ひきこもり―若い世代だけの問題ではない-

ひきこもりとは、社会参加せず、自宅や自室からほとんど出てこなくなる現象と、これに該当する人のことを指します。多くは既に学生時代からひきこもりを始め、家から出なくなり、大人になっても親の家に住み続けています。きっかけは多岐にわたりますが、例えば、学校でのいじめや日本の教育制度における成績至上主義よる多大なストレスなどがあります。

ひきこもりは、多くの場合、成長してすっかり成人になった子どもをまだ養うことができる比較的裕福な中間層の問題です。そのような境遇でのひきこもりは、大抵1日中パソコンやテレビの前で過ごし、両親とのコミュニケーションは希薄になります。

両親が積極的に手を差し伸べない

 

しかし、積極的に子どもの状況を変えようと試みる両親は多くありません。その理由の1つが、日本ではひきこもりは世間体が悪いので、当然、すべてを公にしたくないという思いがあります。日本では精神的な問題は一般的に世間体を気にして避ける傾向があるため、多くの両親はどのような治療方法があるのか知らないのではないでしょうか。そのため、自然に状態が改善されるのを静観する場合が多く、ひきこもりになった人が再び社会復帰できるまで何年もかかることがあります。

ひきこもりの高齢化

 

両親が何も対策を講じないと、子どもは両親が亡くなるまで親元で暮らす、ということになるかもしれません。また、当初はきちんと就労していたのに、何かのきっかけで職を失い、その後新たな職を見つけることができず、再び親元に戻るといったケースもあります。

日本には失業保険や社会扶助がありますが、多くの人にとってそのような支援を申請するのは恥だという意識があります。両親の死亡後、ひきこもりは独りで生きていかなければなりません。ソーシャルワーカーは支援を求められない限りは介入することができないため、中高年のひきこもりの孤独死が増加しています。

ひきこもりの調査では40歳以上の中高年は対象外とされることから、実際にどの程度深刻な問題なのかを示す具体的な数字はありません。また、多くの支援プログラムは若者を対象としています。

オンラインコミュニティーを通して社会復帰へ?

 

コロナ禍はひきこもりの状態にポジティブな影響を与えることはないと考えられ、むしろ逆にひきこもりの数が増加することが懸念されます。日本は、年々深刻化するこの問題に真摯に取り組み、専門家に助けを求めることは恥だという意識を改めるべきです。改善へのひとつの出発点として、ひきこもりとその親族のためのオンラインサービスがあります。専用のオンラインプラットフォームで当事者同士が交流し、場合によっては実際に会うこともありますこれが社会復帰への第一歩となるかもしれません。

みなさんはひきこもりの問題に直面したことはありますか?もし自分の子どもが社会から孤立してしまったらどう対処しますか?


ドイツ語版

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Hikikomori – Nicht nur ein Problem der jungen Generation

 

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