オーストリアの教育制度

オーストリアの学校では9月から新学期が始まりました。私は子どもの頃からこの時期がとても好きでした。季節が変わり、友人にまた会えて新しいノートとペンを買って、何か新しい事が始まるみたいなワクワクする気持ちが湧いてきます。日本の子どもたちも4月には、こんな気持ちになりますか?各国による学校教育制度には意外と大きな違いがあり、オーストリアと日本もそうなので、今回はオーストリアの教育制度をご紹介します。

オーストリアの子どもは幼稚園に行かないといけない!

 

オーストリアの教育制度は幼稚園からスタートします。HHさんが「日本人からみると不思議なドイツ事情」のブログ記事でドイツに創設された幼稚園の歴史について説明していますが 、ドイツと異なり、オーストリアではキンダーガルテンに登園する義務があります。つまり、小学校の準備期間として就学前の1年間は最低でも週に20時間幼稚園に行かなければならないのです。これは法律で定められた義務なので、親の負担にならないように費用がかからないか安くなるためこの一年は「グラティスキンダーガルテンヤー」Gratiskindergartenjahr (無料登園年)と言われます。

子どもが6歳になると、次の9月に小学校に入学します。小学校は 「フォルクスシューレ」Volksschule(国民学校)と言って4年間かかります。入学日に、子どもは親から「スシューレテュー テ」Schultüte(入学祝いの三角帽子形の袋)を貰います。学校に必要な色鉛筆やノートの他にお菓子や小さいおもちゃが入っています。小学校については公立か私立かの選択がありますが、この時は学校の選択はまだ大きな影響はないと言えます。

中学校はまた別の話です。中学校の制度をどうすれば良いか、という問題はもう何年もの間、政治的な論点になっています。小学校を四年生で卒業した子ども達には2つの道が用意されています。「ギムナジウム」Gymnasium か「ノイエミッテルスシューレ」Neue Mittelschuleです。ギムナジウムは日本の中学と高校を含めた学校であり、合計で8年間通い、卒業した後に大学に進めます。ノイエミッテルスシューレは4年間かかり、卒業した後はギムナジウムの高等科に入学するか、あるいは専門学校に入学するかの選択肢があります。つまり、ギムナジウムを選んだ子どもは大学に進学し、ノイエミッテルスシューレを選んだ子どもは専門学校、商業高校や農業高校等に進み、その後ですぐ就職する事になります。ノイエミッテルスシューレを卒業したら、ギムナジウムの高等科に通学することも可能ですが、どちらの道を選ぶかは主に親の出身や教育方針と資産に関係がありますし、地方で学校が少ないところでは選択の余地がない場合もあります。そんなわけで、「ゲサムトスシューレ」Gesamtschuleという総合制中学校が必要だと主張する人もいます。もちろん、ギムナジウムに行く子どもは必ず大学に進学して、ノイエミッテルスシューレに行く子どもは早めに就職するわけではありませんが、14歳までは子どもに同じ教育を受けさせた方が良いと言う意見があります。

ギムナジウムには色々な形がありますが、基本的に「ウンテルシュテゥフェ」Unterstufe(初等科)と「オバーシュテゥフェ」Oberstufe(高等科)に別れています。両方は4年間で、いわば日本の中学と高校を合わせたような感じです。そしてギムナジウムの中でも専門があります。理数系の学校では数学と化学の授業が多く、言語専門の学校では特に言葉の勉強が中心になります。また、アート系や音楽系の学校もあります。大学に進学するには「マツラ」Maturaという高校卒業試験に合格しなければなりません。大学の入学は高校の成績にあまり関係がありません。学部によっては入学試験があり、大学で試験の準備コースが用意されている場合もあります。他の学部は入学試験がなくて、初学期に決まった授業と試験を受けて合格できたなら、勉強を進められます。そして大学の学費は無料です。私立大学はもちろん違いますが、国立大学はオーストリアの国籍を持っている人は基本的に学費がかかりません。

 

ちょっとした違い

 

日本と一番大きな違いは部活がない事ではないかと思います。週末の夜、よく近所の高校から自転車で帰宅する高校生を見ます。これにはいつも少し違和感を抱きます。私が16歳なら絶対に週末を学校で過ごしたいとは思わないでしょう。しかし私自身は部活を経験した事がありませんので、やってみたら意外に楽しいと感じるかもしれません。また、オーストリアでは学校のランキングもありません。もちろんこの学校は良い、あの学校はあまり良くないという話もしますが、先生が良いかどうかの方が大事だと思われています。

学期の時期も違います。最初に書いたように、オーストリアでは新学期は9月から始まり、6月に終わります。夏休みは7月と8月です。クリスマスと正月の時期は2週間の休みがあり、春休みは1週間くらいです。大学生はもっと多くの休みがあります。大学生は9月まで3ヶ月の夏休みがあり、春休みも1ヶ月あります。ところで、1978年からウィーンには日本人国際学校があります。仕事などのために一時的にウィーンに来てまた日本に帰るつもりの日本人家庭の子どものための学校ですので、授業は日本語で行なわれ、日本の学習指導要領を踏まえた教育課程が実施されます (ウィーン日本人国際学校)。

それでは、

Baba


参考HP

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