ドイツの温泉

ドイツの一般家庭にはバスタブがあっても、入浴頻度は少なく日本と違った入浴習慣がありますが、実は日本同様、温泉地は意外とたくさんあり、温泉大国のひとつに数えられています。サウナやスパを楽しめる保養地も多くありますが、入浴方法は日本と違って、水着着用で入る温泉や全裸で混浴のサウナなど、バラエティ豊か。毎日の入浴にはあまり時間をかけないドイツ人ですが、温泉となるとまた話は別のようです。

ドイツ国内の温泉地‐Termalbad

 

Bad-ドイツ語で入浴、温泉、湯治場を意味することばで、ドイツ国内にある温泉地の地名にはこのBadということばがついています。例えば、バーデン=ビュルテンブルク州にある世界的にも有名なBaden-Baden(バーデン・バーデン)は、ローマ帝国時代からの伝統的な高級温泉保養地、フランクフルト近郊の町Wiesbaden(ヴィースバーデン)は、文豪ゲーテや、ドストエフスキーも訪れたという有名な温泉地です。Bad-Füssing, Bad-Schönborn, Bad-Homburg…などなど、町は小さいながらも人気のある温泉地が数多くあります。

また、ミュンヘン近郊にあるスパ、テルメ・エアディング(Terme Erding)は、世界最大の規模を誇り、ドイツ国内でもその人気はナンバーワン。このようにドイツ国内には伝統的な温泉地から、プールやサウナなども備えた複合施設のスパなど、国内には240もの施設が存在しています。

ドイツの温泉文化

 

ドイツの温泉の特徴といえば、日本の温泉と違い、温度が幾分低めです。しかしその効能は心臓や循環器、関節、呼吸器の障害、リューマチ、代謝疾患など様々な疾患に効き、また温泉水を飲む「飲泉」も根付いています。温泉地にカジノがよくあるのも、西洋の温泉文化の特徴かもしれませんね。

また、男女分かれて入浴するという施設はおそらくほぼ皆無で、混浴が一般的のようです。水着を着用できる施設とできない施設はありますが、サウナは着用不可。混浴で、タオル一枚で入室するのが基本スタイルです。これは日本人には少しハードルが高いかもしれませんね。

日本も世界屈指の温泉文化を誇りますが、ヨーロッパでも古くから、古代ギリシアからローマへと広まった大衆浴場の文化が根付いていました。しかし、ローマ帝国の衰退を経て、水道管理も低下し、不衛生な場とみなされ、また同時にキリスト教文化が広がり、このような浴場が混浴であったことから、肉欲につながり人間を堕落させる場と中世教会がみなし、大衆浴場の文化が廃れていた時代もありました。

今日では、保養地としてだけでなく、一大レジャー施設としてのスパも増加しているドイツの温泉事情。開放的な場で身体を癒すことで心も癒されそうですね。


参考HP

 

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