Wuchetag スイスドイツ語講座その7:曜日

皆様、お久しぶりです!スイスドイツ語は上達していますでしょうか?

本ブログではドイツ語レベルや目的を問わず、なるべく現地で役立つスイスドイツ語を中心に採り上げるようにしています。したがって、今回もスイスに行ったらすぐに使えて短時間で感覚が身に付く実践的な内容と言える「曜日」の表現をご紹介いたします。

読者の中には曜日を一度も口にすることなく観光を楽しめる自信を持っておられる方も少なくはないと思います。しかし、インターネットなどを通じて事前に確認をしない限り、施設が祝祭日でいきなり休業しているということもあり得るので、曜日を知っておくことは現地での情報収集にも欠かせないと言えます。したがって、今回は曜日に関するお話をさせていただきます。

 

 

曜日の名称

 

曜日を語る上でまずご理解していただかなければならないのが、それぞれの名称の起源です。

皆様も既にご存知だと思いますが、曜日は国や言語によって例外はあるものの、基本的には地球から見た天球上の7つの天体である七曜に由来します。具体的に言うと太陽、月、火星、水星、木星、金星、土星の計7つの天体がそれぞれの曜日の名前の起源で、日本語ではそれらがそのまま使用されていますよね?

しかし、欧米諸国の言語ではそれらの天体を司る神々の名前に因んで付けられている傾向があります。これはドイツ語を含むゲルマン系の言語でも同様ですが、使用されている呼び名が北欧神話に登場する神々という点でフランス語やイタリア語などのロマンス諸語と大きく異なります。つまり、ローマ神話で七曜を司る神である「ソル」(Sol)、「ルナ」(Luna)、「マルス」(Mars)、「メルクリウス」(Mercurius)、「ユピテル」(Jupiter)、「ヴェヌス」(Venus)、ならびに「サトゥルヌス」(Saturnus)がロマンス諸語で曜日の名称に取り入れられているのに対し、ゲルマン系言語においては、太陽と月以外は「テュール」(Tyr)、「オーディン」(Odin)、「トール」(Thor)および「フリッグ」(Frigg)などの神がそれらの名の由来になっているのです。

また、一部の曜日に関しては土曜日がヘブライ語で安息日を意味する「シャバット」(šabbāth)を語源としているなど、宗教上の理由やその他の影響で表現を若干変えているものもあり、一貫性が乱れていることに注意する必要があります。

 

 

 

ドイツ語圏における曜日

 

曜日の名称に関する基本を学んだところで、それらがドイツ語圏でどうなっているかを詳しく見ていきましょう。そのためにまず以下の表をご確認ください。

 

  ドイツ語 スイスドイツ語
日曜日 Sonntag

(ゾンターク)

Sunntig

(スンティク)

月曜日 Montag

(モンターク)

Mäntig

(メンティク)

火曜日 Dienstag

(ディーンスターク)

Ziischtig

(ツィーシュティク)

水曜日 Mittwoch

(ミットヴォッホ)

Mittwuch

(ミットヴッフ)

木曜日 Donnerstag

(ドンナースターク)

Donschtig

(ドンシュティク)

金曜日 Freitag

(フライターク)

Friitig

(フリーティク)

土曜日 Samstag

(ザムスターク)

Samschtig

(サムシュティク)

 

既に申し上げたように、スイスドイツ語などドイツ語圏はゲルマン系言語に数えられるため、日曜日は太陽(Sonne)の日(Tag)で、月曜日を月(Mond)の日(Tag)としており、火曜日から金曜日は北欧神話の神々に因んだ名前になっています。とはいえ、それらに用いられているのはそれぞれのドイツ語名、即ち「ツィーウ」(Ziu)、「ドーナール」(Donar)、「フリーヤ」(Frija)ですので、北欧言語とは言い方が少々異なります。さらに、水曜日は本来「オーディン」の日になる筈ですが、ドイツ語で「週の中間」を意味する「ミッテ」(Mitte)と「ヴォッへ」(Woche)を組み合わせた言葉を使います。そして、土曜日に関しても土星ではなく、キリスト教の影響で安息日を指す表現に置き換えられています。

したがって、ドイツ語圏における曜日の名称は同じゲルマン言語の流れを汲む英語に近いと言えますが、水曜日と土曜日に差異があることに気を付けなくてはなりません。ただし、表を見ても分かるように、ドイツ語とスイスドイツ語ではそれぞれの言い方が統一されていますので、唯一の違いは発音ぐらいです。

 

 

実際の会話で使う曜日は混乱を招く!?

 

皆様の中には上記の表を見て、「なんだ、今回のスイスドイツ語講座はいつもより難易度が低いな」と、思った方もいるのではないでしょうか?

