ドイツの明かりは暗い

ドイツの室内照明が暗いことをご存じですか?個人的な経験ですが、ドイツで生活しているときに、部屋の明かりの暗さに慣れなかったので、自室の電球を100ワットにしていた時期がありましたが、ドイツ人の友人を家に招待したときに、部屋に入るなり「明るすぎる!」と驚かれました。そしてさらには、隣の家の住人からまでも「お宅の電球が明るすぎて、うちまで光が入ってくる!ワット数を落とすか、雨戸をしめてくれ」と苦情が入ったのです。ドイツ人はなぜこんなにも明るさに敏感なのだろうと首をひねりました。実際にドイツでは日中に電気をつけることはまれで、夕暮れ時に部屋の中が薄暗くなっても、なかなか明かりをつけません。夜も薄暗い電気の中で過ごします。街には日本の繁華街にあるような煌々としたネオンなどもあまり見かけません。暗い部屋でも明かりをつけないドイツ。どんな理由があるのでしょうか。

電気をつけないドイツ生活

 

ドイツの気候は、冬が長く、日照時間も短いです。また天気の悪い日も非常に多く、日本からドイツへ引っ越して生活を始めると、まず、その気候の悪さに驚かされます。11月ともなれば曇天、雨の日も多く、陰鬱な天気の中、気持ちも消沈してくること間違いなしです。このような光の少ない環境のドイツですが、ドイツ人は日本人ほど電気をつけません。一般家庭のみならず、学校、オフィスなども、日中は自然光で過ごし、必要最低限で電気を使用しています。そして、蛍光灯が家庭内で使われていると、教室やオフィスのようで落ち着かないそうで、家庭内では暖色系の白熱電球や、間接照明の使用が好まれています。一方、日本では、日中でも学校、オフィスでは蛍光灯を必ずつけていますよね。家庭内でも蛍光灯を使用しますし、さほど躊躇なく電気をつけているのではないでしょうか。暗い部屋なら電気をつけるのは、ごく普通のことのように思いますが、ドイツでは違うようです。

 

節約精神?ムード重視?

 

ドイツ人は合理性を重んじる倹約家といったイメージがありますが、この電気の使用に関しても節約精神からくる習慣なのでしょうか。環境保護意識が高いといわれるドイツなので、電気も節電のため使用を控えている-納得できる行動です。実際に節電によるエネルギー政策(Stromspar-Check)も2009年以降から行われており、成果をあげています。ドイツ人は部屋の明かりを控えめにして、ろうそくなどを灯し、ムードを楽しんでいるという話も聞いたことがあります。しかし、この部屋の明かりに関しては、さらに別の事情もあるようです。

瞳の色

 

ドイツ人が電気をつけない理由は、どうやら瞳の構造にもあるようです。欧米人の瞳は、黒い瞳よりも、光をまぶしく感じているという研究報告があります。虹彩という角膜と水晶体の間にある薄い膜(瞳孔の周りの部分)の組織に含まれるメラニン色素の量で目の色が決まり、黒みが多いほど光を通しづらいという特徴があるのです。つまり、虹彩の色が薄い人が多いドイツでは、光をまぶしく感じる人が日本より多いということですね。

 

瞳孔の周りの青い部分が虹彩です
瞳孔の周りの青い部分が虹彩です

 

そういわれてみると、例えばサングラスは、日本ではファッションの一部としての側面が大きいですが、欧米では日光から目を保護する実用的な役割の方が大きいようです。ドイツの室内では、間接照明やろうそくでムードを出すことで、部屋の居心地の良くするといいますが、一面では、目への刺激を減らすことも含めての居心地の良さなのかもしれません。電気をつけない理由には、節約やムード作りに加えて、このような側面もあるようです。

異文化と触れあう中では、文化的な背景だけでなく、このような身体的な違いが背景にあることが、意外と見落とされている場合もあるかもしれませんね。

 


 

参考HP

 

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