ドイツ語圏の苗字

個人を表す名前である人名には、いわゆる苗字(姓)と名前がありますが、ドイツ語圏の苗字といえばどのような苗字をご存じですか?またドイツではいつ頃から苗字が一般社会でも浸透し始めたのでしょう?今回はドイツ語圏の苗字についてお届けします。

ドイツで苗字が定着したのは?

 

日本では、国民が公的に苗字を持つことが義務付けられたのは、明治維新の時代の1975年で、例外はあるものの、武士や公家以外は苗字を名乗ることは原則禁じられていました。一方、ヨーロッパでは中世9世紀のベネチアを起点として、異名や別名が発展した形として、苗字の命名が定着し始めます。これは、封建時代の確立によって、貴族らが土地を世襲で相続するため、親子関係をはっきりさせる必要性が生まれたからでした。また、人口の増加、法的な契約書、公的文書作成の機会が増えたために成立した制度なのです。

12世紀ごろには西ドイツ、南ドイツにも拡がり、富裕市民階級や市民は貴族に遅れて、苗字を持つようになりました。この時代の苗字は、現在の制度と違い、家族での継承はなく、変更も可能でした。農村地帯には、17、18世紀まで苗字を持たず、北海沿岸のフリースラントでは19世紀になって初めて苗字が導入されたそうです。

中世イタリアからヨーロッパ各地へと伝播した苗字の制度ですが、実際にはローマ帝国時代には、一般市民も苗字をもっており、ローマ帝国崩壊で一旦廃れた社会制度でもありました。

ドイツ語圏の苗字の由来

 

さて、ではドイツ語圏の苗字にはどのような由来があるのでしょうか。ドイツ系の苗字の人口数ランキングトップ10は、全て職業を表す苗字なのです!一位から順にご覧ください。

  1. Müller(粉屋)
  2. Schmidt(鍛冶屋)
  3. Schneider(仕立屋)
  4. Fischer(漁師)
  5. Weber(織物屋)
  6. Meyer (小作人)
  7. Wagner (馬車製造者)
  8. Becker (パン屋)
  9. Schultz (村長、町長)
  10. Hoffmann (農場所有者)

職業を見てみると何だか中世ヨーロッパの街並みをイメージしてしまうのは私だけでしょうか。ドイツの苗字はこのように、苗字の命名が始まった頃の職業に由来するものが多くあります。

その他には、人の特徴を表した苗字(Klein/小さい、Neumann/新人)や、地名や地形が由来となる苗字、(Berger/山)や、出身地を表す苗字(Frank/フランケン地方から)などがあります。さらには、父または母の名を一部につけた苗字、例えばMendelssohn(メンデルスゾーン)などは有名な苗字ですが、実は「メンデルの息子」という意味なのです。

日本の苗字はおよそ30万種、ドイツの苗字はおよそ80万種存在するといわれています。日本の方が人口は多いのに、ドイツの方が苗字のバリエーションが多い理由には、ドイツが移民を多く抱えていることが大きな理由のようです。


参考HP

 

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