確かに、曜日だけを覚えるのであれば難しくはありませんが、それらを日常生活において実際の会話で使う際に混乱が生じやすいことに注意する必要があります。ドイツ語圏で生活したことのある人なら誰しもが「言われてみれば混乱したことがある」という経験を持っていて、共感できますよね?しかし、運よくそのような事態に遭遇しなかった方もいると考えますので、会話の中の曜日ならではの問題を詳しくご紹介いたします。

日本語では「今週の○曜日」、「先週の○曜日」、「来週の○曜日」など誰が聞いても誤解しない表現を用います。ところが、ドイツ語でそれらを表す時、「ディーセン・○○」(diesen …)、「レッツテン・○○」(letzten …)、「ネクステン・○○」(nächsten …)と言います。つまり、「今週の・先週の・来週の」ではなく、「この・この前の・次の」と、少々曖昧な言い回しをしているので、会話ではお互いが認識している曜日が異なる場合があるのです。

具体的な例を挙げますと、水曜日に「レッツテン・モンターク」(letzten Montag)、即ち「この前の月曜日」と言えば、それが先週の月曜日なのか、一昨日の月曜日なのかはっきりしていません。また、同じ水曜日に「ネクステン・フライターク」(nächsten Freitag)、即ち「次の金曜日」の話をすると、「13日の金曜日」などのように文脈から確実なヒントを得ない限り、それが今週の金曜日なのか、それとも来週の金曜日を指しているのか分からないこともあります。それ故、ドイツ語では「来週の金曜日ではなく明後日の金曜日だよ」と、補足を付け加えることも多いです。

 

 

 

スイスドイツ語が持つ更なる問題点

 

スイスドイツ語でも「今週の・先週の・来週の○曜日」をそれぞれ「デ・○○」(dä …)、「レチュテ・○○」(letschte …)、および「ネフシュテ・○○」(nöchschte …)で表すため、標準ドイツ語での会話と同様の誤解を招く場合があります。つまり、「レチュテ・メンティク」(letschte Mäntig)が今週の月曜日か先週の月曜日か不明で、「ネフシュテ・フリーティク」(nöchschte Friitig)が今週の金曜日なのか来週の金曜日なのか確実に言えない時があるのです。さらに、スイスドイツ語では標準ドイツ語と違って、指示代名詞である「ディーセン」(diesen)と定冠詞「デア」(der)の両方に関して「デ」(dä)を使う地域が多いです。これはドイツ語文法を理解していないとピンと来ない方もいるでしょうが、例えばスイスドイツ語で「デ・ミットヴッフ」(dä Mittwuch)と言えば、「この水曜日」(diesen)と一般的な「水曜日」(der)のどちらを指しているか見分けられないということです。

実際の会話では前後の内容でそれが明らかになって、誤解することは殆どありませんが、中には「(一度限りの)この水曜日」を「水曜日(全般)」と勘違いしてしまうケースも少なくありません。この点に関しましては指示代名詞を使用する必要がない日本語と共通していますので、皆様もよく知っている現象です。普段、「火曜日は休み」などのような言葉を聞いて迷うことはないでしょうが、理論上はそれだけで「今週の火曜日のみ休み」、それとも「毎週火曜日は休み」、つまり一度限りのことか毎週のことかを指しているか不明確なため、誤解する可能性はないと言い切れません。

 

さて、今回は曜日についてのお話をさせていただきましたが如何でしたか?

新たに用語として加わった内容は難易度が比較的低いので、皆様もすぐに慣れると思います。ただし、ご説明した通り、それらを実際の会話で使おうとすると決して簡単ではなく、伝えたかったことが伝わっていない、または相手が言ったことを正しく理解していないということもあります。特に曜日など時間に関する内容は人によって感覚が異なるため、会話ではお互いの認識にズレがあるのも不思議ではないです。

私自身も日本での生活において「昔」という言葉に度々悩まされます。私の中では「昔はよかった」などの表現のように、「昔」を「ずっと前」と解釈しています。しかし、最近の若者はつい先日の出来事に対して「昔」を使う傾向があるので、「え?この間のことを言っているの?」と、会話が通じない経験を何度かしました。どうやら言語というものは自分が思っている以上に複雑ですが、そのような体験は自分を成長させてくれるチャンスでもあります。したがって、皆様も会話が通じない場合は諦めず、前進する意欲を持って頑張ってください。

 

では

Bis zum nöchschte mal!

Birewegge

 

 

今回の対訳用語集

日本語 標準ドイツ語 スイスドイツ語
曜日 Wochentag

(ヴォッヘンターク)

Wuchetag

(ヴッヘターク)

太陽 Sonne

(ゾンネ)

Sunne

(スンネ)

中間 Mitte

(ミッテ)

Mitti

(ミッティ)

簡単 einfach

(アインファッハ)

eifach

(アイファッハ)

混乱 Verwirrung

(フェアヴィルング)

Verwirrig

(フェルヴィリク)

今週の diesen …

(ディーセン)

dä …

(デ)

先週の letzten …

(レッツテン)

letschte …

(レチュテ)

来週の nächsten …

(ネクステン)

nöchschte …

(ネフシュテ)

誤解 Verwechslung

(フェアヴェヒスルング)

Verwechslig

(フェルヴェフスリク)

見分ける auseinanderhalten

(アウスアイナンダーハルテン)

usenandhalte

(ウセナントハルテ)

 

 

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