ドイツのお隣の国、スイスのことばSchwyzertütsch

「ドイツ語と言えばドイツでしょう」と思っているそこのあなた!

ドイツ以外の国でもドイツ語は使われています。初めまして、スイス育ちのChuchichäschtliです! 今回から主にスイスネタのブログを担当しますので、よろしくお願いしますね!

まずは、スイスをイメージしてみましょう!

 

今回は、まずはドイツの隣の国スイスの基本的な情報からご紹介したいと思います。スイスはドイツに加え、フランスやイタリア、オーストリア、リヒテンシュタインと5つの国に囲まれています。面積は41’285㎢で、九州くらい (国土地理院ホームページ参照)。人口は約850万人。スイスは多言語国家で、国語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語です。そのうちドイツ語を話す人は60%以上と大半です。(フランス語話者は20%強、イタリア語話者は10%弱、ロマンシュ語話者は0.5%。スイス連邦外務省ホームページより

このようにスイスについての情報をただ並べても、いまいちイメージが湧かないかもしれません。しかし、「アルプスの少女ハイジ」の世界を想像してみてください。一気にスイスアルプスの世界が身近に感じられませんか。

高畑勲監督のこの作品、多くの日本人に親しまれていますが、スイスでも馴染み深い作品です。なにせ、アニメの主題歌をもじった替え歌は、スイス出身の筆者も小学校時代によく耳にしていましたから(もちろんドイツ語版は日本のアニメとはメロディーも歌詞も違います)。

原作はスイス人作家Johanna Spyriさんがドイツ語で書いた小説「Heidis Lehr- und Wanderjahre」(1880)と「Heidi kann brauchen, was es gelernt hat」(1881)。最初の作品が出てから約140年経っていますが、今読んでもかなり楽しめます。筆者も最近読み直しましたが、アニメ以上に奥深く波乱に富んでいて、とても面白いです。

スイスで話されている“特殊な”ドイツ語Schwyzertütsch

 

さて、スイスで話されるドイツ語と言えば、「スイスドイツ語(Schwyzertütsch = Schweizerdeutsch)」が思い浮かぶのではないでしょうか。日本でドイツ語を勉強してからスイスへ行ったのに、実際に行ってみたら何を言っているのかさっぱり分からなかった、という経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。ドイツ人でもスイスドイツ語の習得に苦労する、と説明すれば納得してもらえるでしょうか。そのくらい2つのことばは違います。

では、スイスドイツ語とは一体どんなことばなのでしょうか。実は、スイスのドイツ語圏内には地域や州(Kanton)ごとに様々な方言が存在していて、これを総称してスイスドイツ語と呼んでいます。例えば、チューリッヒであればZüritüütsch (=Zürichdeutsch)、ベルンであればBärndütsch (=Berndeutsch)などが含まれます。それなら、学校の授業はどのことばで行われるのか、異なる地域のスイス人同士はどうやって会話するのか。気になるかもしれません。

まず、学校の授業に関しては基本的に標準ドイツ語(Hochdeutsch)で行われます。教科書はもちろん標準ドイツ語で書かれていますし、生徒たちが書く文章もそうです。話し言葉も、標準ドイツ語がルールです。しかし、家庭や友達同士の会話ではスイスドイツ語を使っているため、生徒も先生も授業中にスイスドイツ語になってしまうことも珍しくありません。私自身も友達との会話など、授業中でも当然のように使っていました。むしろ、標準ドイツ語を使うことの方が少し照れ臭いくらいでした。

では、別の地域やKantonのスイス人と話す時に、標準ドイツ語を使うかと言えば、これもそうではありません。多少発音や単語が違っても、スイスドイツ語同士であれば十分に通じ合えるからです。日本の方言に置き換えてみても、やはり自分の地元のことばが一番落ち着いて話せるのではないでしょうか。もしそうであれば、とてもシンパシーを感じます。

スイスドイツ語について、少しイメージが湧きましたでしょうか。これを機会に、ドイツ以外のドイツ語圏にも少し興味を持ってもらえたなら、この上なく嬉しいです。

トランスユーロ株式会社加藤会長秘蔵の初心者向けスイスドイツ語の本
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私のペンネームについて

 

ちなみに私のペンネームのChuchichäschtliも有名なスイスドイツ語です。強烈な「ch」の三連発でドイツ人でも発音しにくい単語ですが、どんな意味で、標準ドイツ語では何というか分かりますか? 答えは次回の私のブログで紹介しますね。

„Uf Widerluege!“

(スイスドイツ語で「さようなら」。ドイツ語では、“Auf Wiedersehen!“)

Chuchichäschtli


参考ホームページ

 

スイス連邦統計局

国土地理院

スイス連邦外務省

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