないという調査結果もでています。ドイツ料理の運命やいかに?

ドイツで一番人気のレストランはイタリアン
ドイツで一番人気のレストランはイタリアン

国際色豊かな食文化

 

今日のドイツでは世界中の料理を楽しむことができます。トルコ料理、中華料理、イタリア料理、ギリシア料理などは昔から人気で、小さな町にもレストランやテイクアウトがあります。今日では、お寿司もすっかりポピュラーとなったため、スーパーでお惣菜として販売されており、ミュンヘンでは、セイシェル料理、ハワイ料理、ペルー料理、レバノン料理などの王道以外の外国料理のレストランも楽しめるようです。

ドイツ国内の外国料理の普及の理由のひとつに、ドイツ人は旅行好きなので、旅先で食べた料理を家でも再現しようとする人が多いためといわれています。外国料理のレシピ本も多く出版されており、レシピポータルサイトChefkochにも情報が溢れ、スーパーでも様々な異国の調味料が入手でき、アジア食材専門店や中東食材店も比較的身近にあるため、気軽に外国料理をチャレンジできる土壌も培われています。

 

 ドイツ料理レストランが少ないドイツ国内の実情

外国料理が普及し続ける影響による現象かは不明ですが、ドイツ料理の需要が減っているのは事実のようで、次のような研究結果も明らかになっています。ミネソタ大学カールソン経営大学院の経済学者、ジョエル・ワルドフォーゲル氏の2019年の研究(Dining out as cultural trade)では、自国料理のレストランの割合が調査されており、調査対象国52カ国中、ドイツは自国料理のレストランが最も少ない国にランクインし、35,5%という結果がでました。それに対して、自国のレストランが最も多い国第一位は、イタリア(77,3%)、第二位トルコ(73,4%)、第三位中国(70,8%)ということです。ちなみに日本は第四位(70,6%)でした。

国際化する外食産業とドイツ人の食卓ですが、この現象に危惧、批判も向けられています。そのひとつには、異国の料理を自国の文化に取り込みアレンジすることで、本来の料理の形が失われてしまうことへの危惧があります。たしかに、例えば外国で食べるお寿司は、SUSHIであって本当の寿司じゃない…という日本人の意見をよく聞きます。日本のカレーやラーメンもそれに当たるのかもしれません。

二つ目には、外国料理がドイツで普及することで、ドイツの伝統的な郷土料理の存在が忘れられてしまうという恐れです。大都市の若者たちにとっては既に、ケバブ、ピザ、中華のテイクアウトボックスなどがドイツの伝統的料理よりもずっと身近な存在なのです。

しかし、その一方で異文化が融合していく中で生まれる素晴らしい芸術や技術、そして料理があるのも事実ですよね。新しい文化の誕生と、伝統の継承と存続をいかに両立していくかは文化に関する昔からの課題ですが、汲み尽くされることはないようです。


参考HP

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