日本のフェイラー人気の秘密 – 日本独自の成功を遂げたドイツブランド
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フェイラー(FEILER)というタオルブランドをご存じですか?
カラフルで可愛らしい花柄やキャラクターデザインのハンカチやポーチを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
実はこのフェイラー、ドイツ生まれのブランドです。
でも、面白いことに、ドイツ本国ではあまり知られていません。
なぜ日本でこんなに人気があるのに、発祥の地ではそうでないのでしょうか?
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フェイラー(FEILER)というタオルブランドをご存じですか?
カラフルで可愛らしい花柄やキャラクターデザインのハンカチやポーチを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
実はこのフェイラー、ドイツ生まれのブランドです。
でも、面白いことに、ドイツ本国ではあまり知られていません。
なぜ日本でこんなに人気があるのに、発祥の地ではそうでないのでしょうか?
いつもトランスユーロアカデミーのブログ記事をご愛読いただき、誠にありがとうございます。
このたび、新シリーズ「ゆる~く旅するオーストリア」の配信が決定いたしました。
ライターは、現在オーストリア在住で国家公認ガイドのKen’s Caféさんです!
第1弾は2025年3月25日(火)公開予定で、2か月に1回の連載を予定しています。
オーストリア国家公認ガイドならではのオーストリアの魅力を、カフェハウスにいるかのように「ゆる~く」お伝えします!
公開中のブログシリーズは下記のとおりです。
≪火曜日配信≫
NEW!▶『ゆる~く旅するオーストリア』(Ken’s Café)
≪木曜日配信≫
今後も、ドイツ語圏に関する魅力的な情報を発信できるようブログチーム一同力を合わせて、ドイツ語好きの方々をワクワクさせる楽しいブログを作成していきたいと思います。
皆さま、今後もトランスユーロアカデミーブログに対して引き続き変わらぬご愛顧をいただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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新年を迎え早くも2ヶ月が経過しましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今年から毎月記事を投稿することとなりました。
今年もドイツ語に関する様々なテーマを扱うことができればと思っております。よろしくお願いします。
今回のテーマも私がドイツで耳にし、ドイツで自分も無意識のうちに使うようになってしまったものです。
すでにタイトルに例を記載していますが、ドイツ語の授業では習うことはないのに、ドイツ人から頻繁に聞かれる表現である「人名につく定冠詞」です。
いやいやTellerさん、ちょっと待ってくださいよ、人名に定冠詞がついちゃったら「あのパウラさん」みたいに指示性が高まって有標の表現なんじゃないですか?という言語学の知識がある方に言われるかもしれません。
確かにそういう使われ方もありますが、そうではなく、「有標」すなわち特に指示性を強調したりするための表現としてではなく、ごく普通に使われるいわゆる「無標の定冠詞+人名」をここでは扱いたいと思います。
私が初めてこの表現を聞いたのはいつだったのかはもう全く覚えていません。
というのも、あまりにも頻繁に聞く表現であり、いつの間にか自分も無意識のうちにこの表現を使うようになっていたからです。
ただ、「そういえばみんな自分の名前の前に定冠詞使っているなあ」と気づいたのは、様々なテレビ番組で、出演する一般人の方が自己紹介をしている時だったことは記憶にあります。
そしてそれ以来、日常生活で自分の周りの人たちが自己紹介以外のコンテクストで他人の名前にも定冠詞が使っていることがわかりました。
よくよく聞いてみたら夫も使っていたので「そういうものなのか」とスッと受け入れて、しまいには何だか定冠詞があった方がしっくりくる気がするようになり、自分もいつの間にか吸収していたのでした。
ところがある日、夫の家族が住むベルリンへ行き義兄と話していると「人の名前にderとかdieとかつけるなんて、もうすっかりデュッセルドルフ人だね」と言われ、この時初めてこの話し方が地域的なものだということを知りました。
ただ、よくよく考えてみると人名に定冠詞をつける話し方はケルン、フランクフルト、フライブルク、ミュンヘンなどなど、様々な街の人から聞いたことがあったので、デュッセルドルフだけのものではないことはわかっていました。
ベルリン出身である夫ですらも人名に定冠詞をつけて話していたので、てっきり全国区の表現で学校では習わない話しことばの一つなのだろうと私は考えていたのです。
しかしベルリンに住み続ける夫の兄弟たちの話し方をその日観察してみると、確かに彼らは使っていないことに気づきました。
夫はベルリンを離れてすでに10年が経過しており、ベルリンを出てから住み始めたところでたまたまその表現を身につけ、今でも使い続けているということだったのでした。
