En guete! スイスドイツ語講座その2:食卓で使う言葉

皆様、GrüeziGrüezi! スイスドイツ語講座その1:挨拶させていただきましたが、早速使う機会はあったでしょうか?初回だったこともあり、まだまだ自信がつかないという方も少なくないでしょうから、早速スイスドイツ語講座の第2段を実施したいと思います。挨拶もできるようになったところで、今回は食卓で使う言葉についていろいろとご説明させていただきます。

 

食事をいただく前はお互いに「En guete」

 

日本でもご飯を食べる前に「いただきます」など感謝の一言を添えることを重視していますよね?これは日本以外でも同じなのですが、特にキリスト教の影響が強い諸国では感謝はご飯を作ってくれた人ではなく、平和な一日を過ごし、ご飯を食べることができるという思いを込めて神様に対して向けられます。それ故、食前にお祈りをする家庭も少なくはありません。日本にはこういった習慣がないことからピンと来ないと思いますが、ジブリの名作である「紅の豚」でピッコロさんが親戚一同と共にスパゲティをいただく前にお祈りをしているシーンでそれが上手く表現されています。そして、祈りが終わるとお互いに「良い食気を」と言います。ドイツ語ではその際「Einen guten Appetit」または「Guten Appetit」と言いますが、スイスドイツ語ではそれを省略した形状の「En guete」を使います。既に申し上げたように、これは食事を作ってくれた人など特定の人物ではなく、ご飯を食べる全ての人に対する願いを表しているため、「En guete」と言われたら「En guete」で返すのが一般的です。ただし、レストランで食事を運んでくれた店員などに「En guete」と言われることもあります。この場合は相手がご飯を食べない人であるため、同じ言葉を返すことはできませんので、「ありがとうございます」に当たる「Danke」で返事します。したがって、「En guete」は日本でいう「いただきます」とは全く別の意味を持っているものの、「召し上がれ」に近い言葉と言えます。

 「ご馳走様」は「美味しかった」で表す

 

続いて、食後の定番フレーズですが、「ご馳走様でした」に該当するようなこれといった言葉はございません。ドイツ語では「Gesegnete Mahlzeit!」(恵まれた食事)や「Wohl bekomms!」(良き消化を)などと表現することもありますが、それらは食前にも使えるため、必ずしも食後に限定されているものではありませんし、大半の家庭では日常的に使用されていません。習慣としてはむしろ食後も神様への感謝を一言添える人が多いと言えます。しかし、両親をはじめ、パートナーや同棲している恋人の作った料理を評価する「美味しかった」などのような言葉を言うのは常識です。これはレストランにおいても同様で、店員が食器を下げてもいいかを伺う代わりによく「お気に召していただけました?」と、尋ねますが、良かったと回答することが「ご馳走様」、即ち「下げても構いません」の合図になります。表現の方法は自由で様々ですが、大体の人は形容動詞を用いて「wunderbar」(素晴らしかった)、「herrlich」(見事でした)もしくは「sehr guet」(とても美味しかった)と返事します。このように、「ご馳走様」と同等な表現は存在しないのですが、料理に対する満足感を直接表して食事を終えたことを相手に伝えるのが一般的です。

「乾杯」はシーンや場面によって変わる

 

また、食事に関する言葉を語る上で忘れてはいけないのが「乾杯」です。乾杯はドイツ語で一般的に「Prost」でスイスドイツ語でも同様に「Proscht」ですが、実はそのまま使用されることは非常に稀で、多くの場合は別の表現を用います。現地に行ったことのある方なら気付いたと思いますが、「Proscht」は全くと言っていいほど誰も使わず、大半の人はお互いの健康を願う「zum Wohl!」などの言葉で乾杯しています。これは一見不思議に思われがちですが、日本でも「○○を祝って乾杯!」という使い方をすることが多いように、「乾杯」の前に乾杯する理由を付け加えられることがありますよね?ドイツ語圏ではその際の「乾杯」が省略され、「○○を祝って」や「○○を願って」に重点を置くようになったことから、スイスでも「Proscht」が登場することのない乾杯が定着したのです。しかも、祝うことや願うことは時と場面によって異なるため、乾杯で使う言葉も実に様々です。例えば、ビジネスでの成功を願って「Uf dä Erfolg!」と言ったり、結婚式であれば新郎新婦を祝って「Uf üch!」などの言葉を発したりして乾杯します。以前、スイスのビールメーカーが広告の一環として「今日は○○を祝って飲もう」と題して乾杯の際に使える数々のネタを紹介したこともあり、乾杯の言葉が如何に豊富でシチュエーションによって変幻自在であるかが伺えます。

今回はスイスドイツ語の食卓で使う言葉をご紹介させていただきましたが、ちゃんと覚えられましたか?前回の挨拶と同様に、日本ではこれらを使う機会が殆どないと思いますが、大半の日本人はお酒が好きなイメージがありますので少なくとも「Proscht」は何かのネタになるのではないでしょうか?スイスドイツ語での乾杯の言葉を初め、スイスではお互いの健康を願って乾杯するといった知識は何かと海外文化に精通している自慢になりますので、飲みに行かれる際は是非一度うんちくとして使ってみてください。

では

Bis zum nöchschte mal!

Birewegge


今回の対訳用語集

日本語 標準ドイツ語 スイスドイツ語
食事 Mahlzeit

(マールツァイト)

Mahlziit

(マールツィート)

ご飯 Essen

(エッセン)

Ässe

(エッセ)

レストラン Restaurant

(レストラン)

Reschtrant

(レシュトラント)

召し上がれ Guten Appetit

(グーテン・アペティート)

En guete

(エン・グエテ)

女性店員 Weibliche Bedienung

(ヴァイブリヒェ・ベディーヌング)

Serviertochter

(セルヴィエルトフテル)

Mutter

(ムッター)

Mueter

(ムエテル)

食器 Geschirr

(ゲシアー)

Gschirr

(クシル)

乾杯 Prost

(プロスト)

Proscht

(プロシュト)

成功に! Auf den Erfolg!

(アウフ・デン・エアフォルク)

Uf dä Erfolg!

(ウフ・デ・エルフォルク)

君達に! Auf euch!

(アウフ・オイヒ)

Uf üch!

(ウフ・ユーフ)

 

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