ドイツを襲う熱波!エアコンなしで生き延びられる?

今年の日本の夏も殺人的な暑さが続いていますが、ドイツでも今年の夏は猛暑日が続いているようです。もともとドイツの夏は日本とは違い、日差しは強いものの日陰では涼しく、ほどよい暑さの日々が続き、年によっては薄手のセーターを着なければいけないほど肌寒い日もあるような夏。しかし近年は温暖化の影響か、猛暑日が続く夏が増えているようです。

 

 

 

観測史上ドイツで最も暑い夏は?

 

日本のここ20年における7月、8月の平均気温は、7月で約26度、8月は26.5度です。一方ドイツの同時期の平均気温はおよそ18度~19度と日本の夏ほど暑くないのですが、それでも熱波、猛暑日が発生する頻度は年々増えているのが現状です。なかでも2003年の夏は西ヨーロッパの広範囲を熱波が襲い、熱波による欧州全体の死者数は7万人ともいわれ、1540年以来の記録的な暑さとなりました。また2018年、2019年の猛暑も記録的で、2018年の熱波によるドイツ国内の死者は、およそ2万人にものぼりました。また、観測史上ドイツで最も暑かった日は2019年の7月25日、ノルトラインヴェストファーレン州のふたつの観測地点で41.2度を記録しました。このように近年のヨーロッパ、ドイツも日本の夏に近い酷暑が増えていますが、冷房設備に関しては日本と全く違う現実があります。

 

ドイツでは気軽にピッとはいかないようです

 

 

ドイツでエアコンは基本設備ではない

 

高温多雨の日本と違い、気温も湿度も低めで冬の期間が長いドイツ。セントラルヒーティングはどのような施設や家屋でも必須の設備ですが、冷房設備がある建物はごく限られていて、デパートや銀行、大きめのスーパーなどにはありますが、一般家庭ではめったにお目にかかりません。とある調査によると、2015年の時点でドイツ一般家庭の冷房設備の普及率はおよそ3パーセントでした。気温が30度以上に上る場合、窓も雨戸も閉め切れば多少暑さを凌げるのは、密閉性の高いドイツの家屋と湿度が低いおかげかもしれませんが、40度近くになるともうお手上げです。ドイツで酷暑になった場合には、エアコンが一般的に普及している日本以上に過酷な夏であることは間違いありません。

しかしなぜエアコン、冷房が普及しないのでしょうか。第一には気候的に必要がないのは当然かもしれません。そして設備費用の高さ、さらには環境に良くないというのも普及しない理由であり、このあたりは実にドイツ的な意見にも思えます。しかし、近年増え続ける猛暑に対し、エアコンの普及率は徐々にあがっており、2050年には25パーセントにも及ぶとの予測調査もあります。

 

2022年も既に猛暑日があったドイツ。7月21日にはバーデン=ビュルテンブルク州で40.3度を記録しました。過ごしやすく、ちょうど良い暑さの夏というものは世界中から姿を消しつつあるのでしょうか。

 

 


参考HP

  • Die heißesten Sommer in aller Zeiten: Hitzerekorde in NRW WAZ

https://www.waz.de/panorama/hitze-in-nrw-das-waren-die-heissesten-sommer-aller-zeiten-id232568141.html

  • 気象庁

https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s3.php?prec_no=44&block_no=47662

https://wetterkanal.kachelmannwetter.com/liste-von-hitzerekorden-in-deutschland/

  • ヨーロッパ熱波(2003年)Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%91%E7%86%B1%E6%B3%A2_(2003%E5%B9%B4)

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