実際調べてみると、大雑把に言うならば北ドイツでは見られず、南ドイツでは頻繁に観察される表現だということでした。
さらに調べてみると、地域によっては中性名詞につく定冠詞dasも人名と結びつくことがあるそうです。
これは私自身まだ聞いたことはない表現なのですが、どうやらドイツ語の中でも西部の諸変種、そしてスイスの一部では女性の名前の前にdasが付けられることがあるそう。
ただ、数年前にとある若手研究者の集まる学会で、スイスの学生さんが人名につく定冠詞について研究発表をされていたのですが、彼のスイスドイツ語の言語資料の中には男性の名前にもdasがつけられている例が確認されているとのことでした。
発表していた学生さんは「〜の子ども(das Kind)を指すところから来ていて、指小辞のような意味合いがあるのではないか」と言っていたのですが、まだ詳しいことはわからないとのことでした。
Busley & Nübling (2021)という論文では、女性の名前につく定冠詞とその場合に使用される人称代名詞について、その女性の名前を呼ぶ人と呼ばれる人の関係性や文脈を考慮し分析した結果が伝えられていますが、なぜ中性の定冠詞や人称代名詞が使われるのか、ということについては述べられていません。
この論文中では、各地域でも中性定冠詞並びに人称代名詞の使用に差があるということが伝えられているほか、名を呼ぶ人と呼ばれる人の関係性が非常に親密(家族関係など)であり、かつ、中性定冠詞+名前で指される人物は年齢的にMädchenと呼ばれるくらいの若さであるか、未婚の女性である傾向があるというまとめがなされています。
ただし、人間関係というのはとても複雑で血縁関係を超えて親密な関係になる友人だったり、同僚だったりもあるわけなので、使用条件をクリアカットすることはできないであろうということも繰り返し述べられています。
ですが、このまとめは指小辞と似た性質を持つ可能性があるということを支持するものであるとも考えられます。
よく考えてみれば、女性に関する名詞のいくつかには中性名詞のものがあり、例えばMädchenも中性名詞ですし、その昔ドイツでも使われていた、英語のMissやフランス語のmademoiselleに匹敵するFräuleinも中性です。
他にも、もうこれは蔑称扱いにすらされているので使ってはいけない単語ですがdas Weibやdas Fräuleinのように中性名詞のものが多いというのは、何か関連がありそうな気もしますが果たしてどうなのでしょうか。
ちなみに余談ですがFräuleinは未婚女性を示す語で、戦後意識的に使用されなくなった表現です。
フランス語でも2012年以降フランス語のmademoiselleが公的文書では用いられなくなり、ドイツのFrau / Herrと同じように統一してmadame / monsieur が使用されるようになりました。
一方英語でも同じように昔はMiss.とMrs.で既婚・未婚の区別がなされていましたが、英語では統一表現としてMs.が導入されたことは皆さんも学校で習ったかと思います。
人名に使われる定冠詞は主格だけに使われるのではなく、格変化を伴い使われます。
例えば人名が前置詞と一緒に使われれば、„bei dem Timo“や„mit der Elena“というように定冠詞も変化します。
下の名前だけでなく、呼称(Anrede)のHerrやFrauなどの前にも使われますが、この定冠詞+人名はあくまで口語表現でのみ使用されるものです(ただしチャットなどは文字コミュニケーションではありますが、口語調なこともあり使用される例も確認済み)。
なぜ定冠詞が人名に用いられるのかは現時点ではわかりませんが、これまでにも少し触れてきた言語変化と定着のメカニズムにも関連性がありそうです。
最初は有標だった表現が、使用される場面や頻度が増えることでその有標性を次第に失っていき、特別な意味合いを持たずにごく普通に使われるようになった、という可能性もありそうです。
Busley, Simone & Nübling, Damaris (2021): Referring to women using feminine and neuter gender: Sociopragmatic gender assignment in German dialects. In: Nordic Journal of Socio-Onomastics, 1. 39-65. https://doi.org/10.59589/noso.12021.14722.
Sick, Bastian: „Wenn der Timo mit der Leonie“, Zwiebelfisch. Spiegel Kultur. 13.05.2009, https://www.spiegel.de/kultur/zwiebelfisch/zwiebelfisch-wenn-der-timo-mit-der-leonie-a-623493.html (最終閲覧日:2025年1月30日)
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皆様は映画を鑑賞する際、「これってどこで撮影したんだろう?」と、映画の舞台となった場所が気になって、そこに行ってみたいと思ったことはありませんか?
