ドイツのアウトバーン

ドイツのアウトバーンは、車好きな人なら一度は疾走してみたいと憧れる高速道路ではないでしょうか?ドイツのアウトバーンはよく整備されており、しかも利用料金はタダ(*ただし、12トン以上の大型トラックは有料)というメリットがあるので、ドイツ国内を移動するなら利用しない手はありません。「アウトバーンを運転するのは怖くない?」と聞かれることもありますが、信号や交通標識でごちゃごちゃした都会を走るより、アウトバーンを走る方が快適だと私は個人的に感じています。

今回はドイツのアウトバーンのあれこれについて書きたいと思います。

 

 

 

ドイツのアウトバーンは速度無制限?

 

ヨーロッパの他国の高速道路は、時速100キロ~130キロの制限速度が設けられていますが、ドイツはヨーロッパの中でも、高速道路の速度を基本的に制限していない唯一の国です。ただし、自動車とオートバイを対象にRichtgeschwindigkeit(標準速度)として時速130キロが推奨されており、一部の区域では速度制限(Tempolimits)が適用されているので、速度制限区間と速度無制限区間が混在しているのがドイツのアウトバーンです。速度制限区間では、速度超過(Geschwindigkeitsüberschreitung)を探知するオービスが各所に配備されているので、注意しましょう。アウトバーンを運転していて、うっかり飛ばしすぎて「ピカっと」光ってしまったら、後日、反則金の振込用紙が入った封筒が自宅に届くことになります。スピード違反の反則金(Bußgeld)は、郊外(außerorts)の場合、速度超過10km/hで20ユーロですが、速度超過が21~25km/hになると100ユーロ、41~50km/h以上になると、なんと320ユーロとなり、違反速度に応じて違反金もどんどん高額になっていきます。

速度無制限として有名なドイツのアウトバーンですが、近年、アウトバーン全域にわたり速度制限を求める議論が活発になってきています。2022年5月に開催されたドイツ環境省会議でもドイツ各州の環境大臣からアウトバーンの速度制限が要求されました。その一番の理由は、環境保護・騒音対策です。アウトバーンの制限速度を130キロに統一することで、年間150万トンの二酸化炭素排出量の削減が実現できると見込まれています。またロシア・ウクライナ危機をきっかけに、エネルギー資源の輸入依存を抑えたいという切迫した現状もあります。

 

 

アウトバーンに触発されて生まれたカルチャー

 

子供の頃から学校が休みに入れば、家族でアウトバーンを利用して国内や国外の旅行に出かけるのが当たり前のドイツ人。アウトバーンはドイツ人の生活にとって、切っても切り離せない存在です。そんなアウトバーンに触発されて生まれたカルチャーも少なくありません。例えば、カッセルには「A7」という名前のディスコテークがあるのですが、近くにアウトバーン7号線が走っていることからこの名前が付けられたのだそう。また1991年公開のドイツのコメディー映画「Superstau(大渋滞)」は、その殆どがアウトバーンで撮影され、映画ではステレオタイプの「よくあるある」なドイツ人が描写されています。

電子音楽を世界で初めて大衆に浸透させたことで知られるドイツの電子音楽グループのKraftwerk(クラフトワーク)は1974年に「Autobahn」というアルバムを発表。このアルバムは、文化的または歴史的な価値がある録音物を対象にしたグラミーのアワードを受賞している有名な作品です。創設メンバーのラルフ・ヒュッターは現在なんと76歳。実は先日、彼らのコンサートに行ってきたのですが、いい年のお爺ちゃんが現役でシンセサイザーを演奏している姿はカッコ良すぎました!

 

ドイツを象徴するような存在感を放つアウトバーン。そのアウトバーンを無制限速度で疾走するのは、もはや時代に即さないかもしれません。環境に配慮した社会づくりを進めるドイツで、アウトバーンが今後どのように変化していくのか、その動向を注視していきたいですね。

 


 

参考ウェブサイト

 

https://de.wikipedia.org/wiki/Autobahn#Deutschland

https://www.tagesschau.de/inland/autobahn-tempolimit-101.html

https://www.wbs-law.de/verkehrsrecht/geschwindigkeitsueberschreitung/

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