スイス最北端の都市シャフハウゼン

スイス北部を流れるライン川はほとんどの場所でドイツとスイスを分ける国境であるイメージが強いのですが、以前ご紹介したバーゼルのようにライン川を跨ぐ市町村も存在し、必ずしも川の南岸がスイスで北岸がドイツという訳ではないのです。

しかも、中には完全にライン川の北岸でありながらも実はスイスに属する地域もあります。

例えば、スイス最北端の州と呼ばれるシャフハウゼン州(Kanton Schaffhausen)がそのような代表例です。

したがって、今回はこのような地理的に珍しいシャフハウゼン州の州都であるシャフハウゼン市をご紹介したいと思います。

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ヴァルプルギスの夜‐魔女たちの宴

もうすぐGW、日本では祝祭日が続く大型連休を迎えますが、ドイツでも5月1日は労働者の祭典であるメーデーとして祝日となっています。しかしこのメーデー、その起源は、春の到来を祝う(夏の到来を祝うという説もあり)ヨーロッパの伝統的なお祭り「五月祭」にあります。そしてその前夜には、魔女たちの宴と云われる祝祭「ヴァルプルギスの夜」(Walpurgisnacht)」が北欧や中央ヨーロッパで行われています。今回はこの魔女の宴・ヴァルプルギスの夜についてお届けします。

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ローマ教皇の衛兵シュヴァイツァーガルデ

皆様はスイス衛兵をご存知でしょうか?はい、そうです。カラフルな衣装に身を纏い、ヴァチカン市国でローマ教皇の護衛を務めるスイス人衛兵部隊のことです。

「何故スイス人の兵士がヴァチカンに?」と、疑問を抱いてその内容について独自に調べられた方も少なくないと思いますが、詳しいことは分からないという人がまだまだ多いのではないでしょうか?

そこで、今回はスイス衛兵を初め、スイスの傭兵についてのお話をさせていただきたいと存じます。

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日本に初めて降り立ったドイツ人たち -シャムベルゲル、ツァハリス・ヴァーグナー、ケンペル

マンガ、アニメといったポップカルチャーから、茶道、生け花、盆栽などの伝統文化まで、今日では欧米社会で高い知名度を得た日本文化が多くあります。日本とドイツの間において、本格的な外交が始まったのは、1861年に調印された日普修好通商条約以来であり、ドイツの前身であるプロイセンと公式な関係が結ばれました。

しかし、それ以前、鎖国政策がとられていた江戸時代にも、オランダ人と称して、ドイツ人が来日していたのです。

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スイス建国の英雄ウィルヘルム・テル

お久しぶりです。いつもお世話になっていますBireweggeです。

皆様はウィルヘルム・テル(Wilhelm Tellという名前を聞いたことがありますか?

もちろん聞いたことがあるという方もいれば、「誰だったっけ?」と、名前だけ何となく記憶に残っている方や全く知らない人もいるでしょう。スイス人の中では当然ながら知らない人はいませんが、それはスイスの建国の主役であると言っても過言ではない存在だからです。

ここで、「え?ウィルヘルム・テルってスイス人だったの?」と思った方もいるのではないでしょうか?そのような疑問を解消するためにも、今回はスイス建国の父と称されるウィルヘルム・テルを詳しくご紹介させていただきたいと思います。  ⇒続き

ドイツ再統一30周年 東西ドイツの今日

第二次世界大戦後、東西に分断されたドイツが再統一(Wiedervereinigung)されてから、今年2020年10月3日で30年を迎えます。

米ソ冷戦の象徴でもあったベルリンの壁の崩壊、そしてドイツの再統一は、ドイツの歴史上のみならず、世界史にも大きな1ページを刻みました。しかし、その後の道のりは決して平たんではありませんでした。例えば、経済格差はクローズアップされてきた問題の一つです。

再統一から30年、東西ドイツの間にある格差は解消されたのでしょうか。これからのドイツはどのように変容していくのでしょうか。

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リュトリ盟約から始まったスイスの建国

スイス国民は毎年8月1日に建国記念日を祝います。

といっても、大規模なパレードや特別なイベントが開催される訳ではなく、ほとんどの人は家族や少人数で祝うのが一般的です。

それはスイスの建国記念日が他の国と異なって革命を起こした日や終戦を祝うものではなく、スイスが独立国となる過程の中でその出発点を指す祝日だからです。したがって、今回はスイス連邦が如何にして誕生したかをご紹介させていただきます。

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ここがすごいよ、シーボルト!

歴史の授業でも習うシーボルト。鎖国時代にオランダからの使者として、長崎・出島に派遣された医師というのが一般的な認識で、名前だけ知っているという方も多いかもしれませんが、印象深い逸話も多いのです。今回はその中から、ここがすごいよ、シーボルト!と題して、興味深いエピソードを6選お届けします。

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ものづくりの国ドイツ 活版印刷の誕生

ヨハネス・グーテンベルクはルネサンスの三大発明と言われる活版印刷技術の発明者です。活版印刷は1445年頃に発明された凸版印刷の一種で、活字を並べて文章にした活版、組版を作り、それに塗料を塗って印刷する技術で、デジタル印刷が世に出る前は、書籍の印刷には欠かせないものでした。

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新しい時代のはじまり-平成から令和へ

日本では紀年法が他の多くの国々とは少し違っています。日本式に年を数えると、今年は2019年ではなく、平成31年、つまり平成時代の31番目の年、ということになります。このような紀年法は元号と云い、この制度の起源は中国に由来します。天皇は、適当な機会に、例えば即位に際して、新しい元号を宣言することができました。新しい元号の宣言は、1868年までは、いつでも随意に行うことができましたが、そのせいで、極端に長い期間の元号や極端に短い期間の元号が生まれてしまい、非常にわかりにくい制度を生んでしまいました。1868年からは、新しい元号は新天皇の即位とともにスタートすることになりました(一世一元の制)。しかし、これによって元号制が本当にわかりやすくなったのかと云えば、そうでもありません。

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