語尾の「リ」の意味すること

前回のスイスブログでは原作、アニメ、映画を通してハイジ作品を比べてみましたが、いかがでしたでしょうか。今回は同作品の中に出てくる言葉に注目し、スイスらしさに迫ってみたいと思います。

デルフリ村の「リ」

 

アニメ「アルプスの少女ハイジ」をご覧になっている方であれば、きっと馴染みのあるデルフリ村。第1話から登場しますが、ハイジのおじいさんが住む山小屋へ向かう途中に通る村です。このデルフリ(Dörfli)という言葉は、スイスドイツ語で「小さな村」を意味します。Dorfが(ドイツ語と同じように)村を指し、語尾についている-liが小さいことを表します。ドイツ語だとDörfchenですね。

原作「Heidis Lehr- und Wanderjahre」(1880)を読み進めていくと、この-liを使った表現、実は他にも登場します。ヤギの名前に多用されています。まず、おじいさんが飼っている二匹のヤギですが、SchwänliBärliといいます。上田真而子さん翻訳の「ハイジ 上」(岩波少年文庫)では、Schwänliがスワンやスワンちゃんとなっており、Bärliはクマやクマちゃんと訳されています。それから、ヤギのユキちゃんですが、原作ではSchneehöppliといいます。-liが語尾につくことによって、動物たちがより可愛らしいイメージになるような気がします。

スイスドイツ語の-liはドイツ語の-chen-leinと似たような使い方をし、縮小形を表す時に使います。例えば、ドイツ語でHäschen(子ウサギ)はスイスドイツ語でHäsliになります。スイスの言葉で語尾に-liを見つけたら、このことを思い出していただければと思います。

上田真而子さん翻訳の「ハイジ 上」、「ハイジ 下」(岩波少年文庫)(Chuchichäschtli私物)

単純そうで、意外と複雑な縮小形

 

さて、今回縮小形を覚えたので、これからはスイスドイツ語の単語さえたくさん覚えればなんでも小さく表現できると思っている方、ちょっと気が早いかもしれません。実は、語尾に単純に-liを付け加えるだけでは済まないケースが多く、縮小形にする際に元の言葉も一緒に変わることも珍しくありません。せっかくですので、スイスドイツ語の縮小形の例をいくつか見てみましょう。
Chatz – Chätzli (Chatzは独語 Katze、日本語 猫)
Kafi – Käfeli (Kafiは独語 Kaffee、日本語 コーヒー)
Hand – Händli (Handは独語Hand、日本語 手)

ちなみに、以前こちらのブログでも触れましたが私のペンネームChuchichäschtliも縮小形の言葉です。小さなキッチンの棚という意味ですが、棚という言葉は以下のように変化します。
Chaschte− Chäschtli (Chaschteはドイツ語 Kasten)

ここに挙げた例はほんの一部ですが、少しでもイメージを掴んでいただけていたら幸いです。地域などによっても発音や単語自体に違いがありますし、結局はたくさんの言葉に触れて感覚で覚えていただくのが一番かと思います。

Uf widerluege!
(それでは、また。)

Chuchichäschtli


 

参考ホームページ

参考書籍

「ハイジ 上」(岩波少年文庫)ヨハンナ・シュピリ作 上田真而子訳

 

 

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