ソーセージだけじゃない!ドイツ人が愛する白アスパラガス

春先、4月上旬のドイツ、白アスパラガスが市場やスーパーに並び始め、特設の販売スタンドまでもあります。白アスパラは、ドイツ人の大好物であり、特別な野菜って知っていましたか?ドイツ人が外国暮らしで恋しくなるものは、パンとアスパラ…なんて言われるほどの国民的な食べ物のようです。現在はこの白アスパラ―Spargel(シュパーゲル)-の季節の真っただ中です。

野菜の王様、白アスパラガス

 

日本では緑のアスパラガスが主流ですが、ドイツでアスパラといえば、白。国内産の白アスパラガスのシーズンは1年の内で限られており、4月上旬くらいから始まり、販売終了となるのは6月の24日、聖ヨハネスの日(St.Johannistag)と厳密に決められています。通年手に入り、とても身近な存在であるジャガイモもドイツ料理には欠かせない野菜ですが、アスパラは期間限定というプレミア感があるので特別なのかもしれません。

特別な野菜であるこの白アスパラのための専用皮むき器、アスパラをゆでる寸胴鍋など専用の調理道具もドイツにはあります。おまけに南ドイツ・バイエルン州にはアスパラガス博物館(Spargelmuseum)、アスパラ栽培の盛んなベルリン近郊のBeelizにもアスパラ博物館(Spargelmuseum Beelitz)が存在するのです。うーん、まさに国民的な人気ですね。

 

アスパラガスの歴史

 

アスパラガスの原産地は、南ヨーロッパからロシア南部といわれており、歴史は古く、約五千年前の古代エジプトの壁画にもアスパラが描写されているとか!そして、紀元前400年、古代ギリシアでは、医師ヒポクラテスによって医学的効果が提唱され、ローマ時代に入り、栽培も始まりました。

諸説ありますが、ドイツで栽培が始まったのは、16世紀半ばからで、イタリアやフランスなどに比べると少し遅れて栽培が始まりました。とはいえ、高価な野菜であり、貴族階級で楽しまれる贅沢品でした。文豪ゲーテも自家栽培していたとの話もあります。ちなみにこの時代は緑のアスパラが流通しており、白アスパラが栽培されるのは後世に入ってからとなります。

ドイツのアスパラの産地は国内全土にあり、アスパラガス畑の面積はドイツ国内の農業面積で一番多くを占めており、その割合は20%にものぼるそう。そしてアスパラの消費量ランキングでは、中国、ペルー、メキシコに次ぐ第四位でもあります。白アスパラのシーズン中には一人頭、約1,5キロも消費するとか!

今日では、ドイツ人にとって白アスパラガスは欠かすことのできない春から初夏への風物詩。きっとドイツに俳句の文化があれば、間違いなく季語となっているかもしれないぐらい旬のものであるのです。


参考HP

 

 

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