チューリッヒの春の祭り

日本の春といえば、「桜」をイメージされる方も多いのではないでしょうか。私も、毎年この季節になると桜の開花予報を楽しみにしています。

では、スイスの春はどうなのでしょうか。今回は私が生まれ育ったチューリッヒの町の春の訪れを感じるお祭りを紹介したいと思います。

SechseläutenまたはSechsilüüte

 

毎年4月になると、チューリッヒの町で春のお祭り「Sechseläuten(ゼクセロイテン)」が行われます。Sechseläutenというのは標準ドイツ語の発音で、地元チューリッヒのスイスドイツ語では「Sächsilüüte(セクシリュータ)」と言い、Sächsiはスイスドイツ語で「6時」を意味し、lüüteは鐘などが「鳴る」ことを意味します。

このお祭りは、金曜日から週末を通して月曜日まで4日間に亘って行われるのですが、ハイライトは月曜日に行われる(職業組合)のパレードと、その後で行われるBööggと呼ばれる雪だるまを燃やすイベントです。どちらもテレビ中継されるので、自宅からでも楽しめます。

伝統感じるパレード

 

月曜日の午後になると、伝統衣装を身にまとった人々が音楽隊を引き連れ、町中を練り歩きます。練り歩いているのは、中世のチューリッヒの大きな存在だったZunftと呼ばれる職業組合の代表者などであり、それぞれZunftの紋章を身につけたり、旗を掲げたりしています。沿道には多数の観客が詰めかけ、パレードを目と耳で楽しむだけでなく、参加者に花を差し入れる姿などもよく見られます。

このZunftの存在、実はSechseläutenの名前にも関わっています。昔は冬の間、外が暗いため夕方5時までしか働くことができなかったのですが、夏場は日が出る時間がより長くなり、夕方6時の鐘とともに終業時間が知らされていました。春の訪れを祝う祭りの名前が6時の鐘を意味するのはこういったところからだそうです。

 

Chuchichäschtli自作の雪だるまのイラスト
Chuchichäschtli自作の雪だるまのイラスト

 

最後のハイライト:Böögg爆発

 

そして、夕方6時になるとチューリッヒのゼクセロイテン広場でいよいよ最後のメインイベントが行われます。高さ10メートルに積み上げられた木材の上に乗った3.4メートルのBööggと呼ばれる雪だるまの人形が周囲の注目を集めます。6時の鐘とともに、木材の山が点火され、その周りを騎馬隊が走り、そこに音楽も加わり会場を盛り上げます。

冬を象徴する雪だるまの方へ火がどんどん燃え広がります。雪だるまには火薬が詰められており、その頭が爆発するまで何分かかるかを予想するのが、ポイントです。時間が短ければ短いほど、気候の良い夏になると言われています。

ちなみに、祭りの後にはこのBööggの火を使って、参加者たちが持参のソーセージを焼くのが恒例になっているそうです。

今回はチューリッヒ育ちの私にとって、日本の桜と同じくらい春に欠かせない存在である

春の祭りSechseläutenを紹介してみました。皆さんが春の訪れを感じるのは、どんな時でしょうか。

Uf widerluege!

(それでは、また。)

Chuchichäschtli

 


参考ホームページ

 

 

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