ドイツ人が大好きなウアラウプ(休暇)

 

ドイツ人にとって、ウアラウプ(Urlaub)つまり休暇を取ることは、仕事と同じ位、大切な意味を持っています。

 

有給休暇を取得する権利

 

 

ドイツの会社員や公務員は、年に最低24日間有給休暇を取得できる権利があります。有給休暇を取るには、雇用主の許可を得る必要がありますが、ドイツでは有給休暇を取ることが当然の権利として定着しているので、早めにきちんと申請すれば、大抵問題ありません。皆、当たり前のように休みを取るので、上司や同僚に気を遣う必要も一切ありません。年最低24日の有給休暇を消化しきれなかった場合は、理由を述べて、余った有給休暇を翌年に持ち越すことも可能です。
旅先で「年間の有給休暇が残っていて、消化しないといけないから、今旅行に来ているんだ」というドイツ人に会うことがあります。なんとも羨ましい限り。
ただし、これは時間とお金に余裕のある独身貴族に該当することが多く、家庭持ちの従業員は、子供が病気になった時など家族のために有給を使うケースが多いため、有給休暇が余って困るといった贅沢な悩みとは無縁のようです。

 

どんな種類の休暇があるの?

 

一般的にドイツ語の「ウアラウプ(Urlaub)」は、休養のための(有給)休暇を指しますが、他にもBildungsurlaub(教育休暇)やSonderurlaub(特別休暇)などの有給休暇の種類があります。教育休暇は、職業上の継続教育を受けることを目的に、雇用主が従業員に許可する有給休暇のことで、各州によって定められている日数は異なるものの、だいたい年間5日ほどの教育休暇(有給)を取得できます。特別休暇は、例えば子供の出産や親族のお葬式などの特別な事情がある場合に限り申請できる有給休暇です。教育休暇や特別休暇は、年間最低24日の有給休暇には含まれず、それとは別に認められる有給休暇です。

その他にも、ドイツの会社員や公務員には、子供が生まれてから満三歳になるまでの間(つまり最長36ヶ月)にElternzeit(親の時間)と呼ばれる育児休暇を取得できる権利もあります。育児休暇で休職している間は、雇用主から給与は支払われません。その代わりに国が支給するElterngeld(両親手当)(2007年から導入)を最長14か月間(手当の半額を受給する場合は最長28か月)受け取ることができます。この制度が導入されたのは2007年ですが、これを機にドイツでも育児に積極的に参加するイクメンが急増しました。

 

有給休暇のメリット

 

 

しっかりと休暇を取ってリフレッシュし、新たなエネルギーをチャージした従業員は、仕事でも集中力が上がり、仕事の効率がアップすると言われています。そのためには、ただ休みを取って家でゴロゴロするのではなく(どうしても仕事のことを考えてしまうため)、とにかく職場から空間的に距離が離れたところで休暇を取ることが良いのだそう。ただし、期間が2週間を超えると、リフレッシュ効果が落ちてしまうため、一気に1か月間の長期海外旅行をしても、あまりリフレッシュ効果は期待できないようです。ドイツの専門家は、2週間程度の長期休暇を年に1回取り、残りの有給休暇は複数回に分けて、短期旅行に行くことを推奨しています。

今、私の周りでもV子さんは現在ギリシャのクレタ島。そしてAさんは来週からオランダに数日間行く予定だそう。みんな本当にしょっちゅう旅行に出掛けています。旅行に行くために働いているの?といった人も少なくありません。

しっかりと休暇を取り、新たなエネルギーをチャージして、また仕事に取り組む。ドイツ人の仕事の効率が優れているのは、きっとウアラウプによるところが大きいのでしょう。

 


 

参考ウェブ

 

https://www.sueddeutsche.de/karriere/erholung-vom-arbeitsstress-wie-sie-richtig-urlaub-nehmen-1.1731935

https://de.wikipedia.org/wiki/Urlaub

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