私自身はファンタジー冒険映画の代名詞であるロード・オブ・ザ・リング(The Lord of the Rings)に登場する数々の舞台に感銘を受け、そのロケ地がニュージーランドだったことを知って以来、死ぬまでに一度はニュージーランドを訪れて撮影現場となった場所を実際に見てみたいという目標を立てました。
それから既に20年以上が経過し、残念ながら未だに目標を達成できていません。
しかし、いつかは必ず念願のニュージーランド旅行を実現させる思いで日々頑張っております。
このように、私の場合はとある映画をきかっけに将来の目標を決めましたが、近年では映画のみならず、ドラマやアニメの舞台を訪問する「聖地巡礼」と称されるロケ地巡りを行う観光客も増えていることから、世界中で同様な気持ちを抱いている人が相当いるのが窺えます。
したがって、読者の皆様の中にもそのような方が一定数いる筈で、訪れてみたいロケ地がスイスにあるという人が最低でも1人ぐらいはいるのではないでしょうか?
特に、人気アニメで知られる「アルプスの少女ハイジ」を観ていた世代なら画面上に広がる世界に魅了され、一生に一度はスイスに行ってみたいと願った視聴者も少なくありません。
とはいえ、スイスが舞台となっている作品は決してハイジだけではなく、他にもスイス各地の場所が映る様々な映像コンテンツがあります。
そして、ストーリー上その作品または一部シーンの舞台がスイスであることが明らかな場合がある一方、景色を観ただけではスイスで撮影されたという事実が分かりづらいケースもあります。
割合で言えば、むしろ後者の方が大半を占めるので、殆どの視聴者はロケ地がスイスであったことを認識しないまま作品を鑑賞していることが多いです。
そこで、今回は皆様もよくご存知だけど、撮影現場がスイスだったことを意外と知らない世界的に有名な映画をご紹介させていただきます。
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ドイツに住み始めて20年近くなる私ですが、これまでドイツでのお葬式に参列したことがありませんでした。
しかし癌を患っていた義理の兄が先日亡くなり、初めてドイツのお葬式に参列してきました。
義理兄とのお別れは悲しかったのですが、とても印象に残るお葬式だったので、自分が忘れないようにするためにもブログで書いておきたいと思います。
※本講座は満員となりましたので、お申し込みを終了しております。
皆様お待たせしました!!
ドイツ語特許翻訳のエキスパート・トランスユーロが運営しているトランスユーロアカデミーでは、このたび2年振りに一般コースの開講を決定しました!
現在進行中の入門コース(第7期)は、知財や法律の業務に携わっている人たちやプロの翻訳者さんなどの業界のプロの方々を始め、ドイツ語大好きな現役大学生さんなど、世代や職業を越えて国内外から多くの方々が参加してくれています。講師への質問内容など、講座中に飛び交う議論のレベルがとても高く、非常に高い意欲をもって学んでいただいています。
この入門コースは2025年3月で最終回を迎えますが、この勢いに乗って、入門講座の終了後にすぐに一般コースをスタートさせます!
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皆様お久しぶりです!
今までかなりの頻度でスイスドイツ語講座を行ってきましたが、実は先日重要なことに気付いてしまいました。
本講座ではなるべく実用的なスイスドイツ語を中心に、色々な場面で使用できる言葉をご紹介することを心掛けているものの、使う回数が最も多いと言っても過言ではない感謝の表現を教えていませんでした。
感謝は仕事、私生活を問わず対人関係において決して忘れてはならないもので、それをするのとしないのとでは周りの人の印象を大きく左右する一番大切な感情表現です。
したがって、今回はスイスドイツ語をマスターする気がなくても、観光でスイスを訪れたり、どこかでスイス人と遭遇したりした際のために知っておくべき感謝の言葉について色々とご説明させていただきます。
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こんにちは。皆様素敵なクリスマスを過ごされたでしょうか?
このブログも今年の夏に書き始めて第四回目を迎えることとなりました。
私のドイツ語をめぐる経験談を、専門であるドイツ語諸言語学の観点から専門的になりすぎないくらいに記事として書き、興味をお持ちの皆様にこうしてお伝えするのはとても楽しく、読んでくださった知り合いの方々からも「これからも楽しみにしているよ!」と、たくさんの温かい声をかけていただいております。本当に励みになります。ありがとうございます。
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以前、スイスには「首都」がなく、ベルン(Bern)を連邦機関の所在地として「連邦都市」と定めていることをご説明させていただきましたよね?
スイスが元々国家連合として設立されたことから、連邦州の平等性を維持するためにあえて首都を定めず、各州の代表者が集会する場所をローテーション制で毎年変えていました。
そして、1848年に国家連合から連邦国への改革を行った際にひとつの州に政治的な優勢性を持たせず、全州の平等性を引き続き確保する解決策として生まれたのが「連邦都市」の制定でした。
とはいえ、過去を振り返るとなんとスイスにも一時的に「首都」が存在していた期間があったのです。
この事実は国外ではあまり知られていませんが、スイス人にとっては自国の歴史を知る上では重要な1ページと言えます。
したがって、今回はアールガウ州(Kanton Aargau)の州都であり、スイス初の首都でもあったアーラウ(Aarau)をご紹介させていただきます。