ドイツのサマータイム制度 

近頃すっかり日も短くなってきましたね。日照時間の長さに合わせた時間調整をするシステムであるサマータイム(英:Daylight saving time独:Sommerzeit, Zeitumstellung)は、欧米諸国等77ヵ国で導入されています。ドイツ及びEU諸国では、毎年3月と10月の最終日曜日に時間の切り替えが行われています。しかし、このサマータイム制度には賛否両論があり、制度の見直しが根強く議論され、実は2021年10月に廃止となる予定でした。問題点はどこにあるのでしょうか。

サマータイムとは

 

サマータイム制度は、緯度が高く日照時間が長くなる国、地域で導入されており、夏季の一定期間に、時間を進めることによって、明るい時間を有効活用し、省エネ効果や経済活性化、犯罪抑制などがねらいとされています。ヨーロッパでサマータイムが始まるのは、3月最終日曜日の午前2時に時計が1時間進められ、10月最終日曜日の午前3時に1時間もとに戻されます。

この制度は、19世紀のイギリス人建築家ウィリアム・ウィレットによって提唱され、1916年、第一次世界大戦下のドイツ及びイギリスにおいて、世界で最初に導入されました。1919年には廃止となりましたが、1980年に再び導入の運びとなりました。

サマータイム制度の主なメリットは、太陽が出ている時間を有効活用できること、省エネ効果や余暇の充実、そして明るい時間に夕刻となるため、交通事故や犯罪発生の防止に繋がるとされてきました。この制度もあり、夏のドイツは日が長く、22時頃でも夕方といった具合なので、日本人にとっては少し感覚が狂う感じもします。一方、冬の日の出は遅く、冬至では朝8時過ぎ、日没は16時過ぎには暗くなってしまいます。

サマータイムの弊害 廃止へ

 

1919年に廃止となったサマータイムですが、オイルショックの影響を受け、その対策として再導入され、今日に至ります。しかし昨今では制度への反対意見も多く、デメリットが強調されています。第一に挙げられているのは、予想に反して省エネ効果が少ないこと、そして何より健康被害が大きいことが主な理由として挙げられています。皮膚がんやうつ病の増加、3月と10月の時間の切り替え直後は、虚血性発作や心筋梗塞も増加するというデータもあり、睡眠障害も起こりやすいと報告されています。また、カナダでは切り替え直後の月曜日は交通事故が23%も上昇したとの統計も報告されています。2018年に行われたオンラインの大規模アンケートでは、460万人のヨーロッパ市民の85%が制度の廃止に賛成しました。

このような世情を受けて、欧州議会は2019年にサマータイム制度の廃止を可決し、2021年には廃止となる予定でした。しかし新型コロナウィルスの流行によって、その対応は保留状態になっており、標準時間を夏時間に合わせるのか冬時間に合わせるのか、EU諸国全てで廃止となるのか等、残された課題は置き去りになっているのが現状です。


参考HP

 

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