ドイツで目にする日本語 食品編

日本語には多くの外来語が存在しており、ドイツ語からも多くの語彙を受け継いでいます。医療用語、音楽用語、山岳用語…今日では英語から日本語化している語彙が多いですが、明治維新時代にドイツ文化を取り入れた影響による〝日本語化したドイツ語″は今日でも様々な分野で根付いています。

一方、ドイツで使われている日本語にはどのようなものがあるのでしょう?今日はドイツで根付いている、日本語をいくつか食べ物に絞ってお届けします。

定番のネタはサーモンやカリフォルニアロール。内陸国ですからね…。
定番のネタはサーモンやカリフォルニアロール。内陸国ですからね…。

 SUSHI

 

世界中に広まった日本食の代表選手ともいえる寿司ですが、例にもれずドイツでも大人気です。ドイツの大都市でお寿司を食べられない街はまずありませんし、中規模の都市にある中央駅のデリにもお寿司のお店を見つけることもあり、ドイツで広く市民権を手にしている日本料理です。ドイツのスーパーで冷凍のお寿司セットが売られているのには流石にびっくりしたことがあります。

ゲームのミカド
ゲームのミカド

MIKADO

 

何のことかわかりますか?帝(みかど)ということば自体、今日の日本では使うこともまれですが、これ実は帝や天皇のことではなく、ドイツ、もといヨーロッパで発売されているグリコのポッキーの商品名なのです。

そもそもミカドとは、ヨーロッパ発祥の竹ひごを使ったテーブルゲームです。おそらく、この竹ひごが、易占で使われる筮竹(ぜいちく)に似ていることから日本が連想されてゲームの名前となったのでしょうが、この筮竹がさらにヨーロッパで発売されるポッキーの形に似ていることで商品名となったわけです。連想ゲームのさらなる連鎖ですね。

HOKKAIDO

 

こちらも北海道そのものを指しているのではなく、カボチャの品種のひとつの名前です。ドイツで見かけるカボチャは、こちらのホッカイドウが主流です。皮までオレンジ色のこのカボチャは、日本では赤皮栗かぼちゃという名ですが、日本で見かけることはめったにありませんね。ネーミングの起源は諸説あり、札幌で幼少期を過ごしたミュンヘン在住の日本人が1993年にこの種を輸入したのが始まりという説もありますが、真偽のほどは定かではありません。しかし90年代からヨーロッパ中で広まったこのカボチャ。北海道が日本の地名とは知らずとも、カボチャであることの認知度は高いようです。日本でいうところのフランクフルトソーセージみたいなものでしょうか。

KOMBUCHA

 

ドイツのスーパーでたまに見かけるKOMBUCHA(コンブチャ)。えっ、ドイツでも昆布茶が飲めるんだ!と思って飲んでみても全くの別物ですよ。このコンブチャは、日本でいうところの紅茶キノコです。昭和40年代から昭和50年代初頭にかけて大ブームとなったなつかしの健康食品、昨今ではアメリカのセレブの間で大流行したそうで日本でも2,3年前に逆輸入という形で少々ブームだったとか。名前の由来は、おそらく英語話者が、紅茶キノコに発生するゲル状のものを海藻と誤解し、昆布茶と混同したとの説があります。

紹介した語彙以外にも、不思議な日本語を海外で見かけることはよくあります。ドイツ語で外来語として扱われる日本語は2008年時点で約500個にのぼるそうです。

様々な誤解や、連想を経て外国で生き延びている日本語をみると、可笑しくもあり愛おしく感じませんか?


 

参考HP

 

 

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