ドイツの民族衣装

全世界津々浦々、様々な民族衣装が存在します。ヨーロッパの民族衣装の特徴は、ブラウス、スカート、エプロンが主体となっており、頭にリボンや帽子、頭巾などを被るスタイルが一般的です。地方分権であるドイツでは、文化的にも地域性が多様なので、日本の着物のように、国民共通の民族衣装というものは存在しません。また今日では伝統的な行事のみに着用されるものがほとんどですが、既に廃れてしまった民族衣装も多々あります。 

  • バイエルン州/アルペン地方 ディアンドル   

 

ドイツの民族衣装の中で、最も認知度が高いのは、日本各地でも開催されるようになったオクトーバーフェストには欠かせない衣装であるディアンドル(Dirndl)ではないでしょうか?ドイツ・バイルン州やオーストリア・チロル地方、リヒテンシュタイン公国などでも見られるこの衣装は、近代の領主の元で働く使用人が着用するもので、社会階級を表すものであったともいわれていますが、一説では、ドイツ人の国民意識を高めるために、意図的に創作された“民族衣装”とも言われています。現代では、新しいトレンドとして復興しており、バリエーションも増え、民族衣装というより、むしろコスプレ感覚ともいえるかもしれません。日本の通販でも買えるほどですからね!

  • バイエルン州/アルペン地方 レーダーホーゼ

 

こちらもバイエルン州の民族衣装、レーダーホーゼです。男性用で革製半ズボンのこの衣装も、元々は作業着として使われていましたが、紡毛コート地の普及により、19世紀末には一旦姿を消してしまいましたが、時のバイエルン王、ルードヴィヒ2世の支援などもあり、伝統的民族衣装として、その地位を確立させました。ディアンドルとセットで見かけることも多いので、こちらも比較的認知度が高いかもしれませんね。

  • バーデン=ヴュルテンブルク州 黒い森地方のボレン帽子

 

Photo by Tournachon (CC BY-SA 4.0)

 南西ドイツに拡がる黒い森地方の民族衣装であるボレン帽子は、黒い森のシンボルともいえます。18世紀初頭に考案されたこの帽子は、黒い森にある3つのプロテスタントの農村で着用されていました。帽子についた赤い房は未婚女性のしるし、黒い房だと既婚女性のしるしとされ、今日では宗教的行事や、地域のイベントで着用されています。

  •   ニーダーザクセン州 シャウムブルグ郡の民族衣装  

 

Photo by  Michael Gäbler (CC BY-SA 3.0)

ドイツ北西部に位置するニーダーザクセン州シャウムブルク郡の民族衣装は、20世紀末まで日常的に着用されており、民族衣装の保護協会も多く存在しているそうです。大きなリボンと刺繍が施されたマント、そして赤いスカートが特徴です。民族色が色濃く、装飾の雰囲気も南ドイツとは全く違うようにも感じますね。

  • ブレーメン州ブレーメンの民族衣装

 

Photo by  Michael Zock, Bremen (CC BY-SA 2.0 DE)

ドイツ北西部の自由都市ブレーメンの民族衣装は、農村風で控え目な印象です。全体的に色は暗く、オランダ風の雰囲気も感じられますね。しかし、ブレーメンは自由都市であったため、政治的、経済的、宗教的にも他の地域から隔離されており、独自の文化を築いてきた歴史があり、民族衣装にもその影響が表れているともいわれています。

ドイツ国内には他にも様々な民族衣装が存在しますが、一般的なドイツのイメージとなっているのは南ドイツの衣装や文化が根強くあることがわかります。また、グローバル社会の現代では、このような伝統的衣装が新しいトレンドとなることもあるのが興味深いですね。


参考HP

 

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