ドイツ人はボードゲームがお好き

ドイツは、工業先進国、環境保護先進国、ビール大国…などと様々な分野で称賛されていますが、ボードゲーム大国とも言われています。あまり一般的なドイツに対するイメージにはないかもしれませんが、ドイツのボードゲームは、その専門の世界では「ジャーマンゲーム」という名で、特定の一分野にまでなっているほどです。ご存知でしたか?今日は、ドイツのボードゲームについてお届けします。

ボードゲーム=ドイツゲーム?

 

「ドイツゲーム」や「ユーロゲーム」といわれるジャンルのゲームとは、ボードゲームやカードゲーム、いわゆる電子的なコンピューターゲームに対する「アナログゲーム」を指しています。なぜドイツゲームという呼称がついたのかというと、ドイツのゲームクリエイターやメーカーが1980年代から世界規模でボードゲーム業界を牽引してきて、特徴的なスタイルを築いたことにより「ドイツゲーム」と名付けられたとのことです。またフランス・オランダ・イギリスなどの欧州諸国でもボードゲーム市場が発展しているため、「ユーロゲーム(ヨーロピアンゲーム)」と呼ばれることもあります。

なぜドイツではボードゲームが盛ん?

 

これらのゲームの特徴は、子供から大人まで楽しめるテーブルゲームで、ルールは比較的簡単なものが多いです。プレイ時間も数分で終わるものから、長くて1時間を超えるものまでバラエティに富んでいます。有名で定番のゲームは、1995年に『カタンの開拓者たち』、や『カルカソンヌ』、『Mensch, ärgere dich nicht』(イライラしないで)、などがあり、先の二つは日本語版も発売されています。

ドイツでボードゲームが根付いた理由は諸説ありますが、しばし言われているのは、ドイツでは仕事後の時間を家族で過ごせる余裕がある生活スタイルであること、また家族で過ごす時間を大切にしている価値観があるため、ボードゲームはその団らんの手段として好適であったという説です。そのためか、ボードゲームはドイツではFamilienspiel(ファミリーゲーム)とも名付けられています。

しかし、このような側面以外にも、ドイツではゲームデザイナーの個性が尊重されているため、パッケージにもゲームデザイナーの名前のクレジットがあり、人気デザイナーの作品が購入理由のひとつにもなっているそうです。また一方では、ドイツは14世紀から続くおもちゃ作りの伝統があり、世界最大の玩具見本市はニュルンベルクで行われているほどです。この伝統がボードゲーム大国になった一因とする見方もあります。

新しいゲームはテレビやラジオ、新聞などでも批評的に取り扱われ、毎年6月にはドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)があり、ゲームを取り扱うための土壌が確立しており、独自のボードゲーム市場を確立させています。

たしかにドイツではボードゲーム専門店をよく見かけますし、デパートのゲーム売り場にも多くの種類が取り扱われ、パブなどにも置いてあり、何かと目にする機会が多いです。日本ではテレビゲームがやはり主流ですよね。とはいえ、日本でもここ数年でボードゲームが流行し始めており、密やかに盛り上がりを見せているともいわれています。

秋の夜長は、ドイツのボードゲームで仲間や家族とゆっくり楽しむのもいいですね。


参考HP

 

Comments

(2 Comments)

  • Sanya

    ヨーロッパでボードゲームと言えばチェスかオセロだと思っていました。 ドイツはボードゲーム大国なのですね!
    次回ドイツに旅行に行くときはぜひボードゲームをお土産に買ってきたいです。(何年後に行けるかわからないけど。。。)
    良い情報ありがとうございます!

    • Transeuro Academy

      コメントありがとうございました。返信が遅くなって申し訳ございませんでした。ドイツに行った際是非お土産に買ってみてください。
      日本でもドイツのボードゲームで遊べる店やイベントがあります。例えば日独協会ではたまにボーデゲーム会が開催されます。

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