急成長するドイツのヴィーガン

ドイツで生活していると菜食主義者、いわゆるヴェジタリアンに出会うことは珍しくありません。レストランのメニューにも、野菜のみのメニューが必ずあるのも日本とは少し違うところかもしれません。さらに今日ではヴィーガンというスタイルが、欧州全体で増加傾向にあり、ベルリンでは人口の約一割がヴィーガンで、ヴィーガン食を取り扱う店も多数だとか。その食品の種類は実に豊富なドイツです。さて、そんなヴィーガン、思想的な理由から実践している人々が多いのでしょうか。また増加の理由の背景にあるのは?

 

ヴェジタリアン=ヴィーガン?

 

ヴェジタリアンと一言で言っても、肉食を避けるだけでなく、乳製品を摂らない、卵を食べない、魚と卵はOK…など、何をタブーとするかによって分類されています。そして、その動機も様々ですが、健康のため、動物愛護や、環境保護といった倫理的実践のため、宗教上の理由などが主な動機です。とりわけドイツ国内では、動物や環境のためという倫理的な理由が多いそうです。

古代から実践されている菜食ではありますが、今日の概念である菜食主義やヴェジタリアンというのは18世紀半ばに花開いた思想的実践です。そして、昨今注目されているヴィーガンとは、1944年、イギリスでヴィーガン協会が設立された際に共同設立者のドナルド・ワトソンによってつくられた造語で、肉、魚、乳製品、卵、ハチミツも禁ずる、厳格な完全菜食主義者を指しています。ヴィーガニズムとは、人間が動物を搾取することなく生きるべきという理想のもとにおいて実践されており、食用以外にも、皮革製品、シルクやウールといった動物製品も排除するひとつのライフスタイルといえます。

 

 

ドイツはヴィーガン天国となり得るか?

 

世界で一番菜食主義者が多い国はインドで、住民の約40%がヴェジタリアン(ヴィーガン含む)にあたります(2014現在)。これはインド発祥のヒンドゥー教、ジャイナ教の基本的戒律が非暴力・非殺生であることに起因しています。欧州内では、スイス、イギリスがトップで14%(2017・2016現在)、次いでドイツ、ノルウェー、スウェーデン、ベルギーが10%(2018・2014・1016現在)、フランスは1.5%(2011)、スペイン、ポルトガルは1.2%(2017現在)と最も低い割合となっています。ちなみに日本は4.7%です。元来、肉食文化がなかった割には、少ない数値かもしれませんね。

しかしヴィーガンのみの割合となると、一転して日本国内の割合は意外と高く2.7%で、対するドイツは1.6%となっています。この数値は、乳製品が豊富なドイツで、チーズを断つ事が難しいためという分析もあります。

とはいえ、2008年の公式調査では8万人以下だったドイツのヴィーガン人口は、2016年の調査結果では130万人にも上り、目を見張る増加率です。また市場も急成長しており、2017年には7億3600万ユーロだったヴィーガン食材の売上高も、2019年には12億1900万ユーロにまで伸びています。

 

ソーセージやハムがおいしい国というイメージの反面、ヴィーガンというライフスタイルも着々と浸透しているドイツ。動物愛護の精神や環境意識の高さも影響しているのでしょう。

 

 


 

参考HP

  • 菜食主義

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%9C%E9%A3%9F%E4%B8%BB%E7%BE%A9

  • ヴィーガニズム

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0

  • Vegetarisch? Vegan? Und wie essen Sie? Verbraucherzentrale

https://www.vzhh.de/themen/lebensmittel-ernaehrung/ernaehrungstrends/vegetarisch-vegan-wie-essen-sie

  • 1,3 Millionen Deutsche leben vegan SKOPOS

https://www.skopos-group.de/news/13-millionen-deutsche-leben-vegan.html

  • インドの菜食主義

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E8%8F%9C%E9%A3%9F%E4%B8%BB%E7%BE%A9

 

 

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